写真で振り返る 第31回青葉賞 レース回顧




第31回青葉賞(G2・東京・芝2400m・良)

ダービートライアルの青葉賞です。

1勝クラスをしっかり勝ってきた馬も多いですし、いかにもトライアル的なメンバーだなというのが戦前の印象です。

パドックも行かないし、返し馬も向こうに走って行ってしまうので無し。

馬場は5月のいい天気でパンパンの良馬場。
1つ前の3勝クラスの2000mで1:57.8が記録されました。勝ち馬(マイネルケレリウス)は過去に東京の同距離で1:58.4を出してますので、馬場含めて向いたのかなー。

どっちにしても高速気味。とはいえ過去2年と大した差はありません。

曇っていて午後になって東京競馬場特有の心地いい風もなく、少し湿気を感じましたが、GW初日+無料ということもあり、人の入りはそれなりにありました。

スタートは大体横一線。
内に進路を取ったキタサンブラックの弟シュガークンに共同通信杯はスローに落として逃げたパワーホールと前走前に行って押し切ったウインマキシマムが先手を取りに行きます。

シュバルツクーゲルや芦毛のコスモブッドレアも前に行きました。
人気のヘデントールは後ろから。

すんなり先手も決まったこともあり、1コーナーには隊列も落ち着いて入りました。
シュガークンやトロヴァトーレ、ショウナンラプンタも掛かってそうな雰囲気はありますが、これ位は行きっぷりは必要です。

シュガークンは2コーナー付近でコーナーで手前を替えて逆手前で走ってるのよね。
コーナーもきつくないけど、馬走りにくくないのかな。

向正面に入ってパワーホールが離していきます。
ウインマクシマムが2番手でポツンポツンという感じで前に行き、残りの15頭が一団でレースが進みます。

ペースは大体数字+2秒位あります。
1000m通過がパワーホールが59.5ですが、後続は61.5位です。馬場を考えたらそこまで流れておらず、スローペース。

道中は最内から外に持ち出したサトノシュトラーセが動いて前に行きましたが、それ以外はそこまでの動きはありませんでした。結果的に瞬発力勝負なので、この動きは正解でした。

4コーナーに向かってパワーホールが大逃げを仕掛けます。
ウインマキシマムは後続を引きつけてややペースダウン。
1頭離した状態で4コーナーへ。スローペースだったとはいえ、共同通信杯3着馬です。さあどこまで粘るのか?という感じでスタンドからもどよめきが。

直線は十分リードがあって先頭で走りますが、後続が徐々に差を詰めに行きます。
ウインマキシマムも前がすぐに止まらないのでやや外に。そのためにコスモブッドレアもやや外に。
トロヴァトーレがシュガークンの外にいたこともあり、シュガークンが前が壁になりました。

そこで外にやや強引に持ち出します。
トロヴァトーレとサトノシュトラーセがややブレーキ。トロヴァトーレはもう脚も無かったので仕方ないですが、サトノシュトラーセは着差を考えると、、、ですね。私の馬券的にもサトノシュトラーセの方が美味しいので、これは致命的。

残り400を切って坂を登り切った所でパワーホールが疲れてしまい、後続に飲み込まれます。
ウインマキシマムが粘り込みを図るところ、シュガークンとコスモブッドレア、内からシュバルツクーゲル。

大外からショウナンラプンタがものすごいアクションで追い詰め、トロヴァトーレが失速する間からサトノシュトラーセが再度大きなストライドで差を詰めます。

ウインマクシマムはここで先頭に立つも最後は後続に瞬発力で劣って5着まで。
シュガークンは弟ですがこちらは父がキタサンブラック。父らしい早め先頭で押し切るレース振りでしたが、上がりがでませんね。
こう言っちゃなんですが、スタートも上手で前から粘り、瞬発力勝負に分が悪いウインの馬っぽいです。毎回そこそこは走ると思いますが、3勝クラスを突破するのには馬場を選びたい。

トロヴァトーレはこのペースなので距離は言い訳です。
押されて終了。現状では成長力が不足していたという結果かな。短い距離の方が瞬発力が問われるので、距離を詰めてもあまり変わらないと思います。
2勝クラスはどこかで突破するとしても、今のままだと3勝クラスはかなり厳しい。

ヘデントールは何もできてませんでした。
スタートの出がイマイチで、スローペースになった時点で大終わり。向正面で事実上終戦。
ここまでの相手関係を考えると弱い馬じゃないですが、今回はどうしようもありませんでした。

シュガークンが兄を彷彿させる感じで先頭に。歓声がワーッと。
外からショウナンラプンタが猛追します。

サトノシュトラーセは今回は不利もあってあと一歩でした。
相手なりに走れそうなので、追いかけたい1頭です。
道中動いたのは正解ですね。最内にスローのまま閉じ込められたら苦しかったと思います。

ショウナンラプンタは2着で優先権ゲット。
上がり33.6で最後までしっかり伸びてました。
この距離も走り慣れていますし、追い込んだレースはしっかり脚が使えています。ゆきやなぎ賞では内を突いてますし、今回は大外からドカンでしたが、割と器用な面も感じます。馬は大きいけどね。
ダービーがこれ位の勝ち時計+内枠とかなら出番はあるかな。単純な末脚が有力馬に明確に劣るとは思えません。

内外離れていた+角度的にデュアルウィルダーは写真には入らず。
いい脚でしたね。前2頭とそこまで明確な切れ味の差はなかったので、位置取りが後ろだった分負けた感じです。
未勝利勝ったばかりでこれだけ走れれば先は楽しみな1頭です。

ゴールではアタマ差でしたがシュガークンが勝利。
勝ち時計2:24.2。自身も上がり33.9でしっかりとまとめました。

レースの最後1Fが加速していますが、これはパワーホールがバテて来た場所が残り200mなのでそこまで意味はありません。

時計としても水準級。
過去2年の勝ち馬(プラダリア、スキルヴィング)と大体同等。スキルヴィングには少し劣るかもですが、誤差の範囲です。

お兄さんに似てスタートが上手でレースは上手。
内で折り合えて馬群を縫えるので、展開が混戦になれば浮上しそうなタイプですね。

とはいえ現状切れ味でジャスティンミラノには劣りますし、完成度でも皐月賞組が一歩リードです。
正攻法でジャスティンミラノに勝つには今の段階では厳しいとは思いますので、乱戦、馬場悪化などの条件がほしい。
ただ、今の段階で良馬場でも馬券外に無抵抗で沈む馬ではないと思います。

兄もそうでしたが、馬体の大きさに比べてこの時期はまだ軽い印象なので、ここから筋肉を纏っていくとストライドの大きさとパワーで押し切る感じのレースがもっとできそうで楽しみです。兄はそれで手が付けられなくなりましたし。

勝った後のファンの期待感から来る拍手と歓声は特別でした。
ダービーが盛り上がるためにもこの馬が勝ち切って出るというのは大きな意味があります。

血統で重要なのは母ですねー。

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