ストレイトガールが引退しました。
非常に素敵な引退式だったと思います。
引退式でも落ち着いて走る感じもなく、さすがは名スプリンター。
私はこの馬のG1勝利は全て目の前で見させてもらいました。
そうであれば強く印象に残っているか?と言われると実はそうではありません。
ストレイトガールはG1で「本命!」と追いかけた事はなく、紐で当たった事もなく、馬券という観点で言えば非常に相性が悪かったのも影響しているのかな。
偉大な馬ではありますが、印象度という点ではG1を3つも取っている割に、やや薄い方も多いのではないかと。私はそうです。
理由の1つに「クラシック未出走だった」ということが影響していると思います。
「ストレイトガールの同期は誰ですか?」と言われ、パッと思いつく人がどれだけいるでしょうか?
答えはジェンティルドンナと同じ世代。
「ヴィルシーナは誰と同じ世代?」なら簡単に思い浮かびます。
G1のタイトルはヴィクトリアマイル2勝分は同じで、ストレイトガールは更に1勝しているのにも関わらずです。
相手が歴史的な名牝ですので当然ではありますが、この世代は文句なしで「ジェンティルドンナの世代」なのです。
仮にジェンティルドンナが3歳で引退していてもそうだったと思います。
そしてその馬と凌ぎを削ったヴィルシーナは同じように記憶されているでしょう。
ラブリーデイは昨年1年間かなり高いパフォーマンスを維持し、G1を2勝しました。
それでは、将来「ラブリーデイの世代」と言われるか?と言えばそれはないでしょう。同じことがロゴタイプにも、エピファネイアにも言えます。
あの世代は「キズナの世代」でしょうね。それだけダービーは重い。語呂もいいし。
モーリスも古馬になって強烈な強さを発揮していますが、「モーリスの世代」と呼ぶにはクラシックでの実績がありません。
「モーリスって誰と一緒だっけ?あぁ、ワンアンドオンリーか。」という会話になるでしょうね。
確かに強さだけなら「モーリスの世代」となるかもしれませんが、基準となる馬はワンアンドオンリーであり、この世代ならハープスターです。
野球では「松坂世代」に代表されるように、同い年の中で高いパフォーマンスを発揮したという事は印象に強く残ります。
伊達に「クラシック」と言われるものではありません。
そう考えると、古馬になってからその世代の代表となるように人の記憶を書き換えるというのは本当に難しい。
競馬は「最強」を2年程度しか保ち続けられない、そして新しい馬がドンドン出てくるという新陳代謝が極めて早いことが良くも悪くも影響しています。
5年も6年もトップに君臨するなんて近代競馬ではあり得ません。
それが面白さでもあり、厳しさでもあります。
だからストレイトガールみたいな超晩成の馬が出てくると、世代ではなく1頭の馬として独立してしまうため、記憶が曖昧になります。
記憶に残っても取り出し方が少し違うので、自分の記憶でも、年代が曖昧になってしまうのは総じて古馬になって活躍した馬です。
競馬で求められるスピードと早熟性。
ストレイトガールはスピードは文句なしです。後はフジキセキの早熟性がいい方に出れば、成功すると思います。
最初はフランケルの仔らしいですし、母と同じように素晴らしいスピード馬が生まれてくることを願うばかりです。
写真はこちら。とても元気でした。
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