写真で振り返る 第7回アルテミスステークス レース回顧




レース

スタートでは外のウインゼノビアがポンと出ました。
ミディオーサ、ビーチサンバも遅めですが、サムシングジャストとシェーングランツが後手。
シェーングランツは立ってしまったとかではなく、横向いてたらゲートが開いたという遅れ+少しエンジンが掛かっていない走り。全く無理することなく後方へ。

ウインゼノビアが下げつつ内からグレイシアが先頭に。
それを制してライデンシャフト。キタイと共に3頭で先頭集団を形成します。

それを見る形でこちらもスタートを決めたトスアップ。
その後ろにアズマヘリテージ、ブラックダンサーと続きます。

内から掛かり気味にミディオーサ。下げたウインゼノビアがおり、エールヴォア。ここら辺が中団ですね。
後方からビーチサンバが徐々に仕掛け、アフランシールとレディードリー。レディードリーがややぎこちない走りをしています。

シェーングランツが長手綱でゆったり走っており、ヘリンヌリングが後方2番手で最後方にサムシングジャスト。

馬場を考えてもそこそこ流れて33.9-46.2。
過去アルテミスSではメジャーエンブレムが走った時の34.9と比較して1秒も速いです。過去最速。(コレクターアイテムの時が34.5が過去最速でした。)

この時期の牝馬でマイルを前半33.9で走って押し切れる馬はほぼいないでしょう。
このレースで割と追い込みが決まるのは、この時期に東京マイルは最後までもたない馬が多いからだと思っています。
メジャーエンブレムでも押し切れませんでした。そう考えると昨年のサヤカチャンはいい走りでしたね。

ペースがきちんとしていたので、掛かる馬はいません。
後方組でレディードリーやシェーングランツもやや押す感じもあり、エンジンが掛からない馬にはどちらかと言えば追走が楽ではない流れです。

コーナーに入り、シェーングランツの外にいるヘリンヌリングに肩鞭が入り、やや追走に苦戦しています。
ウインゼノビアの外からビーチサンバがスーッと上がります。とてもいい感じです。

グレイシアは内でややクビを上げていますので、掛かっていませんが力みながら走っているような走り。楽な追走ではありません。このペースで前にいて余力があるか?というと…。
シェーングランツは後方で少し押しながら前に行きます。ここでもあまりスピーディな走りとは言い難い。

ライデンシャフトが先頭で直線へ入ります。
鼻顔の白いキタイが2番手におり、グレイシアがその外から上がりますが、前走の切れを考えると前に行ってどうなる訳もなく。
外からウインゼノビアに前に入られてアウト。

外からビーチサンバがコーナーの加速を利用して先頭に近づきます。
最内に入れてモレイラ騎手のミディオーサ。

残り400m付近でビーチサンバが先頭に近づき、その後ろから岩田騎手の右鞭が派手なアフランシール。
ここでもまだ大外のシェーングランツはまだエンジンが掛かっている様子が無い。。。

しかし先頭集団がごちゃごちゃしており、グレイシアが沈みます。
内のミディオーサもそこまで伸びる様子もなく。人気馬ではエールヴォアもビーチサンバの後ろでやや進路がありません。

残り200mでビーチサンバが先頭に立ちます。内で食い下がるウインゼノビア。
逃げたライデンシャフトもまだ粘っていますが、馬場はBコースとは言えあの辺りは苦しそう。

アフランシールもビーチサンバの後ろから追いかけていますが、坂を上ってからやや乱れます。
グレイシアが沈み、開いたスペースに潜り込んだエールヴォア。その後ろにトスアップ。

大外から鞭1発毎にストライドが伸びてきたシェーングランツ。

グレイシアは人気を背負っていましたが、残り200mまで持ちませんでした。
ここまで負けてしまうとは。。。
ペースは確かに流れましたので、やはり前に行ったら苦しかったでしょう。内側でリラックスして走れていませんでした。
ゲートに入る直前の雰囲気といい、気性が難しいですね。上手なレースではなく、思い切り下げるか逃げるかの極端なレースをした方が良さそう。
まだ見限る負け方ではないと思っています。

