本当に今年は強かったのか?
今年は夏競馬の期間で「3歳馬が強い」と競馬ファン界隈のブログやコメント欄とかには散々書かれていました。
確かに私も強いと思います。
これだけ夏の主要な1000万特別戦できっちり着差をつけて勝つというのが続いたのは記憶にありません。
もう夏競馬は終わっていますので、実際どうだったのか?のまとめです。
3歳馬は夏の重賞で強さは計れません。
夏に世代の強さを計るには1000万下が一番です。
なぜなら、夏1000万下を走る馬というのは、主に「同年代相手に2勝したものの、OP特別以上で賞金を加算できなかった組」だからです。
そこそこ強い、それでも同年代のトップクラスには春先はちょっと及ばなかった組。
それより上に行こうと思っても、それより強力なライバルに阻まれて進めなかった馬達が秋に重賞に出走するためには落とせない戦いです。
新たに拓かれた別のルートで頂を目指した彼らの走りが、世代の強さを計る1つの目安になります。
本当に世代の上位陣が上で蓋していただけなのか?それともその馬のポテンシャルは現時点で2勝が精一杯なのか?
この時期の1000万特別ならではの楽しみ方です。
今年の成績を振り返ります。
期間としては2016年6月~2016年9月まで。
対象は札幌、函館、福島、新潟、中京、小倉の6場の3歳以上1000万下の全76レース。
出走頭数:147頭(76レース)
成績:【19 . 21 . 10 . 97 】
内訳は芝14勝、ダート5勝。
ダートは古馬が強いですからね。なかなか1000万下の突破は楽ではありません。
2馬身以上差をつけた馬は以下の馬です。
- ロンドンタウン 5馬身(ダート1700)
- ウムブルフ 5馬身(芝2600)
- カフジプリンス 5馬身(芝2600)
- ストロングタイタン 3馬身半(芝2000)
- プレスティージオ 3馬身(ダート1400)
- ナムラシングン 2馬身半(芝2000)
- ラヴィエベール 2馬身(芝2000)
5馬身差圧勝は2012年~2015年まで2頭しかいませんでしたが、ダート1700と芝1000。
芝2000m以上で5馬身差は近年ありません。それ以外の馬含め、今年は圧勝が目立った年だったのは間違いありません。
2012年~2016年までの比較
表にしました。
勝率は1着÷レースで計算しています。何レースで勝利したのか?です。
複勝率は3着以内の頭数(1着+2着+3着)÷出走頭数で計算しています。3着に何頭入ったか?の計算です。
レース | 出走頭数 | 1着 | 2着 | 3着 | 勝率 | 複勝率 | |
2016 | 76 | 147 | 19 | 21 | 10 | 25% | 34% |
2015 | 75 | 161 | 17 | 20 | 14 | 22% | 31% |
2014 | 79 | 148 | 14 | 14 | 14 | 17% | 29% |
2013 | 80 | 182 | 15 | 10 | 11 | 19% | 20% |
2012 | 84 | 178 | 31 | 15 | 17 | 37% | 35% |
2012年が飛びぬけて良かったですが、今年は2番目、といった所です。
2013年、2014年で一旦底値になり、徐々に上がっているような感じがします。
2012年と2016年とは少し傾向が違います。
2012年
芝20勝
- 芝1600未満:12勝
- 芝1600~1800:5勝
- 芝2000以上:3勝
ダート11勝
2016年
芝14勝
- 芝1600未満:5勝
- 芝1600~1800:2勝
- 芝2000以上:7勝
ダート5勝
今年は芝2000m以上での活躍が目立ちました。
2012年は芝の短距離で勝ちまくっていますが、長い距離になると成績が落ちてきます。とはいえこれが普通だと思います。
芝2000m以上の勝ち星は、2012年~2015年までの4年間の合計で11勝です。意外に勝っていません。
今年の7勝というのは例年にない勝ち星の数です。芝の長めの距離での勝利が多かったので、特に印象に残ったのでしょう。
また、過去4年間11勝の内、2馬身差以上差をつけて勝った馬は以下の3頭のみです。
- ニューダイナシティ 2馬身半(芝2200:2012年)
- ヒルノドンカルロ 2馬身(芝2600:2013年)
- サトノアラジン 3馬身(芝2000m:2014年)
そう考えると、今年の5勝は統計的には異常値だと思います。
また、特に今年は皐月賞出走組や重賞に走っていた馬が走り、きっちりと結果を出しました。
ここ5年ではそんなにあることではありませんでした。
今年は差をつけた馬以外にもミッキーロケット、ロワアブソリュー、アストラエンブレムなど結果を残しました。
過去5年で春にクラシック路線の重賞を走り、ここも勝った馬と言えば ラストインパクト、サトノアラジン、シャンパーニュ、ティルナノーグ 位だと思います。
色々あるでしょうが、今年は他陣営も「ライバルが強い」と感じていたのかもしれませんね。
皐月賞でそこそこ走ったナムラシングン、ウムブルフ、ミッキーロケットは無理に青葉賞を使うとかせず、早々と自己条件に矛先を変えました。
例年の相手ならナムラシングンは強硬スケジュールでもダービートライアルを使ったのではないかと思っています。
皐月賞組などが余力を持って夏競馬を走ったため、2000m級で圧勝が多かった1つの要因でしょう。
結論
強かったですが、ライバルの強さが影響したと思います。
皐月賞組がここまで夏競馬に出て来た理由が相手の強さだったと思うので、イメージ通り強いと思います。
上がきっちり蓋をしていたので、春は上のクラスに行けなかったというのがこの辺りの勝ち馬だと思います。
また、阿寒湖特別、日高特別といった注目レースも勝っていますし、重要な所も抑えています。
野月特別のノガロも圧勝しましたし、9月になっても止まりませんでした。
リオンディーズの怪我、スマートオーディンの秋白紙というようなニュースも出ましたし、ロワアブソリューの怪我などもありました。
全部が秋にということはありませんが、それでもまだまだ控えているように思います。
今週もアルカサルとか出てきますし。
楽しみな世代には変わりありません。
秋に期待してしまう馬
今年は色々いますし、ナムラシングンなんかは期待も何も、無事なら重賞勝ちは間違いないと思っていますので別の馬を。
ダートはロンドンタウン。
驚きの強さだったので、どうしたんでしょう?
ダート1600万下は本当に厳しいので、ここを無事に突破するようだと、面白い存在になりそうです。
芝はラヴィエベール。
ラヴィエベールは現時点でもローカル開催の重賞のハンデ戦なら普通に勝ち負けするはずです。
この馬が重賞を勝てないというのは考えられないので、来年の金杯とかでしっかり走ってほしいですね。
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