ダービー馬はその後続かない?各国のダービー馬を検証しましょう。




こういう意見はよく見かけませんか?

「ダービー馬はその後走れてない」「ダービーがピークの馬が多いよね」という意見。
ヤフコメなんかだとよーく見かけます。

GIを複数勝った馬は? 種牡馬としては? 日本ダービー馬のその後を追う

こういう記事もありますね。
コメント欄にもこういう意見が。

確かにロジャーバローズもですし、古くはサニーブライアンもダービーで引退。
他のレースに比べると怪我が重くなった際はきっぱりと辞める決断がしやすい実績とも言えます。

基本的に早熟性が求められるサラブレッドにおいて、「ダービーまでに完成する」というのはそれ自体が自身の血のアドバンテージになるので、決して悪い事ではありません。

日本のダービー馬はよく走っている印象です。
「マカヒキやワンアンドオンリーは違くないか?」と思う人もいるかもしれませんが、すぐ引退よりはいいと思う側の人です。これは人それぞれですので、異論はあるのは承知で。

本当に印象だけなのか?を調べます。
調べるのが面倒なので2000年以降の23年間。

日本ダービー馬のその後

3世代のダービー馬が現役を続け、今年のダービー馬が誕生すると4世代のダービー馬が現役として揃います。

10戦以上頑張ったのが9頭。
3歳で引退した馬は4頭。マカヒキは9歳と群を抜いています。

ダービー後1勝もできなかった馬は6頭。
まだ現役のタスティエーラがどこかで復活(?)勝利をすれば減ります。

G1勝ちは10頭ですが、ネオユニヴァース、キズナは大阪杯を勝ってますので、G1になってればまた違っていたか?ネオユニヴァースの時はメンバーが大幅に違っていたとは思いますけどね。
ディープスカイも勝てなかったにせよG1で好走を続けてたので、勝ててないけど印象には残っています。

日本のダービー馬は頑張ります。特に最近はその傾向が強い。ダービー馬のダービー後の出走回数は219戦。
英国、フランス、アメリカを大きく凌駕します。しかも現役がまだ3頭もいる。

5頭が3戦以下。
ダービー後1勝もできなかった馬は6頭。
3歳で引退は4頭のみ。

引退しないにはそれなりの理由はあるにせよ、走れるというのはファンとしては嬉しいです。

英国ダービー馬のその後

赤文字は世代を超えてG1勝ちがある馬でオレンジは同年代G1しか勝ててない馬です。「英愛」と書いてあるのは英愛ダービー馬。

シンダー、ガリレオ、ハイシャパラル、シーザスターズ、ゴールデンホーンは強かったと思いますが、近年はちょっとね。。。
かつては3歳で引退ばかりでした。

サーペンタインは豪州に移籍した騙馬なので、特殊すぎます。
アンソニーヴァンダイクも割と早めにオブライエン厩舎の遠征担当になってしまいました。その2頭のみが10戦を超えてます。

11頭が3戦以下。
ダービー後1勝もできなかった馬は8頭。
半数を超える12頭が3歳で引退。

「これだから障害の方が面白い」とFacebookのコメントでマサーが引退した時に書かれてたりもしました。

フランスダービー馬のその後

エースインパクト、セントマークスバシリカ、ダラカニと「強いな」という印象の馬はほんと走らずに引退しましたね。

最近はミシュリフはそこそこ走りましたが、それ以外はさっさと引退組。
走りが良かったのでインパクトはありましたが、ほとんど見てない馬が多い。
弱いのはとことん弱い気がします。

9頭が3戦以下。
ダービー後1勝もできなかった馬は6頭。
10頭が3歳で引退。

良く走ったのはザグレイギャッツビー。毎回G1で見てた気がする。
芦毛で可愛い馬ですが、勝ったのは1勝のみ。

ケンタッキーダービー馬のその後

思っていた通り大分悲惨なダービー組です。
ファニーサイドはもはや別扱いで。

「ハ」はハスケルS(ハスケル招待)、「プ」はプリークネスS、「ト」はトラヴァースSです。
同年代のレースなので、世代を超えた強さはあったのか?という意味で。

最近だと世代を超えて勝ったのはBCクラシックを勝ったオーセンティックのみ。
ジャスティファイはケンタッキーダービーの後は2冠勝ってそのまま引退ですので、同年代としかやってません。

アメリカンファラオ以降はジャスティファイとオーセンティックはいますが、それでも数走っていませんので、「微妙」としか言えません。

11頭が3戦以下。
ダービー後1勝もできなかった馬は10頭。
実に15頭が3歳で引退です。

まとめ

日本のダービー馬は良く走っています。

出走回数 勝利 G1勝ち
日本 219 45 23
英国 116 38 27
フランス 154 41 23
アメリカ 132 39 23

G1勝ちは日本は結構1つが重いのもあり少ないですが、出走数は群を抜いてます。
10回以上走った馬が他国に比べて多いというのはファンとしては嬉しい限り。負けてもね。ダービー馬は特別だから。

この辺りの国だと世代を超えてG1を勝つダービー馬は10年に5頭いればいい方です。
フランスダービー馬は最近古馬相手に勝ってますが、今が例外でそれこそ2010年代なんて毎年微妙な馬しかいませんでしたから。
どこの国もダービー馬はそんなもんです。

世代を超えてその国のダービー馬が揃うなんてこと自体がレア中のレア。
現役が被ることがそもそも少ない。

日本では今年の天皇賞やジャパンカップでは4世代ダービー馬が揃う可能性もあります。
そんな国は他にはありませんし、過去にも何回か数世代のダービー馬が出走したレースもありました。

今年誰が勝つかは分かりませんが、是非その馬には年上のダービー馬を蹴散らすほどの馬なら面白いなと期待してます。