写真で振り返る 第36回フェブラリーステークス レース回顧




レース

外でノンコノユメが割と大きめの出遅れ。
ゴールドドリームもそこまで良くないですが、ぎりぎり五分。コパノキッキングはまずまずのスタートです。

さて、インティが行くか?それとも制してサクセスエナジーが行くか?と思っていました。
サンライズソアがいいスタートではありますが、行くこともないでしょう。モーニンも今回はとても良いスタートで前に行きました。勝った時こうだしね。悪くないです。
ノンコノユメ以外はおよそ予定通りですが、サクセスエナジーが行きませんでした。

ダートに入る付近です。

武豊騎手が左右の手の位置が違います。
内にインティの顔を向けながらじわじわと内へ。この手綱操作をするというのはどういうことなのか?
埒に寄りたくないタイプなのかも。少し埒から空けてるし。
内に強制的に入れないと向かわないタイプで、先頭に立ったら内に入れたいので、こういう操作になっているのかな?

サンライズソアが行きそうなものの、インティが前で向正面を走ります。

サクセスエナジーが内で3番手位。モーニンとワンダーリーデルという紛らわしいコンビがおり、ユラノトが内でじっくりと構えます。
外からオメガパフュームも前に行きました。ノボバカラも前にいますが、徐々に下がってしまいました。

その後ろにゴールドドリームがおり、メイショウウタゲに外からノンコノユメが3コーナーに向かって上がっていきます。
後方にサンライズノヴァが外目、内にクインズサターンで最後方にコパノキッキング。

ノンコノユメは行きっぷりがよく、スーッと行きました。
道中で鞭打ってなんとか前に行くイメージですが、今日は勝手が違いましたかね。ペースを考えれば正解ではあります。

一方でコパノキッキングは下げました。
ペースを考えれば下げすぎ。基礎のスピードのある馬なので、もう少し外回しても気楽に走っても最後の脚は大きく変わらなかったかな。
砂にも前半反応していたので、マーフィー騎手も外に出す位でしたし、横の位置取りとしては悪くはありません。

前半35.8と出たとき「あちゃー」という気持ちに。
自分はやや遅めで想定して35.2でしたが、それより遅い。馬場を考えてもG1だとしたら前半はスローでしょう。
特に2F目が11.5というのは極めて楽に先頭を取ったということになります。
誰か、というかサクセスエナジーが絡んで欲しかった。そこまで無理しなくてもこの馬のスピードなら35.5位で「ゆったり」走れたはず。

4コーナーで手が動いて苦しそうなオメガパフュームと直線まで待つ構えのコパノキッキング。
特にゴールドドリームの外にいたオメガパフュームのここでの失速。ゴールドドリームとしては苦労なく外にスペースができるので、非常にありがたかったですね。
オメガパフュームはペースは決して速くないので、ここまで失速するか?という惨敗。ワンターンとか芝スタートとかそういう言い訳ができない敗戦です。左回りがそこまで苦手?

前半800mが48.0、1000mが60.2。
非常に楽な手応えでインティが先頭で4コーナーから直線へ向かいます。「こりゃ逃げ切っちゃうかな」と思いながら。ここから馬券買っていいならインティ全力買いです。

直線に入り、サンライズソアがクビを上げるいつもの走りで追いかけますが、差が広がってしまいます。
内でサクセスエナジーも追いかけますが難しい感じ。

その外からモーニンと持ったままのゴールドドリームというこのレースのかつての勝者が追いかけ、内で根岸Sの再現を狙うユラノト。
それでもインティの脚色は衰える様子もなく、後ろから誰が差せるのか?という展開に。

超ぼやけてる写真です。意味ないな。
大外にコパノキッキングが出していたのもあり、多少引きで撮りました。今日に関してはひいきしてますので。

インティがどんどん離します。
ゴールドドリームも「これは間に合わない」という感じで追い出し。1頭になると甘い馬なので、このタイミングが難しい。少し離しすぎた印象です。
シャドーロールのワンダーリーデルも頑張ってますね。

サンライズソアは直線で離されてしまいました。
最後差されているので6着ですね。ただ、バテバテというゴール前でもなく、展開は願ったり叶ったりだったような気がしますが、追ってから伸びがイマイチ。
並びかける位の勢いで行った方がいいのかな?
増えた馬体が一気に減ったのも何か影響しているのかも。レース運びは良かったのですが、こんなに負けてしまうとは…。結構期待していたし。

サクセスエナジーも内で伸びようとしていますが、そこまで。
無理に逃げるタイプでもないので、控えるのは別にいいですけどね。ただ、このペースに付き合う事で、この馬の良さは出たとは思えないです。
少なくともインティと並んで走る位の位置にいても、最後のバテ方は同じだったと思います。

ハロン棒にピントが合ってしまいました。無念なり。
クビを使ってインティが逃げ切り体制に。その後ろからゴールドドリームが一気に加速してきます。

追い込み勢はほぼ出番がなくなりました。

サンライズノヴァも後方から数字的には35.7と良い脚ですが、どうしても展開待ち、馬場待ちである以上仕方ないです。
根岸Sよりは良かった程度。前に行くにも行けないですからね。周ってきただけ。
軽めの馬場で直線が長く…と注文が多いのでレース選択が難しい。

