敵がいなくなったウィンクス。G1・23勝の世界最多勝記録の凄さと寂しさ。




今週土曜日にロイヤルランドウィック競馬場でChipping Norton Stakes (チッピングノートンステークス/1600m)が行われます。

3年以上豪州でトップに立ち続けている名牝Winx(ウィンクス)
2015年4月11日のATCオークスでGust of Wind(ガストオブウィンド)に敗れて以来、4年近く負けずに30連勝。ここを勝てば4連覇達成+G1の23勝の世界最多勝記録です。

今年4月に行われるQueen Elizabeth Stakes(クイーンエリザベスS/ロイヤルランドウィック・2000m)をもって引退ということで、例年通り3月はGeorge Ryder Stakes(ジョージライダーS/ローズヒルガーデンズ・1500m)に出走する予定ですので、無事なら3戦となりました。
英国はもとよりドバイ、香港でも見ることなくキャリアを終えます。

ニュースにも出ていましたが、このチッピングノートンステークスは7頭立てです。
出走馬は以下の通り。

同厩舎が7頭中6頭を占め、レーティングを見てもらえれば分かる通り、とても重賞でも戦えるとは言い難い面々。
前走のアポロSも一緒に走ったEgg Tart、Patrick Erin、Unforgotten。身内も身内です。
ついに、真っ当な敵がいなくなりました。行きつく所まで到達した感じがします。

唯一別厩舎からただ1頭挑むのはここまでウィンクス相手に9戦0勝2着4回3着1回の8歳馬Happy Clapper(ハッピークラッパー)。アポロSも2着。実に10回目の戦いです。
がんばれ。超がんばれ。

Winxの強さは留まる事を知らず、前走のアポロSでは勝ち時計1:20.88のレコード。
レース上がり33.66のレースを自身の上がり33.02で突き抜けていきました。
普通にレースの映像とかだと面白くも何ともないのでこういうので。

ここ最近は八百長試合さながらのメンバー構成を見ていますが、昔から常にこうだったわけではありません。
自分も長いことこの馬を見ていますが、こんな顕著なのは今年に入ってからです。こういう使い方をし続けた訳でもなく、当然ながら1頭の時もあります。

最近はfacebookとかにも「弱い者いじめ」「いつも同じ馬と戦っている」とか書かれているのも見ていますし、そう感じるのも無理はないでしょうね。
今年の2戦でまともに戦っているのはHappy Clapperだけですから。

ここまでの30連勝を表にしました。

自厩舎1頭というのは自分だけです。
黄色が1頭だけ、赤が過半数を自分の厩舎が占めたものです。
自分を除いて計算すると、自厩舎÷出走馬=22.6%。

「この連勝の20%は自厩舎の馬相手」というのを高いとみるか許せる範囲かはちょっと判断が分かれますかね。現にコックスプレートは自分1頭で2回勝っています。
アイルランドの重賞でのオブライエン厩舎も似たようなものですので、こんなものかもしれません。

一番下が今週末のチッピングノートンステークスです。今更Happy Clapperなら楽勝だと思います。

時計は素晴らしいので、かけっこは速いのは間違いないです。
ただ、道中包まれて…みたいなことも少なく、「本当に強かったのか?」というのは永遠にわからないでしょうし、残り3戦はこんな感じになる気がします。
負けることが許されないというか、別の馬が勝つことが許されないというべきか。

この馬の最大のライバルは誰だったんでしょうかね?
Happy Clapperはこれで10戦目なので、戦った回数だけで言えばトップ。
2017年ごろのライバルで7戦2着4回のHartnell(ハートネル)や、6戦2着2回3着2回のHauraki(ハウラキ)も1年半位はずっと戦っていました。
いやいや、Winxのデビュー当初、まだそこまで強くなかったとはいえ3勝2敗と唯一勝ち越しているFirst Seal(ファーストシール)?かも。

 

2015年のコックスプレートでは3着に当時3歳で愛チャンピオンS5着からの参戦だったHighland Reel(ハイランドリール)に勝っていますが、まだ3歳の頃。コックスプレート後に香港ヴァーズを勝っていますが、本当に強くなったのはその後の印象が強い馬です。
昨年のコックスプレートで同年のドバイターフの勝ち馬Benbatl(ベンバトル)を破りましたが、ドバイと豪州、ドイツでは勝っていてもクインアンS10着、英国際S5着でした。

もちろん馬場で大きく変わるのは間違いないのですが、それを証明するにはウィンクスには英国か、ドバイかには出走して力をみせてほしかったですね。
まー馬の遠征はとても難しいのは日本馬で何度も目の当たりにしていますので、軽々しくは言えませんが。。。

 

そういう最強馬論争ができるのが競馬の面白さですから。謎は謎のままでいいのかもしれません。
1回自分のブログでも紹介したことある2017年ジョージライダーSの2着馬Le Romainのヘルメットカメラ。
同じ馬でこうも差がでるのか?と感じるだけでも価値があると思います。