欧州を席巻した大種牡馬ガリレオの死と後継種牡馬。




欧州で長きに渡って最強の種牡馬として君臨したガリレオ(牡23=父サドラーズウェルズ)が現地時間10日に死んでしまいました。

これで日本のディープインパクト、欧州のガリレオとその地域で長い間活躍をした名種牡馬が不在となります。
ディープインパクトの後継争いも混沌としていますが、ガリレオも同じですね。
ノーザンダンサー→サドラーズウェルズ→ガリレオと続いた欧州血統が今後どうなるか非常に楽しみではあります。

ガリレオの欧州でのブッチギリ振りは日本のディープインパクトの比ではありません。
ディープインパクトも年間の賞金額で2位の馬(大体はキンカメ)に倍の差をつけることは出来ていないハズです。
(サンデーサイレンスはドーピングみたいなものなので、、、対象からは外します。)

惜しかったのは2020年でディープ(稼ぎ頭コントレイル)が80億6782万円に対し、2位のロードカナロア(稼ぎ頭アーモンドアイ)が43億7400万円。1.84倍。
次点は2018年でディープ(稼ぎ頭ワグネリアン)が69億2671万円に対し、2位のキングカメハメハ(稼ぎ頭レイデオロ)が38億1941円。1.81倍。

ガリレオは直近だと2019年が差がついて実に2.84倍もの差が2位とありました。

ディープインパクトは同時に勝ち数もトップでしたが、この辺りの年のガリレオは既に種付けも減らしていて、勝ち数だけで言えば欧州全体で14位。
それにも関わらず、賞金で3倍近い差をつけるということは、効率がとんでもなく良かったということです。

サドラーズウェルズでさえも欧州で直系で残りそうなのはガリレオの流れのみ。
モンジューが元気なら違ったかもしれませんが、早々と逝ってしまったため、キャメロット次第では潰えます。
主に北米で活躍しているキトゥンズジョイとメダグリアドーロがいますが、大活躍した馬には牝馬が多いんですよね。キトゥンズジョイの系列ではロアリングライオンも死んでしまいましたし。

さてさて、そんなガリレオの後継争いです。
欧州で2021年に大きな転機を迎えるかもしれません。

ガリレオの上に君臨しているフランケル。
まだ上半期だけとはいえ、ここだけは定位置だったガリレオの牙城を崩しました。
ガリレオの死が今年だった事を考えると、丁度良くバトンを受け取った感じはします。

早々にクラックスマンを出していましたが、それ以降は欧州では単打とたまに3塁打という感じだったフランケルも今年は大躍進。
欧州では英ダービー馬アダイヤー、愛ダービー馬ハリケーンレーンを出し、欧州ではないですが、オーストラリアオークスを勝利したハングリーハートと立て続けに仔が走りました。

欧州2番手にウィジャボードを母に持つオーストラリアが10位、3番手にグレンイーグルスの22位。
エネイブルを出したナサニエルもあれは例外とはいえ、それ以降はそこまで…という状態ですし、ニューアプローチ→ドーンアプローチと続いても暫くヒットがなかった系列ですが、今年2000ギニーの勝ち馬であるポエティックフレアを出したので、ギリギリ繋がった感じです。26位。

こう見て分かる通り、実はそこまで欧州でガリレオの仔がリーディングを埋め尽くしていません。
デインヒルの方が多い位。ディープもそうですね。仔は現時点では埋め尽くすには至っていません。そういうものです。

現時点では後継争いはフランケルが1歩リードと言っていいでしょう。
今年初年度となる馬も期待の馬がいますが、まだ分からないですね。
チャーチル、ハイランドリール、デコレイテッドナイト辺りがいますが、意外に頑張っているのがエリザベス女王の馬だったレコーダー。

 

クラックスマンの仔が活躍しちゃえばフランケル確定ですが、もう少し確定まではかかるかもしれません。

ただ、「またガリレオかよ」という時代ではなくなりつつありますね。
そして欧州を次に制するのはこの流れではない気がしています。勘ですけど。