第57回京成杯 レース回顧




第57回京成杯(G3・中山・芝2000m・良)

中京も京都も雪で中止となりました。
遠征して雪降られて1日空いてと勝ち馬が変わりそうな火曜日の京都競馬ですが、関東地方は青空も見える天気です。
センター試験も大変だったでしょう。この時期だから仕方ない面もあるにしろ、こうも狙わなくても…と。

「残念ホープフルステークス」というべきか「残念レイデオロ」というようなメンバー構成となった今年の京成杯。
今後もこのスケジュールだとすると、こんな感じのメンバーにはなるでしょうね。

誰が前に行くんだろう?という疑問点があり、前走一応前に行ったアダムバローズ辺りが引っ張ってスローかなというのが戦前の予想。

スタートは真ん中が全体的に後ろで外枠各馬が好スタート。
ガンサリュートも外枠で少し後手。
アダムバローズは前走も少し行きたがる素振りを見せていましたが、今回もスタート直後にややそういう素振りがありました。

ベストリゾートがスタートからかなり積極的に見えましたが、それを制してメリオラが先頭で1コーナーへ。
コマノインパルスはスタート悪かったですが外が軒並み前に行ったため、包まれることもなく、挟まれたりもなくすんなり外へ。
これは枠の巡りが良かったと思います。

1コーナー手前でポポカテペトルとアダマンティンが馬体の接触が数回あり、ポポカテペトルが譲らずに弾き飛ばしていました。

2コーナーからメリオラ先頭の2番手ベストリゾート。
ベストリゾートはスタート出した影響もあったと思いますが、力んだまま走っているのが見て取れます。
アダムバローズも馬込みの中でクビを上げ、リラックスして走っている様子ではありませんでした。

コマノインパルスは中段外目をゆったり。
これは道中楽だったと思います。前を見れる位置で外から被せられる事もありません。
ガンサリュートもじっくりと乗っていたと思います。
逆にスタートで後手だったマイネルスフェーンは柴田大知騎手の手綱の高さが違うシーンもあり、気持ち外向かせたりして少し窮屈そう。すぐ後ろにもいますし、外にもピッタリ。

ペースは36.9-61.6。
ペース自体は平均少し遅めという位でしょう。同日古馬OPのマイル戦でマイネルアウラートが1:33.5で逃げ切っていますし、パンパンの良馬場ではないにしろ、全然出ないとも言い切れません。

ちなみに、過去10年でこれより前半の入りが遅いケースは2回。

  • 2007年 サンツェッペリン 37.6(皐月賞2着)
  • 2010年 エイシンフラッシュ 37.2(ダービー1着)

このレースは逆に極端なスローの上がり勝負を勝ち切った方が成績がいいというジンクス?があります。

そういう意味ではちょっと中途半端。
もっとスローの上がり勝負が見たかったのが正直な感想です。

3コーナー過ぎで進出したコマノインパルス。
ガンサリュートは外のコマノインパルスが行ってからの進出です。
マイネルスフェーンはそこでは外に出すスペースもなく、ジッとコーナーでのロスを防ぐことだけというようなレース振りでした。

直線は内がガチャガチャしていたところ、外からコマノインパルスが先に先頭に立ち、それをガンサリュートが追い詰めます。
内から外に開くまで待つしかなかったマイネルスフェーンが最後追い込んで3着。

上位3頭とも上がり36.5付近ですが、各々最速が1Fずつ違う感じのレース振りでした。
先に仕掛けたコマノインパルス、直線入り口で加速したガンサリュート、坂を上ってから加速したマイネルスフェーン。

勝ち時計2:02.5。
レース上がりが12.2-12.0-12.1。11秒台が記録されませんでした。

上位入線の馬は各々が持ち味が出たと思う一方で、決め手不足に悩みそうなレースにも見えます。
もう1つ上で戦うとなると、もうワンパンチ欲しい所だと思いました。

勝ったコマノインパルスは外々を悠々と走れたのが良かったと思います。
反応も良いですし、切れ味はなくともしぶとい馬に見えますので、イメージは菊花賞の穴馬というような感じに見えました。
このメンバーだと勝てましたが、中山で1Fズバンと切れる感じもなく、ダービーの様に34.0付近の脚を求められるレースで輝くタイプにも見えず。
レースは上手だと思いますし、特殊なレースだと侮れないとは思いました。

2着のガンサリュートはペルシアンナイト、リスグラシュー、カデナと負けてきた馬がなかなか強い馬ですので、このメンバーに入ってもビビらないのは当然ですね。
コマノインパルスを4コーナー先に行かせてコーナーを厳しく回り、直線に賭けましたが惜しくもクビ差届かず。
道中馬群に包まれてもへっちゃらでしたが、もう少しスタート上手の方がいいですね。道中も力まないだけに、もう少し前々で進められると良い気がしました。
母系は母の母の母にスティルインラブのお母さんでもあるブラダマンテ。マルゼンスキー、クロフネ、そしてダノンシャンティ。面白い血統だと思います。

マイネルスフェーンは思った以上に最後しっかり伸びました。伊達にホープフルステークス2着していません。
切れ味抜群には見えないので、4コーナーでの位置を見ると厳しいと思いましたが、前が開いてからの伸び。440kg位の体ですが、一杯に使って走ります。
ガッツがあるんでしょうね。なんだかんだ言ってもそういう気持ちとかが大きいですし、人気通り位は毎回しっかり走りそうです。力上位の時は信頼したい。

ベストリゾートは道中掛かり気味だったのもありますが、ここで上位に残れないようだと厳しいでしょうね。
ここ2戦差して良いレースができていただけに、上位が追い込みが占めたレース結果を見るとここで無理しなくても良かったかなと。結果論ですけどね。
外枠で無理しなくてもいい位置が取れたはずなだけに、もったいない気持ち。複勝買ってたし。

サーベラージュはスタート伸びあがるように出て遅れ、そこから掛かり気味になり、直線は不利があってのブービー。
次で同じように崩れなければいいですが、ダメージが残らないとも言えない負け方です。
もっと出遅れてれば腹括って最後方というのもできたと思いますが、微妙に出てマイネルスフェーンをすぐ交わせちゃったものだから、全体的にチグハグに。

 

レースレベルとしてはそこまで強調できないと思う一方で、上位陣は強い馬と戦ってきたしっかりした馬達です。
きれいな2番手集団のレースだったなという印象です。

が、勝ったコマノインパルスが1番人気勝ちでした。
2000mになって以降、1番人気勝ちは過去5例あります。

  • 1999年 オースミブライト(皐月賞2着)
  • 2005年 アドマイヤジャパン(皐月賞3着、菊花賞2着)
  • 2006年 ジャリスコライト(皐月賞7着)
  • 2008年 マイネルチャールズ(皐月賞3着)
  • 2010年 エイシンフラッシュ(皐月賞3着、ダービー1着)

と、実に皐月賞で4/5が馬券になるという好ヒット。あまり無視するのは危険かも。