爽快感一杯の直線。第15回ヴィクトリアマイル 感想




第15回ヴィクトリアマイル(G1・東京・芝1600m・良)

偉そうに回顧とかもうどうでもいいなと思います。
あんな直線の爽快感と疾走感は味わえん。見てるだけでもサッパリしました。

馬券外しても多くの方はそう思ったのではないかな。
3連単で「アーモンドアイは流れが悪い。海外遠征の急遽キャンセルが続き、有馬記念大敗の後、結局走ってない。高速東京は昨年春も届き損ねた。負けるならココ」と意気揚々と買っていても満足感はあったのではないか?と思わせるだけの走りでした。

現地観戦だったら抜け出した所の爆発にも似た大歓声が味わえたのであろうと思うと、、、無念です。

高速馬場に加えて持ち時計が優秀な馬が多く、1:31.0は切れるだろうと思うメンバーでした。

スタートでアーモンドアイがポンと出た時に、「ああ、勝ったな」と思った人は多かったハズ。スタート上手になりましたね。元々道中は黙ってついていけるタイプです。
逃げたのが昨年秋に狂ったようなランナーズハイ走りを中山で魅せたトロワゼトワル。コントラチェックは逃げられず。マイルだとスピード負けするね。
ちょっと期待していたビーチサンバが出遅れ。やっちまいました。

というのもペースはこの馬場なら平均という感じ。昨年の安田記念と大差ないペース。ほぼ瓜二つ。
前半は34.2-45.6。逃げてるのは中山とはいえ前半に10秒台3つ連続してぶっ飛ばしたトロワゼトワルですから。

これで行きたがっていたダノンファンタジーは一体どうやったら落ち着いて走れるのか?と思いましたが、もっと前に行ってほしかった。スピード信条の馬なので、スピードに任せて1500mを走り切るイメージで行ければ、この馬場ならアーモンドアイは別にして他の馬は抑え込める気がするけどな。
そして中団で一度デムーロ騎手がシートをして促したラヴズオンリーユー。やはりマイルだとこの馬には逆に厳しい流れになりましたが、仕方ありません。この距離ですから。
サウンドキアラも下手に抑えずに徐々に前に。ノームコアも少し持っていかれるような走りですし、ある程度マイル適正が強い馬は追走に苦戦していません。

ペースは確かに数字上は速いですが、この時期の東京マイルなら56.8で1000m通過はそこまで深刻なものじゃない。
2F目以降も10秒台が出るような事もなく、一定ペースで絡まれることなく走れています。いい感じで4コーナーを回ってきました。
アーモンドアイも手応え十分。その前のサウンドキアラも抜群。プリモシーンも悪い印象はありませんでした。

直線はアーモンドアイ劇場でしたね。

サウンドキアラがコントラチェックを交わすまでちょっと待っていましたが、追い出してからの脚は破格。
特に手前が替わってからのストライドはいつも通りでした。まぁ天皇賞でも似たようなことしてるし、この相手ならこうなりますわね。

サウンドキアラは重賞3連勝の力は存分に見せました。
今年は相手が悪かっただけで、時計的にも十分例年のヴィクトリアマイルの勝ち馬位の走りができています。
道中もしっかり追走から直線の追い出しも悪くありません。抜かれてからのしぶとい走りで2着を確保。

ノームコアはリピーターが強いレースを体現するかのような3着。高松宮記念からしっかりと巻き返しました。
4コーナーで促してからの反応が少し悪かった気がしますが、昨年が100だとすると、95位だったかな。それでもこの走りなら文句ないです。

トロワゼトワルは侮った。ごめんなさい。
1400mで1:20.0、1600mで1:31.0付近なら好勝負というとんでもない高速決着好きなんだろう。気分良くいければ、という条件付きでいつかは大穴をくれそう。信じるか信じないかはあなた次第という困りもの。

ダノンファンタジーはもっと前に行け。もしくは距離詰めろ。
スピードはあるはずなんだから、もっと全開でいってもらいたいのよ。道中窮屈そうに走ってるのがもったいなくて。

ラヴズオンリーユーは負けましたが、7着に粘りこんでいるように、やはり力があります。
アーモンドアイよりも長い距離向きの走りですし、これはいい馬だと思いました。宝塚記念に行ってほしいな。

プリモシーンも最後キチンと伸びてはいるけど、如何せん後ろすぎ。出遅れたらこの馬場だともう無理。
馬のタイプからして負けるときはこんなもんなのは仕方ないけど、このタイプは勝てるときに勝っておかないと二度とない。力はあるはずなのに、運の大切さよ。

ビーチサンバは出遅れてしまうとタイプ的につらい。
とはいえ0.7秒詰められたか?というとかなり無理があるので、どっちにしても6着位までっぽい。だとしたら期待したほうが悪い。

 

トロワゼトワルが頑張っていたので、馬券的には「トリガミでもいいからノームコアが抜いてくれ」と3着争いを注目していましたが、そんなのはお構いなし。
最後はいつも通り手前をピョンピョンと替えながらサラリと走り抜け、勝ち時計1:30.6。あの位置から上がり32.9。こんなのに勝てという方が無理ゲー。

ウオッカの時は現地で見てて直線は向かい風の中、ぐんぐんと伸びて7馬身差というのがありましたが、あの時はカワカミプリンセスもリトルアマポーラもマイルでの馬じゃないですし、相手としては今回の方が骨っぽいです。
それでいてこの強さですからね。レーティング的にはウオッカの119は超えてくるでしょう。恐らく120。サウンドキアラが112かな。

国内G1勝利7勝の壁を超えるにはあと2つ。
安田記念、宝塚記念はスケジュールを詰めないタイプだけに厳しいでしょうし、今年は海外遠征はもうやらないハズ。そして有馬記念は昨年でこりごりのハズ。

そうなると天皇賞秋、JCの2戦で超える以外に手はない。良馬場であればなんとかなるな。

あっさり超えるだろうと思ってもなかなかうまい具合に超えないのが面白い。1頭超えると次もすぐ出そうですけどね。100m走の10秒切りみたいに。

 

なにはともあれ、これは見たかった…。