凱旋門賞3連覇がかかるエネイブル。他にG1の3連覇を成し遂げた馬はどんな馬?




「同一GⅠの3連覇」

かくも難しいこの記録に挑む世界最強馬エネイブル。しかも凱旋門賞。
1勝目は生で見ましたが、「スピード勝負になれば分が悪いのでは?」などと平然とほざいていた自分の見る目のなさに今となってはびっくりします。

「21世紀の最強馬は?」というのが2098年頃に行われたとしたら、この凱旋門賞で例え敗れても文句なしにランクインするでしょう。
今年行っていたら多分3連覇してたな。自分が凱旋門賞に行くと必ず牝馬が勝ってるし。でも行かーない。

凱旋門賞3連覇はトレヴが失敗したのが記憶に新しいですが、そんなチャレンジそのものがこう立て続けに起こること自体が驚きでしかありません。

3連覇するためには、イメージは年上の2世代と同年代、年下2世代の計5世代を叩き潰さないといけないわけで、そりゃあ相手が5世代もいれば1頭位はその時ピークだったりするライバルもいます。
ご存知の通りJRA平地での達成馬はいません。

春の天皇賞でメジロマックイーン(1→1→2)が惜しいですが、言ってしまえば一昔の出来事。
自分が見てきた馬ではジェンティルドンナもJC3連覇はエピファネイアに完敗し、偉業達成なりませんでしたし、ゴールドシップの宝塚記念3連覇はスタートで潰えました。

3回出走するだけでも偉大で、オグリキャップの有馬記念(1→5→1)も偉大な記録です。
意外に3連覇で惜しかったのはヴィクトリアマイルのストレイトガールかな。3→1→1なので、3連覇失敗という感じは全くないですが、よくよく考えたらカスっていたパターンでした。

 

日本では当然一度も見たことないですが、1回だけ3連覇達成の瞬間に立ち会ったことがあります。
2008-2010にかけてBCマイル3連覇を成し遂げた名牝Goldikova(ゴルディコヴァ)
2011年も出走して3着。4連覇はなりませんでした。

写真に興味のない携帯で撮ったBCマイルスタート前。白い帽子のゴルディコヴァを写していますが、、、

デビュー当初からたまたま見ていて、首を下げて走る独特のフォームに惹かれ、見続けること3年。
おそらくこれっきりだろうということで会いに行きました。
馬場入場から当然の如く特別扱いで、1着でゴールした時はチャーチルダウンズ競馬場は万雷の拍手に包まれました。あれからもう大体10年か。

このゴルディコヴァは2008-2011にかけて、ロートシルト賞も4連覇を達成しています。

 

3連覇(以上)の達成馬を2000年以降で振り返って行きましょう。
抜けがあるかもしれません。一応は主要なG1だけにしています。

 

2019年で欧州で成し遂げられた1つの3連覇があります。
英国グッドウッドC(芝3200m)を2017-2019と勝利したStradivarius(ストラディヴァリウス)
欧州最強ステイヤーの座にここ2年は君臨し、現在アスコットゴールドカップも2連覇含む10連勝中。

ステイヤーはある程度ヒエラルキーがしっかりしているのもあり、その前にはOrder of St George(オーダーオブセントジョージ)がいました。
あの馬も3連覇位してそうですが、残念ながら3連覇はしていません。取りこぼしも多い馬でしたからねー。

2000年代の欧州ステイヤーとしては2006-2009年のアスコットゴールドカップ(芝4000m)を4連覇したYeats(イェーツ)を忘れてはいけません。
最優秀ステイヤーを4年連続で獲得し、ロワイヤルオーク賞、愛セントレジャーなど長距離を走り続けました。

2000年代前半に長距離界を牽引したVinnie Roe(ヴィーニーロー)
こちらは2001-2004年の愛セントレジャー(2800m)を4連覇。
2005年も勝利すれば5連覇達成でしたが、3着でした。

 

欧州牝馬だとゴルディコヴァが2つの3連覇(以上含む)を成し遂げていますが、他にも2000年代にはそんな牝馬がいます。

まずは今年ディアドラが勝利したナッソーSを2009-2011と勝利したMidday(ミッデイ)。
牝馬として息の長い活躍をし、特に3歳以降は抜群の安定感。
Sariska(サリスカ)やStacelita(スタセリタ)、Snow Fairy(スノーフェアリー)などのライバルと激しいレースをしながらも牝馬限定戦では2着を外さないという安定感がありました。

もう1頭は日本のマイルチャンピオンシップにも出走したSahpresa(サプレザ)
なぜかニューマーケットのサンチャリオットS(芝1600m)はとにかく走り、2009-2011で3連覇を成し遂げています。

 

長距離に比べてサイクルが早い印象の短距離ですが、かつてシーキングザパールが勝利したモーリス・ド・ゲスト賞で3連覇が2回行われています。

2006-2008で達成したMarchand d’Or(マルシャンドール)
セン馬なので血は残っていませんが、香港やドバイでも走り9歳まで走り続けました。

それと少し間をおいて出てきたのが牝馬のMoonlight Cloud(ムーンライトクラウド)
こちらは2011-2013と勝利しています。
2011、2012年はマルシャンドールとも一緒に走っています。
2013年のフォレ賞で見ていますが、走りもカッコよく、本当に強い馬でした。

エネイブルは2400mで3連覇を狙っています。
最近この距離で達成された3連覇はエプソム競馬場でのダービー前日に行われるコロネーションカップ。
2011-2013で達成したのは悲劇の馬となってしまったSt Nicholas Abbey(セントニコラスアビー)
モンジューの後継として期待された馬でしたが、最後は残念な結果に。
2013年のドバイシーマクラシックではジェンティルドンナを破りましたので、覚えいている方も多いでしょうね。