ミディオーサは直線で内に入れたのはいいものの、追えないシーンもあってやや中途半端な負け方。
内側を走るリスクはありますので仕方ないですが、現段階では重賞では厳しそう。
自己条件からやり直せれば、来春には間に合うでしょ。負け方としてはまだ言い訳ができます。

トスアップも内からあまりロスなく走り、上手なコース取りです。
アフランシールと並んでから最後まで諦めずに半馬身前に出ていますので、重賞では厳しくても500万下なら。

ほぼ最後方から追い込んで来たサムシングジャストについては、評価しにくい。
ペースを考えると追い込み馬にとってはプラス。サウジアラビアRCはずるずる下がるだけでしたが、出遅れたのもありますが下げたのが良かったのでしょう。
東京の500万下なら人気になったとしても、危険な人気馬となりそう。
こういう馬は届かないケースが何度もありますし、ほぼ出遅れからの最後方から追い込みだと自分はアテにしていません。

ウインゼノビアは好スタートから徐々に下げつつ、直線で一度は先頭に。
あのままガツガツ行ってしまえば潰れたと思いますので、好判断でした。
最後は切れ負けていますが、バテバテになったのではありませんし、安定して頑張れそう。
ただ、ワンパンチ足りないレースが続いてしまいそうですが、出資者の人は楽しめそうな1頭ですね。知り合いが持っています。

ビーチサンバを追い詰めるシェーングランツ。

抜け出したビーチサンバの後ろからエールヴォア。
エールヴォアも3着ですし、馬群をしっかりと走っています。
ビーチサンバと離される事無く付いていっていますし、負けたけど現時点では力を出し切った印象です。
前が開いてからウインゼノビアをあっさり交わした脚を見る限り、500万下なら確勝級の力はあります。

ビーチサンバはクビを下げてグンと走り、抜け出しても甘くならず、最後までしっかり走れています。
60秒を切る前半で進めても最後までエールヴォア相手に差を詰めさせませんでした。
外枠から理想的なレースをし、特に4コーナー付近の雰囲気はこのレースでは抜けていました。
最後シェーングランツには交わされてしまいましたが、ライラプス、フサイチリシャールと重賞ウィナーを出して以降なかなか重賞勝ちを出せていませんが、フサイチエアデールの仔として重賞勝ちをプレゼントできそうな雰囲気はありました。
反応も良さそうなので、もう少し小回りコースでも見てみたいです。

並びかけるシェーングランツ。内で頑張っているビーチサンバ。
2頭の戦いに。

勝ったシェーングランツはデビュー戦こそ負けましたが、これで2連勝。
加速までが随分と時間がかかるのがもどかしいですが、スイッチが入ってからの末脚は圧巻。
上がり33.8とビーチサンバと0.6秒ですが、もっと差がある感じすらします。

ソウルスターリングに似ている部分もありますが、どちらかと言えばソウルスターリングはクビがもう少し高く、脚を上げるようなフォームです。
どちらかと言えばクビを下げて全身を使っての走りで血統の如くディープらしさが出ています。

勝ち時計の1:33.7も立派ですし、上がりの時計も文句なし。
ここで重賞勝ちで賞金加算もできればこの厩舎ですから。無理せず桜花賞まで1回つかうかどうか?なのかな?桜花賞はグランアレグリアに任せ、オークス1本にするかも。
桜花賞は忙しいでしょうね。今の走りを見る限り。2000m位欲しいです。

それにしても藤沢厩舎の牝馬勢は凄まじいメンバーです。
グランアレグリアにシェーングランツがエースでしょうが、コントラチェック、スイープセレリタスにミリオンドリームズ。
この日に勝利したレディマクベスも相当の馬です。

使い分けが一般的なので仕方ないですが、できれば桜花賞→オークスできちんと戦ってほしいなとファンとして切に思います。