平成最後、2018年の有馬記念。出走予定馬の印象振り返り。




今年も有馬記念の季節になりました。

競馬を振り返ると随分長いような短いような1年です。

レインボーラインが春の天皇賞を勝った事なんて随分昔に感じますし、今年のフェブラリーステークスはノンコノユメというというのも「あれ?今年だっけ?」と感じます。

平成最後の有馬記念が天皇誕生日と重なるのも何かの縁なんでしょうね。
平成になり、この日に有馬記念が行われたのは過去4回。

  • 平成2年 伝説のオグリキャップ引退レース。
  • 平成13年 マンハッタンカフェ→アメリカンボス→トゥザヴィクトリーの9.11アメリカ決着。
  • 平成19年 空気読まなくてすみませんのマツリダゴッホにダイワ兄妹。
  • 平成24年 ルーラーシップ大出遅れとゴールドシップの快勝。
  • 平成30年 ????

そんな平成30年の有馬記念です。
レイデオロか、キセキか、はたまたサトノダイヤモンド復活かオジュウチョウサンの歴史的偉業か。

サウンズオブアースとサトノダイヤモンドはこのレースで引退も表明しています。
スマートレイアーももしかしたら(というかそろそろ…ね。)ラストラン。

日本競馬の1つの区切りとして、次の元号になっても変わらず続いてほしいですね。

出走予定馬をざっと見ての感想

巷でも言われているように、重賞での3歳馬の活躍と反比例するかのような3歳馬の少なさ。
ブラストワンピースとハッピーグリンの2頭しか登録がないのは寂しい限りです。

ワグネリアン、エポカドーロ、フィエールマン、エタリオウ、ジェネラーレウーノ。
特にエポカドーロとジェネラーレウーノは「中山でこそ」だと思っていただけに非常に残念でした。

キセキがこの秋G1を3戦連続で出走予定なのも見過ごせません。これでレースが締まらない事はないでしょう。
それに加えてひいらぎ賞で1:34.0を切り、ターコイズSで1:33.0を切る高速の中山。
日曜日の2歳マイル未勝利で1:35.5というのも悪くありません。

有馬記念は「同日のグッドラックHよりも遅い。へぼレース。」と言われるレースになる場合もありますが、今年はさすがにそうなることはなさそうです。
キセキが行かなければオジュウチョウサンが行くでしょうし。

オジュウチョウサンの出走により、オッズがどう動くのかも注目です。ただでさえ有馬記念は「ここだけは買う」という方も一定数おり、オッズが乱れやすいレースです。

恐らく単勝は売れる。単勝をどこまでかき乱すパワーがあるのか?は注目してみたいです。
サトノダイヤモンドやシュヴァルグランよりも単勝だけは上位人気になる事も考えられますので、普通の売れ方はしないでしょうね。

ざっと見るとレイデオロの相手探し。
もちろん枠順にもよりますが、レイデオロがそれなりの枠に入るのを条件で、この馬をやっつけるのは歴代の有馬記念勝ち馬をもってしても簡単ではありません。

キセキが2500mをJCのようにスピードとスタミナの高いレベルでの持続力勝負に持ち込めば、脱落馬が続出します。
力のない馬は出番はなく、上位の力を持つ馬でしっかり決まる。そんな気がします。
有馬記念は枠順で大きく紛れるレースですが、今年はそうはなりにくいかな。

出走予定馬の過去の印象(全てではない)

レイデオロ(昨年のダービー馬、天皇賞馬。ファン投票1位)

自分の中では文句なしの主役です。
ようやく中山に出てきてくれました。若き日のレイデオロをホープフルSで見た時、迷うことなくこう感じました。

道中は後方でじっくり構えられ、するすると馬群を縫え、直線開いた瞬間に抜け出せる。
混戦向き、中山向きだろうと思いました。
東京だと「真っ直ぐ走れればいける」という馬でもやれますが、中山で多頭数だとこういう馬は崩れにくいと思います。

ルメール騎手の都合という「は?」という理由があったにしろ、個人的にはこっちに出てきて正解だと思います。
オールカマーの回顧では藤沢厩舎をdisっていましたが、結果的には出ることになりました。

