写真で振り返る 第64回産経賞オールカマー レース回顧




レース

スタートでブラックバゴが立ち上がってしまい後手に。
マイネルミラノが押しながら行きますが、最内からアルアインがほぼ馬なりでスッと先手を取りに行きます。
マイネルミラノも8歳になり、なかなか先手を取るのに苦労をするようになりました。前からそこまでスタートから速い馬ではないですが、もう少し楽に取れないと厳しくなってしまいます。

ゴールドアクターやミライヘノツバサの前目。
レイデオロは出たなりに。意識的に下げているでもなく、前が行くのを見ながらその後ろ辺りに。

マイネルミラノが逃げる気満々ですので、アルアインは無理せずにその後ろへ。
徐々に外に持ち出し、マイネルミラノとコーナー前に内外交換しました。

ダンビュライトは行くでもなく、下げるでもなく。
あまり切れる馬じゃないので、スタートからもう少し取りに行ければ良かったと思いますが、外から入られてしまい、あまり自由のある位置ではないですね。

レイデオロ周辺です。

エアアンセムを外に置き、内のダンビュライトを外に出さないような位置取り。
前にはガンコ、マイネルフロストといて、これがゴール前だとピンチですが、まだまだ2コーナー前。
ドバイシーマクラシックではスロー過ぎて掛かりまくっていましたが、日本のペースに戻り、少し休んでいい雰囲気で走れていました。

ラップを見ると2F目の10.6というのが目に付きます。
中山2200mの2F目なので、坂を上る所というのもあり、過去中山でやった10年を見ても同じマイネルミラノが走った2015年(勝ち馬:ショウナンパンドラ)の10.9というのがあるだけ。
スタート直後結構きつかったですね。
上から書いているので、ダンビュライトは前に行けよ的な事を書きましたが撤回。一緒についていくと割と厳しい流れでしたね。。。

マイネルミラノ先頭で2コーナーへ入ります。
そこからは1000m付近まで平坦な道ですので、一度ペースを落として向かいます。

マイネルミラノが先頭で単独2番手にアルアイン。
外からミライヘノツバサがいて、内にゴールドアクター。

中団前にガンコと内からダンビュライトが追走し、マイネルフロストの白い馬体の内側にレイデオロ。
先頭からは10馬身無い位の位置取りです。かかる様子もなく、スイスイと走れています。

その後ろにエアアンセムが追走し、内で出目金スタイルのショウナンバッハ。
後方にブラックバゴとブライトバローズという展開です。

さすがに古馬一線級に加えてきっちりとした逃げ馬がいるレースです。
淀みなく流れて60.5。べら棒に流れていませんが、マイネルミラノがそこまで離している訳でもないので、淡々と、淡々と流れました。

向正面から下りますので、ペースは徐々に速くなります。
3コーナーにかけて各馬動きだします。

ここで見所はレイデオロとダンビュライトの関係でしょうね。
ダンビュライトは外に出そうとしましたが、ピッタリ外にレイデオロがいたため、外に出られません。
そんなこんなしていると、前のゴールドアクターとミライヘノツバサが徐々にペースアップに耐えられずに失速していきます。

外からガンコ、マイネルフロスト、エアアンセムと上がっていく中、内でペースアップに乗れませんでした。
レイデオロはミライヘノツバサの1頭外。ガンコのすぐ後ろという絶好の位置。
直線まで持たないであろう内の2頭を見ながらですので、最内を走れていると言っていい位置に入りました。

追い出しをかけるレイデオロに対し、内で待つしかできなかったダンビュライト。
残り400m付近では1馬身以上先に出られてしまいました。

マイネルミラノが先頭ですが、すぐ後ろにピッタリとアルアインがつけて4コーナーへ。
緑の帽子のレイデオロがアルアインのすぐ後ろに。

直線に入り、マイネルミラノをあっさりと交わすアルアイン。
ここまでほぼ完璧なレース運びです。

その後ろからガンコが迫り、外からエアアンセムやブラックバゴといった辺りが追いかけます。
ゴールドアクターとミライヘノツバサの潰れたスペースを先に取ったレイデオロに対し、ワンテンポ遅れてその後ろのダンビュライト。
こうなると、ガンコを振り切ればアルアインとレイデオロの戦いになりそうな予感がしました。

