第57回宝塚記念 レース回顧

第57回宝塚記念(G1・阪神・芝2200m・稍重)

非常に豪華なメンバーな今年の宝塚記念です。
昨年の勝ち馬に加えて、ダービー馬2頭、菊花賞馬2頭も。
海外帰りも4頭もいますし、力関係、暑くなってきた季節での体調に渋った馬場。悩ましいのが面白いです。

私がパドックだと綺麗に見えたのは

  • サトノクラウン(落ち着いてた)
  • トーホウジャッカル(鬣含めて)
  • ラブリーデイ(雰囲気がいい)

ドゥラメンテは普通だと思います。
タン!タン!と脚を上げるシーンもありましたし、十分じゃないでしょうか。もう少し絞ってくるかなと思いましたが、こんなもんなんですね。
多少汗を掻いていましたが、この季節ですから。立ってるだけで汗が出ます。

地下馬道ではアンビシャスがクビをグッとしてバンバン跳ねていました。

本馬場入場ではドゥラメンテもサトノクラウンもアンビシャスも落ち着き払っている感じではないですね。やる気があることは良い事です。
ラブリーデイは素直なキャンター。さすがにこういう舞台は慣れています。

馬場状態は思ったより悪化してない印象です。
もっと泥んこ馬場になるかもしれないと予想していましたが、これ位なら馬場の得手不得手での差は小さいでしょう。

同日の3歳上500万下の2200mで2:15.1。前半が1:03.0ですので、あてになりません。
古馬1000万下の皆生特別(芝1200m)で、勝ち時計1:09.4。このレース5着で1:09.9だったスノーエンジェルが6/4の阪神500万下特別のレースで1:07.9。
こう考えると、馬場差としては+1.5秒~2.0秒とみます。レース前の勝ち時計の予想としては2:12.5位のレースでしょうかね。

ここまでがレース前に書いたことです。これを踏まえて観戦しています。

 

スタートは大きな出遅れはないですが、ドゥラメンテが良くありません。
フェイムゲームとラストインパクトもスタート直後に促していて走りがあまり良くないと思います。

対してキタサンブラックは例によって好スタート。
隣のワンアンドオンリーが予想通り積極的で、外のサトノノブレスは出鞭を入れて前に行きました。

ジワーッとキタサンブラックが先頭で1コーナーへ。
勝ったマリアライトは前がステファノスと少し開き、後のサトノクラウンとも少し差があり、ポツンと。
走りやすい位置をゲットできました。
ドゥラメンテはその後ろにいますが、サトノクラウンという同厩舎に蓋をされている格好です。

キタサンブラックが先頭で走ります。
完全に逃げる形が板についてきて、先頭で走ることが気持ちよさそうです。

2番手にワンアンドオンリー、外にトーホウジャッカルといて内にアンビシャスが。
かなり力が入っている走り方です。内の多少荒れた馬場だし、スタミナロスは大きそうに見えました。

そこからサトノノブレス、カレンミロティック、シュヴァルグランと続き、ちょうど中段にラブリーデイ。内からラストインパクトと続きます。
外目からマリアライト、ステファノス、最内にフェイムゲーム。

そこからドゥラメンテがいます。多少掛かり気味ですが、いつもこんな感じだと思います。
ただ、前半から印象は悪いですね。その外にサトノクラウンが続きます。

内に入れたヒットザターゲット、ヤマカツエースで最後方にタッチングスピーチです。

前半が思った以上に流れました。
12.6 – 11.0 – 11.1 – 12.3 – 12.1 ですので、34.7 – 59.1です。
ゴールドシップ1勝目の時は怪しい良馬場でしたので、今回に近いと思いますが、あの時はシルポートが逃げて34.7 – 58.5です。
この流れで前の方の馬も一緒に合わせて走っていたので、レースのレベルという点では非常に高くなりした。