この位の距離での3連覇は難しく、他には(多分)いません。

惜しいので言えば、2012、2014、2015とガネー賞を3勝したCirrus des Aigles(シリュスデゼーグル)
ジャパンカップにも来ましたし、2014年のドバイシーマクラシックではジェンティルドンナの2着。
ゴルディコヴァ、スノーフェアリー、ノヴェリスト、フランケル、トレヴ、フリントシャー、ソロウ、ハイランドリール。戦った馬自体が歴史のような成績です。

 

北米は3連覇は調べるのが大変で、よくわかりません。
ただ、シガーなども達成していませんし、息の長い活躍をしていても3連覇は容易でありません。Wise Dan(ワイズダン)も3連覇はしていないハズ。

そんな中、2005-2007にかけ、ゴールドカップアットサンタアニタステークス(サンタアニタ金杯)を3連覇したLava Man(ラヴァマン)
ジャパンカップダートにも2005年に出走しています。
カネヒキリとシーキングザダイヤ、スターキングマンと競り合っていたレースですが、11着でした。

牝馬で強かった馬として2013-2015のゼニヤッタSを3連覇したBeholder(ビホルダー)
この馬自体は強いのですが、牡馬と混じっても勝てていた馬ですし、ややインパクトに欠けます。

同じく名牝中の名牝であるZenyatta(ゼニヤッタ)
こちらは2008-2010のレディーズシークレットSを3連覇。
BCクラシック勝つ馬ですからね。牝馬限定戦を勝利しても、、、という感じ。こちらもインパクトとしては小。

他にもロイカバードなどの母でもあるAzeri(アゼリ)
2002-2004のアップルブラッサムHを3連覇。うーん、まぁすごいのはすごいけど、3連覇としては地味。

 

3連覇ではないものの、同一G1を3勝した馬として2011、2013、2014とサンタアニタHを勝利したGame On Dude(ゲームオンデュード)
この馬も強かったですね。ドバイワールドカップやBCクラシックは結構大負けしていますが、それ以外は比較的安定していました。

2019年に3連覇がかかっている馬がいます。
まずはBCターフスプリントのStormy Liberal(ストーミーリベラル)。今年アルクォズスプリントなど走り、まだ勝っていませんが、どうなるか?
もう1頭はBCスプリントのRoy H(ロイエイチ)。ゴールデンシャヒーンには出てきませんでしたが、現役です。今年あんまり走っていないので、どうなってるのかな?

 

ドバイはいません。
G2のドバイゴールドカップはVazirabad(ヴァジラバド)が2016-2018で達成していますが、G1だとありません。

 

香港は今年Beauty Generation(ビューティージェネレーション)が香港マイルを勝てば3連覇ですが、このシーズン、どうなるでしょうか?

そんな香港マイルを2007-2009で3連覇したのがGood Ba Ba(グッドババ)
安田記念にも2回来てくれましたし、日本馬とも何回も戦って印象に残っています。

香港は2連覇は結構いますが、さすがに3連覇は難しい。
惜しいのは2003-2004と香港スプリントを連勝し、2005年はスプリンターズSに来たのもあったのか出走しなかったSilent Witness(サイレントウィットネス)かな。

 

豪州は最近歴史的名牝は牝馬が多いです。
なんせWinx(ウィンクス)が何個のレースも3連覇位楽勝にしていますので、これは多くなります。

  • チッピングノートンS/4連覇(2016-2019)
  • ジョージライダーS/4連覇(2016-2019)
  • ジョージメインS/3連覇(2016-2018)
  • クイーンエリザベスS/3連覇(2017-2019)
  • コックスプレート/4連覇(2015-2019)

ここまで行くともうなんというか。。。毎年同じようなローテで走っていましたからね。
上4つはこの際、国内だけのG1と言えますが、コックスプレート4連覇は素晴らしいです。強かったし。

2000年代前半に長距離で活躍したMakybe Diva(マカイビーディーヴァ)
春の天皇賞も走りましたが、2003-2005までメルボルンカップを3連覇。しかも51kg→55.5kg→58.0と斤量が増えていき、その3勝全てが1馬身1/4差という驚きの勝ち方でした。

そしてもう1頭。25戦無敗で引退したBlack Caviar(ブラックキャビア)
芝1000mのライトニングSを2011-2013で3連覇。
普通にこの距離で2馬身以上の差をつけていますし、レベルが違いました。毎回リプレイ動画を見ているような走りでした。

 

 

さて、3連覇の期待がかかる凱旋門賞は1強ムード。
ライバルと目されていたSea of Class(シーオブクラス)、Crystal Ocean(クリスタルオーシャン)の2頭はゲートに入ることができませんでした。

2017年の凱旋門賞の5着以内でまだ現役を続けている馬はいません。
2018年の凱旋門賞の5着以内でまだ現役を続けている馬は4着のWaldgeist(ヴァルトガイスト)のみです。

3年出走するだけでも難しく、2018年時点で2年連続で出走していたのはエネイブルの他はCloth of Stars(クロスオブスターズ)とCapri(カプリ)のみ。
クロスオブスターズは引退し、カプリも今年は出ないでしょう。3年連続出走自体エネイブルのみです。なんつー馬だ。

オッズはこうなるのも仕方ありません。

エネイブルのための凱旋門賞となっています。
プロモーションビデオもそんな構成。

日本馬も紹介されています。頑張ってほしいですね。