コントレイル世代は弱いのか?夏競馬の振り返り。




神戸新聞杯を見て

久々にブログを書きます。

まぁ秋競馬もG1位は書こうかなと思っているので、リハビリも兼ねてですね。
神戸新聞杯が終わりました。
コントレイルが圧勝したのはいいとして、気になったのは2着がヴェルトライゼンデ、3着が1勝クラスで負けていたロバートソンキーだったことでしょう。

結局ホープフルSで戦ったヴェルトライゼンデがまた2着ということで、大きな変動は起きませんでした。負けても「おお!」という感じの馬も少ないです。オウケンブルースリ的な。

今年は3歳馬がちょいと微妙な感じがしないでもありません。
降級もなくなり、夏は3歳馬優勢ではありますが、OPや3勝クラスでの苦戦が見られるような気がします。あくまでも印象です。

コントレイルの強さを考えれば3冠はほぼ確実でしょう。
バビットが唯一と言える春未対戦の上がり馬(アンティシペイトは現状ライバルになり得る実績の馬ではない)で、逃げタイプという大逆転の魅力こそあれ、勝利となると相当の運の巡りが求められます。

京都の下り坂を利用できそうなタイプも面白そうですけどね。
コーナーでの走りが魅力的なサトノフラッグが、京都の下りを効率的に走れれば面白そうだと思うものの2着候補の話。

では、実際今年のレベルってどんなもんだったんだろう?というのを振り返ろうと思います。
データ集めに苦労しました。

 

3冠馬出現の世代は弱いのか?

これもよく言われることですが、「3冠馬が出現する世代は低調」という印象はあります。

当然ながら世代のタイトルホルダーが1頭だけになりますし、負けた馬は「勝ち切れない馬代表」みたいなノリの馬が多くなってしまうのは仕方ないでしょうね。

ビゼンニシキやエアダブリン、アドマイヤジャパン、シックスセンス、ウインバリアシオンなど。
個人的にはシックスセンスは無事ならG1は(海外で)獲れたと思いますが、他の馬含めて結局勝てませんでした。

ナリタブライアン世代もへっぽこのイメージもありますが、3歳秋はあの世代は強かったのを覚えているオールドファンはいるのではないでしょうか。
ステイヤーズSのエアダブリン、鳴尾記念のスターマン、アルゼンチン共和国杯のマチカネアレグロ、福島記念のシルクグレイッシュなど混合の重賞を勝ちまくっていました。
そして有馬記念のナリタブライアンとヒシアマゾンのワンツー。
翌週の中山金杯ではサクラローレルも勝利しています。

他はいちいち書きなぐるのが面倒なので、ここで止めます。

各世代の菊花賞前と後を少し調べてみましょう。
世代はナリタブライアンの1994年、ディープインパクトの2005年、オルフェーヴルの2011年。そしてコントレイルの2020年。とか言ってたら負けたりして。

他の世代と比較しないとアンフェアですので、降級がなくなったデータとして2019年+いくつか。
牡馬牝馬は問わないです。2歳~3歳春は重賞以外では牡馬牝馬が分かれることが少ないので、勝ちあがれなかった組のレベルを確認するのが目的ですし。

3歳馬との混合戦が始まる6月から9月まで。
ダートも調べると面倒なので芝1600m以上限定。出走頭数は調べるのが面倒なのでやめ。1頭でも勝てばいいんだ!

で、調べたのがこちらになります。

もっと明確に今年は弱い!とデータが出ればよかったですが、そんなこともなくしっかりと1勝クラスは勝ちあがっています。
というか、相当勝ち上がっています。

サラブレッドの早熟性が加速してきた(?)のに加え、降級なしとなって夏競馬は様変わりしてきたことが見て取れます。
調べた限りでは一番苦戦しているのは2004年。ダービー馬キングカメハメハの時です。

ただ、今年は2勝クラスの苦戦は感じました。
数字にも出ていますが、勝ち上がってくれるだろう的な馬が勝ち切れなかったのが印象的でした。
その辺りのイメージもあるかもしれませんね。具体的にはニュージーランドTで1番人気だったオーロラフラッシュ(洞爺湖特別2着)や、皐月賞4着のウインカーネリアン(3歳以上2勝クラス5着)など。

それに加えてルフトシュトロームやワーケアといった春にそれなりに走っていた馬が、夏の重賞で掲示板にも入れずに敗戦しているのも印象が悪い。

とはいえ、世代が特別弱いということは言えず。
3冠馬世代にしても、ブライアン世代は前後調べていませんが割といい勝ち上がりですし、他の3冠馬世代も前後と比較して大きく劣っている事はありません。
下の方はそこまで世代としての差はないってことでしょう。ここから読み取れるのは。

ちなみに、1600万下は鬼門ですが、ここを勝ち上がったアドマイヤビルゴは優秀です。
ここでカウントされた他の馬はロードマイウェイ、ショウナンマイティ、アヴェンチュラ、エイシンヒカリ、ダンスアミーガ、アズマシャトルという面々。ダンスアミーガ以外は後に重賞を制しているように、夏の1600万突破は素晴らしいステータスとなります。

下の方のレベルは世代間でそんな大差ない感じです。
裾野の広さではなく、問題は山の高さってことでしょう。

No.2、No.3辺りが極めて重要

ということになります。
詰まる所、サリオスの肩に(脚に)この世代の強さはかかっています。

もう1頭上げるならヴェルトライゼンデでしょう。
サリオスが毎日王冠でコケ、ヴェルトライゼンデが有馬記念で凡走とかだと「ああ、やっぱり3冠馬の年は相手が弱い」と言われてしまいます。

ナリタブライアン世代もエアダブリン、スターマンは菊花賞後しっかり勝ったものの、やはりヤシマソブリンが有馬記念で大敗したのが印象が悪かったと思っています。
オルフェーヴルの世代も今年で言うサリオスの立場にあったウインバリアシオンがジャパンカップで5着に敗戦。
ディープインパクトの時はアドマイヤジャパンがジャパンカップで11着と大崩れが印象良くなかったですね。

今年はサリオスという明確なNo.2が古馬といきなり戦うというのは新しいタイプですので、世代を超えてサリオスが頑張れば見直されるでしょう。

有馬記念などでヴェルトライゼンデが崩れると一気に上位2頭以外はやっぱりダメ世代になりますが、あの馬は大したことないように見えて大崩れはしなさそうなので、案外この世代は後々評価される気がしてなりません。

結論

現時点では1勝クラスを多くの馬が突破しているので、言うほど弱くはない。
ただ春の時点でも感じていたことだけど、春は重賞で勝てないもののそこそこ走ってた組の層が薄め。だから2勝クラスの突破に苦戦している馬が目立つ。

が、トップクラスに関してはまだ分からない。
サリオス、アドマイヤビルゴ、ヴェルトライゼンデの頑張りでは「コントレイル以外は大したことない」を覆す可能性はありそう。