キタサンブラックは素晴らしい逃げです。
2F目と3F目で11.0近いラップで先頭を死守しました。坂を上り切った後に真っ直ぐ走れるため、3F目のラップ落ちが少ないコースではありますが、比較的後ろが積極的ということもあり、スタミナ勝負に持ち込めたと思います。余程この馬のスタミナを信頼しているでしょう。
そこからコーナーで少し落として12秒台前半を刻みます。
ここで思いっきり落とすこともできたでしょうが、12.5を上回らない程度に留めたのは、切れ勝負に持ち込まないための作戦でしょうし、レース運びは完璧だと思います。

その中でアンビシャスがやはり目立ちました。
前を追いかけてしまっています。下げるという選択もあったかもしれませんが、リスクが大きすぎます。
外枠なら思い切って下げられたかもしれませんが、やはり前が隣が逃げ馬で外から被せられる展開は楽ではありませんでした。

マリアライトはラブリーデイの外にいましたが、3コーナー手前で一旦下げてラブリーデイの後ろにつけました。
ペースが流れいているというのを感じていたのでしょう。
流れていなければそこからロングスパートするしかないですが、ここまで流れていたため、無理にコーナーでバテそうな馬を抜くのを避けたのかもしれません。一旦ラブリーデイの後ろで待ったのはファインプレーだと思います。

ドゥラメンテは前がバテてしまっているので、内は突けません。
外はマリアライトの後ろからステファノス、ラストインパクト、サトノクラウンとどんどん被せましたので、前のトーホウジャッカルが極めて邪魔でした。
デムーロ騎手はトーホウジャッカルを抜いてから手を動かしています。
でもそう上手くいかず、内側にあるスペースの前にはこちらも手応えがないワンアンドオンリーが。
それも交わしてからのスパートになりました。ワンテンポではなく、ツーテンポ後手になった印象です。

直線はキタサンブラックが先頭で後ろを軒並み潰したので、内に馬の壁ができました。
内から抜いてくることはこれで誰もでできなくなり、ドゥラメンテも当然外ですし、最内を狙う事がそもそもできません。前がバテているので、抜くには外から抜かないといけないとなっています。
従って、例えば後方組のフェイムゲームやヒットザターゲットといった馬も3頭分位埒から離れざるを得ませんでした。
ラストインパクトは内に切れ込んでいますが、コーナーは外ですので、距離を短縮するには至っていません。

逃げるキタサンブラックをラブリーデイが追いかけます。
それをステファノスが内から、外からマリアライトが粘りの走りで一歩一歩差を詰めます。
そしてサトノクラウンを振り切ってようやく前が開いたドゥラメンテが鞭に応えてマリアライトを追いかけますが、クビ差届かずに2着。
内でキタサンブラック、外でドゥラメンテという4歳クラシックホースを従えて5歳牝馬のマリアライトが1着でゴールを駆け抜けました。

勝ち時計が2:12.8。
馬場を考えると想定通り位は走っています。良馬場なら間違いなく2:10.5位の決着であったろうレベルなので、このメンバー同様に非常に高い水準にあります。

勝ったマリアライトはこういう馬場でもへこたれないのは知ってましたし、ロングスパートが得意なのは知っていましたが、本当にしぶとく走ります。
流れを把握して、ラブリーデイをマークしたのが正しいでしょう。
もし3コーナーから果敢にラブリーデイを抜いていたら、さすがにロスが大きく、こうはならなかったと思います。
外枠からスタートでサトノクラウンが前に行かないとみるや手綱をしごいてポジションを取りに行き、自身の武器であるロングスパートを最大限に生かすため、内のスペースがあっても必要以上に内に入れず、外のギリギリのラインを走っていました。1コーナーまでが非常に上手です。

ドゥラメンテのレース自体はイマイチでした。
スタートの悪さからポジション取りも悪くなり、前を捌くのに手間取り、上がり36.1はレース最速ですが、ラスト200mを切った所でマリアライトとは目測で2馬身、キタサンブラックとは4馬身程度ありました。
良く追い詰めていますが、もう少しスムーズなら…。
17頭いての9番からなので、スタートが悪いとこれはあり得るレースですが、トーホウジャッカルやワンアンドオンリーがもう少し粘ってくれた方が、この馬自身はやりやすかったかもしれません。

