函館記念 レース回顧




第52回函館記念(G3・函館・芝2000m・やや重)

最終的にはバイガエシが1番人気というかなりの混戦です。
なんせ前走強かったとはいえ1000万下勝ちの馬です。
それがハンデが54キロとそれなりに背負って出走ですが、勢いに期待という事でしょう。

しかし54キロは見込まれましたね。
1600万下を勝ち巴賞4着だったフェイマスエンドと同じ斤量ですから、ハンデキャッパーも思い切りました。

トーセンレーヴのマイナス14キロは走った事ある体重ですし、夏ですからこれ位はあるでしょう。
ファントムライトのプラス14キロは夏ですからね。7歳牡馬が2カ月ぶりでいきなり10キロ以上成長するとは思えないので、少し重い感じ。

スタートはほぼ揃ったスタートです。
ネオリアリズムがやや悪いです。性能は十分だと思うんですが、気性含めて安定しませんね。
マイネルミラノ、オツウが気合をつけて走ります。

最内のマデイラも積極的ですが、マイネルミラノがこの枠もありスーッと先頭に立ちました。
今年はマイネルミラノは楽に先頭に立てました。
スタートして約7秒後には先頭ですが、昨年は大外ということもあり、20秒近く先頭に立てませんでした。

最内のマデイラも好スタートからやや押して前に行きました。
昨年大穴3着の時も内の良い位置を取りましたが、今回も積極的に。

そこからオツウが2番手で1コーナーへ。

マイネルミラノが先頭でオツウがオツウが2番手。
内でやや口を割っているも好スタートから好意を取ったマデイラにフェイマスエンド。

ファントムライトにケイティープライドと続き、マイネルフロストの芦毛の馬体。
その後ろに昨年の勝ち馬ダービーフィズにトップハンデのトーセンレーヴ。
ガックンガックンしているネオリアリズム、外からトゥインクル、ツクバアズマオー、巴賞勝ちのレッドレイヴン。

離れてバイガエシにホッコーブレーヴ、最後方ポツンとマテンロウボスという展開です。

気になったのはマデイラが多少口を割っていたのと、ネオリアリズムがガックンガックンしていたところでしょうね。
マデイラはスタートから出していったので、多少は仕方ない面もあるかと思います。
52キロの穴馬ですから、多少出してポジションを取りに行くのはとてもいい騎乗だと思います。

ネオリアリズムはティータン騎手がガダガタ。
長手綱でゆったりではなく、短く持っているので、多少押さえているんでしょう。
でもそこまでかかっているようには見えなかったので、長くすると持ってかれるのかな?

マイネルミラノは昨年は58.6というやや速い流れを作ってしまいましたが、今年は丹内騎手の見事なペース配分です。
35.3 – 60.0。

もちろん古馬のこういう形態の競馬場でこのラップはややゆったりですが、とはいえ無理に抜いていくペースでもなく、後からすれば「まぁいいか」と思わせるペースです。

また、特に2番手集団がずるずると下がったのもこの馬にとって大きなプラスでした。
オツウ(14着)、フェイマスエンド(16着)、ファントムライト(15着)と後ろの馬でまともに走れたのはマデイラのみという結果ですので、いい感じで馬の壁ができました。

後ろの馬は交わすために無駄に動かないといけませんし、真ん中を突くのが困難になります。
レッドレイヴンやダービーフィズ辺りは外に出しましたので、直線の短い函館競馬場では大きなロスになりました。

レッドレイヴン辺りは最初から外から抜くレースでしたので、実際は前がバテようがレース運び自体は関係ないんですけどね。
ただ、真ん中を突きたい連中、今回だとマイネルフロスト辺りはやや4コーナーでブレーキをかけるシーンがありましたので、少し影響はあったかなという程度です。

並ばれると案外脆いマイネルミラノは4コーナーでセーフティリードに近い差をつけて直線も一人旅です。
マデイラ、ケイティープライド、アズマツクバオーと内を突いた馬が追い詰めますが、ほとんど差が詰まらず、ゴールでは2馬身差の完勝です。

マイネルミラノはこういう一人旅ができるとしぶといのは以前からですが、ペース、相手関係含めてこれ以上望めないほどいいレースでした。
後半は11.6 – 11.9 – 11.7 – 11.9 – 11.9 = 59.0とラップも大きく落とすことなく、マイペースの逃げっぷりです。前後半で60.0 – 59.0でまとめました。

マイネルミラノが勝つには少しスローに流れて、今回のように後半5F全て11秒台後半に持ち込めるかどうかでしょうね。
これ以上落とすともっと切れる馬に差されてしまいますし、これ以上流れてしまうと最後甘くなってしまいます。
程よく並ばれない程度に走り、ジワジワ離して残り400m位で気付いたら逃げ切り、という走りができればまだまだ重賞勝ちも期待できます。

ケイティープライドは最内ピッタリで走り、直線も1頭分開いた最内を突いてきました。
浜中騎手の好騎乗もあり、内を走れたということがとにかく大きいです。
ロスなく走る大切さです。特にこういう力の差がほとんどない時は特にそう思います。

3着だったアズマツクバオーもそうです。
ケイティープライドの真後ろから最後はやや外に持ち出しましたが、4コーナーまで内でじっくり。
スタート直後にマイネルフロストとダービーフィズに進路を塞がれた時、内をチラッと見て内側にうまがいないとみるやスルスルっと入りました。
もしダービーフィズがいなければ、あのままマイネルフロストの外側を走っていたかもしれませんが、そうなっていたらまた違った展開だったでしょう。

マデイラはまた人気薄で夏に走ったか?と思ったら最後差されてしまいました。
古川騎手の騎乗は素晴らしいと思います。スタートから前に出していき、途中かかりそうな感じもありましたがじっくり逃げ馬の後ろで溜め、4コーナーから早めに仕掛けました。
もう少し1コーナーがすんなり走れたら、最後まで粘れたかも。スタートから出して行った分、僅かながら最後甘くなった感じです。

バイガエシは4コーナー外回して勝てるほど重賞は甘くないですね。
いくら強い勝ち方だった前走とはいえ1000万下の12頭立て。
古馬重賞で16頭立てだと、そう簡単に前を抜けません。後半11秒台が続くレースでしたので、流れも向きませんでした。
とはいえ1600万下の身ですし、自己条件なら確勝級でしょう。順調なら来春位には普通に56キロで重賞走ってるでしょうね。
冒頭に書いた通り、54キロはこの実績からは相当見込まれているため、そういう馬だとも言えます。

レッドレイヴンはなぜか重賞になると壁を感じてしまうのか走りがイマイチでした。
2歳の頃のイメージだと、「重賞獲るのは時間の問題」と思ったんですが、厳しい状況です。

ネオリアリズムは、道中の走りはイマイチでしたが、一応最後は伸びており、6着。
直線入り口で詰まる所もありましたが、前を向いたらちゃんと走っています。
休み明けですし、気性がなぁというのは当然ありますが、かなり難しい馬に見えます。
1人の騎手で行く方がいいんじゃないと思うものの、堀厩舎なので外国人騎手が多くなると必然的に乗り替わりも多くなり…。騎手もプロですが、馬も生き物なのでどうしても相性がありますし。

昨年の勝ち馬のダービーフィズは順調度が昨年と違うので、直線は苦しかったでしょう。
アプリコットフィズの仔は、いい時は走る割に、ダメになるととことんダメになるイメージなので、ダービーフィズも今はダメな時期ですね。
6歳馬ですが、まだやれるでしょう。立て直してもらいたいです。