残り200m付近でアルアインが後続を突き放します。
その後ろでガンコが粘っていますが、この辺りで潰れてしまいました。

久々でしたが、スタートから無理せずいい位置に入り、4コーナーではアルアインのすぐ後ろに。
直線入り口までは頑張っていましたが、そこまででした。
流れには乗れていたと思います。ただ、勢いも止まってしまっての休み明け。中山走りそうなので人気していましたが、日経賞も2:33.9。
中山で上がり34.5付近で2:11.5付近の決着だと、苦しいか。
もっと乱戦になれば浮上するかもしれませんが、少頭数の力勝負だとタイトルホルダー相手だと…ですね。

エアアンセムは外からガンコを競り潰し、前を追いかけます。

調子がいいだけあって、見せ場はありました。
ただ、坂を上がった段階ではダンビュライトも振り切りそうな位の勢いでしたが、そこから最後50m位で一気に失速。
ゴール前ではショウナンバッハに迫られ、なんとか4着を死守。
気を抜いたのか、多くのエアアンセムを買っていた人は「あれ?え?なんで?」という位の負け方だったんじゃないかなと。
終始外でしたが、明確にロスがあるという内容でもないですし、力は出せたと思います。
G1でもこれ位は走れそうですが、勝つとなるとパンチ不足。一方で少し格落ちしたレースだと、アッサリ楽勝もありそうです。

3着のダンビュライトはコース取りの差が出ました。
ただ、仮に上手く流れても3馬身の差が2馬身になる位でしょう。それ位の差が前の2頭とはあります。
レイデオロより後ろからいってどうなる馬でもないので、もう少し前から早め先頭でなだれ込むレースが理想ですが、それをするにはペースが楽ではなかったですし、位置取り含めた全体の流れは向きませんでした。

G1でもこれ位は当然やれますし、宝塚記念や大阪杯でもそこまで崩れていないので完全無視はできません。
ただ、ある程度高速馬場のペースは平均より遅め、という条件付きで。
ハイペースだと動けないと思いますので、少し遅めで自分から動けるレースになると面白いハズ。
春の香港は良さは出ませんでしたが、冬の香港の方が時計も出ますし、そっちでG1制覇もあるかも。タイプ的に。

 

ゴール前100mは同期の皐月賞馬、ダービー馬のマッチレース。
少し大き目な絵にしました。クリックしないと分かりませんが。。。

アルアインは負けてしまいましたが、力は見せました。
ほぼ完璧なレース運びで、早め先頭からダンビュライト以下を3馬身突き放し、レイデオロとクビ差。このクビ差は小さくはないですけどね。
ただ、切れ味勝負で負けただけであり、もっと多頭数になればこちらの自在性はプラスです。スタートもかなり速かったですし。

「目標にされた分」というのはなかったと思います。
1頭になって遊んでいませんし、差された後も食らいついています。
2200mの距離では後塵を拝しましたが、東京2000mなら互角でしょう。多分こっちはイメージ程中山向きではないと思っています。
最後までジワジワと伸びるので、1F短縮し、1:58.0を切る東京なら見直したい。

最後は少し流すようにゴールしたダービー馬レイデオロ。
西では後輩ダービー馬がきっちり勝ちましたので、先輩ダービー馬として負けられませんでした。

クビ差ではありますが、このレースに限って言えば完勝。
ただ、内を綺麗に縫えたのも事実ですし、この馬は中山だとなぜか馬群をするすると抜けてこれます。
加速が鋭いので、混戦で抜けられる強みがあり、中山はとにかく向いていると思っています。是非有馬記念へ、なのですが使うタイプの調教師じゃないのよね。

前を行くゴールドアクターとミライヘノツバサの外でダンビュライトを内側へ閉じ込め、アルアインの真後ろを取れたというのはジョッキー含めて流れに乗れました。
ドバイシーマクラシックの時はあまりにもスローでかかり気味になってしまいましたが、今回位流れれば大丈夫なんでしょう。

時計も2:11.2なら遅いとかなんとか言われることもありません。
上がり34.3も立派な数字です。
秋初戦としては文句なしで、春に戦えなかったスワーヴリチャードとの再戦が楽しみになりました。

後方組だとゴールドアクターはファンとして限界を感じました。
4コーナーで鞭が入り、追いかけることができておらず、クビを下げてグワッと走る良い頃と比べると雲泥の差。クビも全く下がっていないし。
勝手に引退とかは言えませんが、キタサンブラックと何度も戦った名優です。怪我なく引退し、G1馬としての扱いであればいいなと思う次第。

全体的に混んでいましたが、割と満足した人も多かったように思えます。上位人気がきっちり走りましたし。
私はこのレース皐月賞馬とダービー馬との弱気ワイドでした。。。