残り200mを切って盤石な逃げ切り体制となったインティ。
さすがにこの差はゴールドドリームでも厳しい。そんな中、内からするするとユラノト。

モーニンもゴールドドリームに交わされて頑張っていましたが、サンライズソアを交わすのにも一苦労。
復調気配はありますが、年齢とともにスピードに陰りが。
軽めの馬場の方が得意ですし、もともと1500mがベスト、と思っていた馬ですので、最後までスピードを維持するのは難しかったかな。
それでも、35.9の上がりで4着なら悪いレースではありません。

根岸Sみたいな追い込みだったらここまでいい成績は取れなかったでしょう。
好スタートからのエスコートは和田騎手見事でした。7歳になりましたので、そこまでチャンスは多くないと思います。マイル路線までなら、特に雨が軽く降ったら一発ありそうな雰囲気が出てきました。

ユラノトは内からスルスル戦法で3着確保。素晴らしい騎乗でした。
道中はピタッと内。ロスなく直線も内をするすると縫ってきました。
さすがにゴールドドリームとの4馬身差はその位では埋められるハズもなく、ほぼ同じ位置から追い出して上がりでゴールドドリームに0.7負けたらどうしようもないです。
「レースがしやすそう」と予想し、その通り走ってくれました。
勝ち切れないですが、内に入れても全く問題ないというのは強みですし、スタートも上手。
5歳になってきっちり本格化してきました。きっかけ1つでガラリと強くなりそうな気がしないでもないです。

前を捕まえるように、クビを下げ、加速が止まらないゴールドドリーム。
しかし、インティも止まりません。ここには一切映っていませんが、大外からコパノキッキングもすっ飛んできています。

ゴールドドリームは上がりが34.8とこの馬場を考えたら究極の切れ味で2着。
4コーナーでワンダーリーデルが先に仕掛け、オメガパフュームが遅れたため、ポッカリ空いた外を馬なりで追走。
追い出しが気持ち遅かった、と言いましょう。
抜くと明確に気を抜く馬なので、難しいのは百も承知ですが、そこは昨年215勝のルメール騎手。

レースとしてはそれ位ですね。力はほぼ出し切ったでしょ。
秋から2着ばっかりですが、南部杯以外も着差こそ少ないものの、そこまで惜しい感じもしない不思議な馬です。
少なくとも今年のダートでは、この馬が出る以上「ゴールドドリームに勝てるか?」を基準に考えれば大丈夫そう。基準馬としてこれ以上の馬はいません。

パトロールビデオ見るとフラフラしていますが、それでもペースを落とすことなくインティがゴールへ向かいます。

予想を外したので何も言うことないですが、素晴らしい逃げ切りでした。
ペース配分もこの上なく理想的で、スイスイと行けました。

一度内埒から離れたり、ゴールドドリームに近づいてきてから離れたりして、手前を替えずゴールまで。
スピード感はそこまで無いですが、クビを使って一歩一歩が大きくなかなか失速しません。北米の馬強い馬みたいですね。
逃げて上がり35.4でまとめてしまえば、ゴールドドリーム以外は完全にシャットアウトできました。

気になるのは埒が嫌なのかちょっと動きが不自然な所と、やはり手前を替えないで走り切ろうとするところですかね。
そこはこういう馬、ということで。
強いのは知っていましたが、ここまで完璧なレースをされたらぐうの音も出ません。

時計の1:35.6は馬場を考えれば立派です。
上位2頭はしっかり1:36.0を切っていますので、力が違いました。
さて、ここにルヴァンスレーヴがいたら?というのは当然興味深いです。単純にゴールドドリームと物差しで考えるのはできませんが、いい勝負でしょうね。ルヴァンスレーヴがスタート決めたらアッサリもある気がしますが、出遅れたら勝てそう。少なくともそういう位置にはいると思います。

さてさて、注目のコパノキッキングです。あんな後ろにいるのに実況されるんだもの。圧倒的1番人気ならともなく4番人気よ。
ゴールの瞬間は割とベストショット。これはなかなかないんじゃないかなー。5着入線の瞬間です。

ペースを考えると前半抑えすぎたのがもったいないですね。
もっとスムーズには行けたと思います。少なくともモーニンは交わせた可能性が高い。それ位目立っていました。ユラノトまでは難しいかな。向こうがほぼ完ぺきでしたし。

わざわざサンライズノヴァの後ろにいれたのはコーナーをできる限りロスなく走ろうという事でしょうが、その通りコーナーを走り、コーナー出口でも無理せずに直線まで我慢して追い出し、直線はいい追い込み馬の雰囲気がありました。
悪く言えば周ってきただけ。
ただ、掲示板にクビ差でも交わして載ったというのは、この騎手の何か見えない力というか、持っているのかもしれません。
今年この馬で重賞とかG1とか乗り続けたら勝っちゃいそうな気もしないでもないです。この馬とは手が合ってると思いますし。

 

コパノキッキングが戻ってくるとき、ワンダーリーデルには一切フォーカスが当たっていないのが切ない。。。
まぁ仕方ないけどね。人気もそこまで無かったし。頑張ってたけど。

そしてただ1頭芝の上を走って戻るインティ。
7連勝でG1まで到達しました。

時計の裏付けも十分ある馬なので、ルヴァンスレーヴと激突しない限り、そう簡単に負けないと思います。コーナー4つだとゴールドドリームよりこちらに分がありそうですし。
オメガパフュームも距離が伸びて違うと思いたいですが、現時点でインティを負かせる可能性はルヴァンスレーヴ以外になさそう。

色々な意味で盛り上がって「いいG1」でした。