マカヒキが凱旋門賞に行くことについて




マカヒキがこの秋凱旋門賞へ行くことになったそうです。
引用先:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160609-00000067-dal-horse

今年のダービー馬マカヒキ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)が、凱旋門賞・仏G1(10月2日・シャンティイ)に挑戦することが9日、明らかになった。

あまり「ええー!あのマカヒキが」という驚きもなく、菊花賞ではなく凱旋門賞を選んだ、という位でしかありません。

今年の3歳馬はとても強いと思っているので、いい勝負になるんじゃないかと。
勝つか負けるかは1発勝負なので運も必要です。

「なぜ凱旋門賞にこだわるんだ?」「他にもいいレースあるじゃないか?」という指摘が良くあります。
しかし、私は凱旋門賞しかないと考える派です。

理由はただ1つ。
時期がいい。10月1週目であれば凱旋門賞→JC→有馬記念と走れます。日本で見たいですからね。

他のレースは時期が悪いです。
キングジョージはダービー馬が行くならともかく、宝塚記念をパスしていくレースでもありません。
ブリーダーズカップなんて11月ですからね。行こうと思ったら日本国内のレースほとんどをキャンセルしないといけません。トレイルブレイザーは一応有馬記念には帰ってきましたが、凱旋門賞と比べると非常にスケジュールが詰まります。
英インターナショナルSもいいですが、夏場です。行ける馬は限られるでしょう。ゼンノロブロイの遠征は好きですけど、やる陣営はありませんし。

結局春先~秋まで各国シーズンなので、どうしても被ってしまいます。当然です。
日本は欧州各国より少し遅いという利点があるため、凱旋門賞なら行けます。従って他のレースを選択するより良いと思っています。

「海外は甘いもんじゃない!」「舐めるな」という意見をチラホラみますが、ジャパンカップだって同じです。
JC勝てるレベルの馬であれば、凱旋門賞も勝ち負けです。

もちろん慣れない場所へ遠征しているため、遠征の耐性は必要でしょう。こればっかりは鍛えてどうなるものでもないですから。
ホームシックになってしまうとか、慣れない芝で走るとどうも走る気がなくなるとか、ご飯を食べなくなるとかあると厳しいでしょうが、やってみないとわかりません。
何回も遠征できるものでもない馬が大半ですから、ここが当然1発勝負です。

前哨戦も多くの方は「使うのが正」というものですが、今時そんなことはないと思いますけどね。
馬によっては毎回死力を尽くして走ってしまうため、ニエユ賞から中2週で2400mの連戦は辛いタイプもいるでしょう。

ついでに馬場も近いです。フランスは雨が降ると馬場が悪化しますが、原因は水はけが悪いからです。
晴れていれば日本とそこまで差があるようには感じませんし、時計も大きく変わりません。

日本馬が行くと「馬場が~」と言われますが、英国の馬やアイルランドの馬だって同じです。
彼らもフランスの軽い馬場とは違う馬場を走っているので、合わない場合があります。
英国ダービー馬、キングジョージ馬が沈むシーンもさして珍しいものではありません。フランスで行われる以上、フランスで走ったことない馬は未知です。

と、まぁブログの通りつらつらと書きましたが、マカヒキは良い勝負するでしょう。
私が見に行った時の凱旋門賞で、ハープスターが後方から追い込んで6着でした。
「外回して勝つ気あるのか?」など騎乗っぷりを散々書かれていましたが、JCでもこれ位の決着だろうと思っていましたし、ハープスターの走りならこういう結果になる可能性も高かったので、驚くことはなかったです。

むしろ「タグルーダと差がないな、やっぱり」とゴールした後思いました。

アイキャッチ画像にありますが、1馬身半位前にいる青い勝負服が同年のキングジョージの勝ち馬タグルーダでした。同い年の3歳牝馬で1番人気。
アスコットでやればこんな差では済まないと思いますが、ロンシャンなら差はないだろうと思っていたので、私の見立ては合ってたなと結構満足していました。
理想は差し切ってほしかったですが、仕方ないでしょう。また、同年の仏オークス馬アヴェニールセルタンは2番人気で11着でしたので、地元馬は何してんの?という感じでした。

レースと脚質の向き不向きはありますが、その程度の差です。
「ハープスターは文句なし日本のトップでしたか?」と問われれば多くの方は「No」でしょう。それがあの着差でタグルーダやフリントシャーと走っている訳です。

今年の3歳馬は欧州でも非常に高く評価されています。
レーシングポストはオフィシャルなものに近いので、参考になります。
少なくとも、レーシングポストは3歳馬の順列を以下の様に見ています。
英仏日のダービー後ですので、愛ダービーと愛オークス、仏オークス以外はおよそ出尽くした感じのメンバーです。

世界の3歳馬ランキング

下線が日本馬です。

とりあえず英国ダービー馬は一番上になっていますが、Awtaad(アウタード/愛2000ギニー/123)Galileo Gold(ガリレオゴールド/英2000ギニー/123)、The Gurkha(ザグルカ/仏2000ギニー/122)という上位の馬は次はアスコットのセントジェームスパレスS(芝1600m)を予定しています。マイル路線です。

つまり、3歳馬の世界の上位の連中で、マイルじゃない馬の多くは日本馬が占めています。
先日の仏ダービーはThe Gurkhaの前にきっちり負けた馬で、5着だったZarakが2着、3着だったDictonが3着という結果というのもあり、勝ち馬Almanzorは117止まり。
1つ上に名前があるエアスピネルが118ですので、評価としてはそれ位です。見ていても決して高いと感じませんでした。

セントジェームスパレスSに出る連中は非常に強くて、3頭激突すれば面白い戦いになると思いますけどね。

古馬も一緒。
Postponed(ポストポンド)は強いです。
それはいいけど、その次は?と言うと次で詰まります。

恐らくFascinating Rock(ファシネイティングロック)でしょうかね。
その次からはTime Test(タイムテスト)、G2勝ったばかりのExosphere(エクソフィア)、Found(ファウンド)辺りになってしまいます。

このメンバー相手なら、斤量差を加味したらいい勝負以上の走りをして当然だろうと思っています。
馬群を捌けるかどうか?など条件がありますが、ダービー位走れれば1着でも不思議ではありません。

冒頭に書いた通り、勝つか負けるかは勝負ですからあると思います。
ただ、日本のある程度の馬が行けば、いい勝負にならない事が考えにくいです。
私は、マリアライト辺りが行けばいい勝負じゃないかなと思っていますし、ディサイファとか行ってほしいなぁって勝手に思っています。

もちろん勝つのは大変です。
でも、それは欧州の2400mで最も格の高いレースである以上仕方ありません。
ものすごい神格化している人もいますが、ジャパンカップと同じ位と考えて見た方が正しいと思っています。

せっかく行くのであれば頑張って1つでも順位を上げて欲しいですし、帰ってきてジャパンカップで見たいですね。
そこでガチンコでドゥラメンテ、ゴールドアクター、キタサンブラックとマカヒキ、サトノダイヤモンド、ディーマジェスティが戦ったら楽しいじゃないですか。
そういうローテを組んでほしいと切に願います。