写真で振り返る 第21回東京スポーツ杯2歳ステークス レース回顧




レース

やや重の馬場です。
1つ前の牝馬限定の1600万下のマイル戦が60秒の前半で勝ち時計が1:34.7。
1秒位時計がかかっていると思いますが、得手不得手が明確に出てしまうほど悪化していません。
力を見るには丁度いい馬場だと思います。

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スワーヴリチャードがやや出遅れました。最内のムーヴザワールドもあまりいいスタートではありません。
対してトラストがポンと飛び出し、前走逃げ切り勝ちのマイネルエパティカも一緒に先頭を伺います。
両者馬主が一緒みたいなものですので、きっちりと順番を守りながら最初のカーブへ。トラストは馬体を離してカーブをしました。

向正面に入り、マイネルエパティカが先頭で引っ張ります。
トラストが控えて2番手、少し離れてショワドゥロワ、外からオーバースペックが掛かり気味に上がっていきます。
ジュンヴァリアス、エルデュクラージュと続きます。

後方グループにブレスジャーニー、ムーヴザワールド、スワーヴリチャード。最後方にキングズラッシュという展開です。

道中トラストは掛かり気味でした。
オーバースペックも同じ。後方ではスワーヴリチャードも掛かり気味。
ただ、やはりスワーヴリチャードは抑えきった中、前の2頭は遮るものもなく、流れに乗ってしまいました。

道中が36.1 – 60.6。
馬場を考えると流れている方だと思います。
とはいえこれ位であれば我慢できる範囲でしょうが、トラストもオーバースペックも流れに自然と乗っている訳ではなく、抑えているのに…という状況ですので、苦しくはなります。

追いかけてしまっていい事はあまりありません。
前に行くのは良いことだと思いますが、自然に行きたい所です。
そういう意味では、掛かるのとは逆に道中促していたエルデュクラージュも好ましい雰囲気では無いと思います。

後ろの4頭はじっくりと構えていましたので、前の方に比べると不自然な感じはありませんでした。
無理しない所は無理しないというのは何事においても重要です。

3コーナー付近、1000m通過時点で先に動いたムーヴザワールド。
それを見る形でスワーヴリチャードも動きます。外から被せられたブレスジャーニー。
明確にワンテンポ遅らせていますが、そのために外の自由が無くなりました。本来は避けたいと思うものですけどね。少頭数だから捌ける自信があったのでしょうか?
追い込み馬だけに外のフリースペースは作っておきたいはずですが、自信があったんでしょうね。

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直線に入ります。
見ての通り緑帽子は白帽子より内側ですし、こっから前を捌かないといけません。
外が開くまで待ちながらブレスジャーニーは外へ持ち出します。

トラストはラチに頼る訳ではないので、芝の良い所を真っ直ぐ走るだけです。できませんでしたが。

ブレスジャーニーにとって1つ幸運なのは、スワーヴリチャードが早々にキングズラッシュを振り切ったおかげで、外が開きました。
もしもキングズラッシュがもっと抵抗して一気に離せなかったら、綺麗に開かなかったでしょう。

スワーヴリチャードは大きい馬ですが、追ってからの反応は鋭かったと思います。
もしかしたらもっと引き付けてムーヴザワールドを待っても良かったのかもしれません。そう思う位反応は素晴らしかったと思います。

ムーヴザワールドは逆に鈍いですね。
一度はスワーヴリチャード相手に後ろから抜かれた上に1馬身位離されてしまいました。
東京競馬場だとこの走りでOKですが、中山だとどうでしょうか?

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トラストが左鞭に反応して外へ外へ。
後ろのショワドゥロワとジュンヴァリアスがブレーキがかかりました。これで過怠金。
後ろの馬の脚がそんなに無かったので助かりましたが、結構迷惑かけてます。ラチ頼らないと今は心配でしょうね。これだと。

馬も疲れたんだと思いますが、1頭で真っ直ぐ走る難しさ。
ギャロップで左右に何もない状態で真っ直ぐ走るのは相当難しいとは思いますが、左鞭の印象が悪かったと思います。