加速が鋭いので、混戦で抜けられる強みがあり、中山はとにかく向いていると思っています。是非有馬記念へ、なのですが使うタイプの調教師じゃないのよね。

見た目以上に器用で、前が開くとズバッと伸びてこられます。
少なくとも「末脚のすごい馬だから、中山はマイナスだよねー。」という馬ではありません。

オジュウチョウサン(中山大障害2連覇中。ファン投票3位)

「本日の主役」というベタなタスキを掛けて武豊騎手に乗ってもらいたい位の人気者。
一体どれだけあのぬいぐるみが売れるのか。

11連勝中。中山は得意(ただし、障害ありに限る)。斤量57kgで中山を走る事になるとは、未来は分からないものです。
ここまで順調に来れたというのは「持っている」のでしょうね。

その時の拍手たるやなかなか競馬場では味わえない空気。
この空気を作れる馬はそうはいません。
ただ強いだけではダメで、高いアイドル性というか、ドラマなどがないと難しい。

と南武特別で感じました。
この手の馬は本当に貴重。ほぼ出会えません。今年の有馬記念はこの馬のおかげで特別なレースになります。

勝負になるか?というとちょっと厳しい気はしますが、シンボリクリスエスの肌にステイゴールド。母の母の父はイナリワンなどの父であるミルジョージ。
夢を賭けるには十分な血統的な背景もあるので、当てたら「だーから言ったろ」と言ってあげましょう。

サトノダイヤモンド(一昨年の勝ち馬。ファン投票5位)

一昨年の有馬記念でゴールドアクターを退け、坂を駆け上がってからキタサンブラックを差し切った時は「ついにディープインパクトの後継が出た」と思ったものです。
そのキタサンブラックは昨年ターフを去り、ゴールドアクターも輝きを取り戻す事無く今年ターフを去りました。
そしてサトノダイヤモンドもラストラン。時代は変わります。

フランス遠征にもファンとして一緒に行きましたが、あの時から随分狂っていたと思います。
凱旋門賞のパドックとはこの馬らしくなかったもの。

正直戻っているとは言い難い。ジャパンカップの時の感想です。

時計だけ見れば2:21.9で走っていますので、よくやったなのですが、1.3秒負けています。
調教もラスト1Fの反応も良く見えましたし、パドックの雰囲気も随分と良い頃に戻ってきた印象でしたが、最後の止まり方を見ると…。
この血統です。大切にすべきなのは確かで、この敗戦で「引退」の文字も見えなくもない走りだったように感じました。好きなだけに寂しいですが。

皐月賞の返し馬を見た時、こんなことを書いています。
いまでも思い出す若かりし頃のサトノダイヤモンド評です。

超カッコイイ。雰囲気がたまらなくいい馬です。
最初の一歩が少し跳ねるように出しましたが、そこからスッと自分に入っていく感じでとてもステキな馬です。
久々に見たカッコイイ馬、という所でしょう。

頑張ってほしい。

キセキ(昨年の菊花賞馬、JC2着馬。ファン投票6位)

この秋の別の意味での主役というか、名バイプレイヤーとなっています。
天皇賞、ジャパンカップがあれだけ激しいレースになったのは偏にこの馬の存在抜きでは語れません。

菊花賞の時はしゃあしゃあとこんなことを言っていました。

夏の上がり馬という扱いにはなっていますが、春先から期待されていた馬ですし、力通り走ったということですね。
道中は後方でじっくり溜め、直線は大きなストライドで最後まで乱れませんでした。
菊花賞を勝ちましたが、3200mという感じもせず、2400m付近まででその末脚の力を発揮してくれれば。

全然見る目がないですね!
まぁ、ここまでの素晴らしい逃げ先行馬になるとは多くの人は思わなかったでしょ、多分。

この秋4戦目。
普通は大変ではありますが、この充実度なら自分は心配ないと思います。
オジュウチョウサンがどう絡むか分かりませんが、こちらの方がスピードは断然。打倒レイデオロを考えると、ある程度リードを保って直線に向かいたいですね。

ミッキーロケット(今年の宝塚記念馬。ファン投票8位)