とにかく怪我が酷くないことを願うだけです。
左前脚ハ行で凱旋門賞断念とのことですが、まだ歩様が悪いことしかわからないでしょうし、もしかしたら骨折もあり得るかもしれません。
その場で「もう無理だ」というような怪我ではなかっただけでも良かったと思います。

キタサンブラックは強い馬ですね。今更ですが。
ゴール前は12.7と当然このペースなのでラップを落としましたが、文句なしの強さです。
馬場が少し外の方が良かったと思いますが、下手に外に出すことなく、真っ直ぐ埒に沿って走りました。もう少し内が良ければ勝っていたでしょう。

スタートの反応の良さ、馬場が悪くても走れる前向きな気性、ギアチェンジの自在さ、同じペースで走ることができる才能。
能力的には地味ですが、どんなレースになっても崩れません。どんどん成熟されてきました。

ラブリーデイもこの春一番良かったと思います。
パドックから返し馬含めて非常にスムーズに感じました。
最後疲れてしまいましたが、この馬は良馬場の2200m位までがベストの馬なので、やや馬場に泣かされた春でした。
本当はもっと内を走りたかったでしょうが、他の馬が積極的に行ってしまったからでしょうね。外々を走った事が結果的には最後甘くなりました。
被せられるとこちらも面白くないので、仕方ありません。サトノノブレスが動いたタイミングで動かないと、今度はマリアライトなどに被せられる恐れもあります。理想はワンテンポ待ちたかったかな。

ステファノスもさすがに天皇賞2着馬です。
マリアライトの内で、ラブリーデイの真後ろでじっと待ち、直線で開いたスペースにシュンと入って5着。
コーナーで動けなかったのもあるでしょうが、ロスなくバテた馬も捌ける位置にいたのは好騎乗でした。
この馬も1コーナーまでが素晴らしいと思います。
良馬場なら違ったでしょう。あまり消耗戦で2200mだと向いてません。よく5着まで持ってきました。

サトノクラウンは良く見えたんですが、ドゥラメンテに離された所が能力差なのかなぁ。
他の馬より仕掛けを遅らせて、コーナーで加速しながら外へ。このレースをドゥラメンテがやってほしかったですが、堀厩舎の別の方がやりましたね。
香港の時はガッと行きましたが、今回は落ち着きすぎたのかも。距離が長いとは思えないけど、ベストじゃないかもしれません。

シュヴァルグランは内でじっくりでしたが、アンビシャスを抜くのに手間取ってました。
まぁ仮にすんなりでもあと1つ順位が変わったかどうかでしょうね。
現時点では力及ばずという負け方ですが、この春の急上昇振りを考えると、秋のJCや有馬記念は侮れません。

アンビシャスは前半からあれだけ力んでしまうとどうしようもないです。
中山記念は後方待機ですし、大阪杯の時は外に馬もおらずスムーズだったのに比べ、最内で包まれている状態です。
久々に厳しいレースだったのは確かです。それでもこれくらいでへこたれてしまったらG1を勝つなんてできません。
「スムーズに走れるか?」が課題なんでしょう。どの馬も同じですが、力負けではないと思っていますので度外視したいです。

ワンアンドオンリーとトーホウジャッカルは果敢に行きましたが、4コーナー前で終戦には驚きました。
5歳牡馬クラシック組の不振を象徴するかのような4コーナー。切ないです。
なんとか頑張って復活してほしいですが、どうすればいいんでしょうね。

ワンアンドオンリーを見ていると、ドバイで頑張っているように、スローの上がり勝負だといい走りをしています。
日本やアメリカのように前半からある程度流れる競馬は向いてません。欧州へ、いっそ凱旋門賞へチャレンジしてもいいんじゃないでしょうか。天皇賞秋より現実的な案だと思います。

 

予想は全くでした。
ドゥラメンテとマリアライトは確かにピックアップしましたが、馬場は致し方ないとはいえ、ペース予想含めて全然ダメ。
走る前の未来を予想する難しさは当然ですが、もう少し精度がほしいです。