スワーヴリチャードも最後外によれたりなんだりしていましたので、こちらも疲れたのかもしれません。

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左右にフラフラしながらも粘るトラストに襲い掛かるムーヴザワールド。
その外でこちらも外に膨れたスワーヴリチャードの後ろから、ブレスジャーニーが手前を替えて一気に加速しました。
この馬みたいなフライングチェンジをする馬は強いと思います。綺麗ですし。
逆にスワーヴリチャードは多分替えてないはず。その差は大きいかも。雰囲気は疲れた感じも出てるし、四位騎手は替えようとしてたと思うんですけどね。

最後は3頭が横一線に。良い絵です。

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ブレスジャーニーは小さいですがストライドも最後伸びて、待った分最後まで余力があったんだと思います。

逆にスワーヴリチャードは最後は上に跳ねるように走りが乱れてしまいました。
これは外から先に動いた分かな。力は十分見せましたし、この馬は無事に成長してもらいたいものです。

ムーヴザワールドもトラストに併せにいき、そこから外へでした。
前走もですが、馬群を縫うというか抜け出してくるパワーはありますし、負けたけど当然力差はありません。
ゴール直前で差し返しにいったのはとても気持ちの強い馬だと思いました。

柴田善臣騎手、キャットコイン以来の久々の重賞勝ちのゴールです。
ゴール前はライトが点灯していました。着差はクビですが、強い勝ち方でした。
勝ち時計の1:48.3も馬場を加味すると優秀ですし、この時期にやや重の馬場も経験をしているのはプラスです。

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血統は母の母の母がダイナカールなので、いいものを持っていると思います。
バトルプランの仔というのもあるでしょう、北海道サマーセール270万円の馬ですが、これで重賞2つ目。
時計も前走1:34.5、今回が1:48.3と悪くないですし、上がりも33秒台が出ています。
少なくともダービーまでは問題なくいい立場で出走できそうな雰囲気はあります。

パドックの感じはすごい強い感じは一切しませんが、走って良いタイプなんでしょうね。
450kg足らずでもストライドは大きく、内の2頭と50kg近く大きさに差があるとは思えませんでした。
ただ、追い出してからスピードに乗るまでの走りを見ていると、直線の長い競馬場向きでしょうね。

2着だったスワーヴリチャードの方は動き出してからの加速とかはとても良かったと思います。
1回中山で見てみたい1頭です。
最後疲れてしまった感じでしたが、上がり33.6はレース最速ですし、直線入り口からの反応は2頭より良かったです。
ここでの2着は大きい。これで皐月賞まで行ける可能性がありますし。

ムーヴザワールドは早めに動いた割に伸びだすのが遅いのが気にはなります。
パワーもあるし、前向きで素直だし、包まれてもへっちゃらでしょう。
ただ、特に中山辺りだと苦戦を強いられそうと感じます。
皐月賞は叩きでダービー1本狙いとかされると一発あるかもしれませんね。

キングズラッシュは2馬身半遅れましたが、悲観する程の内容ではありません。
ゴール前トラストを交わす事もできていますし、特に最後100mの脚は前の3頭と比べて全く引けを取りませんでした。
前走とは違う走りを試したのかもしれませんが、ちょっと後ろ過ぎましたね。
ペースも全然違うので、結果的にこうなったのかもしれませんが、次見てからで。

トラストはバテてしまいましたが、粘って1:49.0を切ってきました。
前を追いかけてしまっているので、もう逃げちゃえばいいんじゃないかなって思います。
スタートも良いし、スイスイ走って、最後まで諦めないので、下手に抑えるよりは気ままに走らせた方がいい結果が出そうですけどね。

オーバースペックは少なくとも今までのレースとは全く違う走りで4コーナーで既にバタバタ。
パドックから既に落ち着きもなく、返し馬もそんな調子だったので、本来の精神状態ではなかったかもしれません。残念な結果になりました。
追い込み勢が上位を占めているので、余計に。

 

まだまだ世代の力関係が不明瞭ですが、このレースの上位5頭はきっちりと走ると思います。
クラシックの掲示板内は問題なくいけそうな力はあるので、これから次第ですかね。
ワンアンドオンリーはここ6着でダービー勝ちましたし、これから成長次第で幾らでも変わりそうな着差ですし、レースでした。