不気味な1頭です。
宝塚記念を勝った時から恐らく多くの人が感じていたかもしれませんね。

宝塚記念もそうですが、天皇賞春4着に天皇賞秋5着。
若かったスプリングS→皐月賞の時を見ましたが、その時とは馬が雲泥の差。

その皐月賞の時はこの1文しか登場していません。

で、スタートです。
ディーマジェスティがやや外に出たのと、スプリングステークス同様にミッキーロケットが悪いです。ミッキー、これじゃいつまでも500万下のトップ止まりだぞ。強い馬なのにもったいない。

ま、馬の成長なんて分からないってことで。
「スタートが上手になれば、、、」と思っていたのが年を重ねて解消され、本当に強くなりました。ジャパンカップをパスして有馬記念。怖い1頭です。

シュヴァルグラン(昨年のJC馬。ファン投票9位)

昨年のJCではキタサンブラックを差し、レイデオロの追撃を凌ぎました。
ボウマン騎手騎乗でどうなるか?ですね。

一昨年は6着、昨年は3着。
昨年に比べて着順こそ下がっていますが、あそこまでの高速決着のジャパンカップでもついていっていましたので、まだまだ健在です。

昨年の印象です。

シュヴァルグランは昨年とは馬が違っていました。やはり強いです。
スタートからある程度ポジションを取れたのもありますが、直線でぶつけられてもしっかり最後まで伸びています。
ベストな舞台ではないですし、2着は取れた勢いでしたが、これだけ走れれば普通の相手ならそう簡単に負けません。

スワーヴリチャードにぶつけられる不利もありながら伸びて3着。
4コーナーの反応が前走少し鈍かったのが気にはなりますが、1回走って変わるかな。

マカヒキ(一昨年のダービー馬。ファン投票12位)

まーた懐かしい写真を、ということで弥生賞の頃のマカヒキです。いい走りです。
一方で今年の札幌記念の時の印象です。

ゴール後差し返しているので、まだ闘争心は衰えていなさそうなのは一先ず良かったと思います。途中掛かりそうな雰囲気も出ている位でしたし。
モズカッチャンもゴール前は外にいましたが、コーナーは内を走っていました。
札幌であれだけ終始外回れば楽ではないのは事実ではありますが、走ってからの重心が気持ち高い気がしました。弥生賞とか皐月賞の時と比較して、です。
加速するまでかったるい馬でしたが、加速してからグッとクビも下がる感じで走るイメージのマカヒキとは違います。歳を重ねればそりゃそうか。いつまでも若いなんて無理だわな。

天皇賞の時はここまで書きましたが、そう思ったんだから仕方ない。

内にささって追えていない走りです。ゴール前残り200m付近から一気に内に。左鞭とかでは修正できるような甘いものではなく、一気にささりました。
ギアが変わらないというより、イヤになってしまったような走りですね。
上がり33.7と数字は出ていますが、ラスト1Fの動きは次走以降、疑問符が大きく点灯しました。個人的にはJCに出てきても買う事は無いと思います。

さてさて。雨でも降らないと厳しいかなー。
馬が随分とモデルチェンジした印象ですので。

モズカッチャン(昨年のエ女王杯馬、今年3着。ファン投票14位)

東京のフローラステークスとオークスしか見たことがないので、あまり写真がない1頭です。

今年未勝利も京都記念4着、ドバイシーマ6着、札幌記念3着、エリザベス女王杯3着。
牡馬相手でも崩れませんし、前走はもう少し走れたと思います。

道中最後方から4コーナーで内から外へ斜めに。マカヒキの外から射程に入れた後の追い込みは見事です。
この馬は毎回一生懸命走りますね。
勝ち味が遅いですが、牝馬同士なら違うでしょう。天皇賞でもいいレースができそうですが、本命はエリザベス女王杯→香港かな。

と札幌記念の時に書いていますが、有馬記念に来てくれました。投票した1頭です。

内枠前提ですが、昨年のクイーンズリング位は走れてもおかしくないですし、内を突けるタイプなのも強み。
昨年は「なんだよ、ルメール買っておけば良かった」で外しましたが、今年は「デムーロ買っておけば…」となるか?

 

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