アイビーS、富士S、第80回菊花賞 感想




2019 アイビーS(リステッド・東京・芝1800m・重)

ダービー馬候補ということで、ワーケアを見に。
別の用事があったのもあり、ここから観戦です。

返し馬の様子。
「三白眼なんだな。」位ですね。悪いかどうかこれだけで分かったら苦労しませんが、悪い印象はないです。圧倒的1番人気だし。

レースは「圧倒的1番人気」であることを存分に見せつけるように大外一気の上がり33.3で突き抜け。
2着のクリスティ(新馬でマイネルグリッドの2着)以下を全く問題にせず、悠々と駆け抜けていきました。

強いですね。このレースに関しては。

抜け出す時にやや手間取った印象はありますが、抜け出してからストライドが伸び、非常に小気味よいピッチで走ります。
レース振りなどは今更自分がどうのこうのいう事もありません。

ただ、自分の印象としては、同い年ならサリオスの方が迫力は感じました。
もっと言うと、ワグネリアンの東京スポーツ杯と比べ、同じレベルに感じたか?というとこの段階では向こうの方が上ですね。
あっちは現役ダービー馬ですので、比較対象がそれというのがそもそもすごいですが。。。

まぁ素人の第6感ですので、当てにはならないけど。
走りの素晴らしさが目立つ分、18頭捌くのに苦戦しそうなタイプには見えたのは事実ですね。

 

第22回富士S(G3・東京・芝1600m・稍重)

アドマイヤマーズが57kg、ノームコアが骨折明け、当てにならないレイエンダと上位人気が少し怪しい感じでしたが、終わってみたら2-3-4の人気で決着。
マジで上手すぎだろ、日本競馬ファン。
レッドオルガをしっかり4番人気にするのがすごいわ。「エリモピクシーだから」という強力なパワーがあるにしろ。

返し馬は適当にアドマイヤマーズとノームコアを。

アドマイヤマーズはいつもこんな感じなので、特に気になりませんでした。
口向きが返し馬から気になるのはいつも通りですし、ストライドが大きく、雰囲気はそこまで悪いとは思わなかったけど。うーん。

ノームコアは最後にゆっくり出てきて、ゴールのライトに照らされてブチ色が一層際立ちます。
無理せずにゆっくりとしたキャンターでしたが、行きたがる感じもなく、休み明けですが走れそうな雰囲気は感じました。

レースはアドマイヤマーズが内にささってどうしようもない感じで後方でもがいている中、各馬スローペースという事もあり余力十分の横一線からノームコア。
「またルメールか!」という方が先に来ました。

後方から上がり33.2でノームコア。
その後ろからスミヨン騎乗のレイエンダが33.0の末脚で内の連中を一気に飲み込みました。

クリノガウディ―、カテドラルといった3歳馬54kg勢もそこそこ走れているので、いいレースだったかなと思います。
アドマイヤマーズを除いて。

アドマイヤマーズは道中の行きっぷりも今一つで、なんせ直線の走りが悪すぎました。ここまで酷いと…。
追うとささってしまい、57kgとか関係ない感じの負け方。
共同通信杯では内からダノンキングリーに差されているので、真っ直ぐ走っていたはずですが、どうしたものか。

どちらにしても中団から外回して末脚勝負というのは全くこの馬の良さが出ないので、このペースなら前に行って仕掛けてどうかが見たかった。
調子が悪いとするならマイルCSは完全に消しのレース振りでしたが、微妙に追えなかった感じがする負け方だと判断に困ります。
スタート決めてある程度消耗戦に持ち込めれば、決して上の連中に簡単に負けるとは思えないので、自分は一旦レース不向きのため度外視、としておきます。

ノームコアはお姉さんとしてしっかりクロノジェネシスに続きました。
溜めれば切れますね。56kgでここまで走れればマイルCSも簡単に崩れないと思います。

レイエンダはエプソムカップは先行して押し切ったと思えば今回はほぼ最後方からの追い込み。何が得意なのかさっぱり分かりません。
毎回きちんと最後の脚は出ているので、多少渋った馬場+ややスローの流れというのが絶好なんでしょう。今のところは。

ディアドラが欧州で頑張っていますが、行くならこういう馬の方が見てる側は面白い。
ジャック・ル・マロワ賞とか、ムーラン・ド・ロンシャン賞とかに行けばいいのに。渋った馬場、スローで上がり勝負、少頭数。そしてスミヨン。追い込める。

レッドオルガはもうエリモピクシー万歳でいい気がする。
ヴィクトリアマイルはノームコアとほぼ同じ位置から上がりで完敗。
今回は2kg差があっても及ばず。ガチンコの力勝負は分が悪いですが、東京マイルはそうなる傾向なのでもどかしい。
去年とは馬の実績が違うものの、タイトルなしならハンデ55kgでは出られると思うので、そこなら勝ち切れる?かな。

 

第80回菊花賞(G1・京都・芝3000m・良)

馬券的にはトリガミでした。

レースそのものの印象は微妙ですね。強さとかレースの厳しさは置いておいて。「数年後覚えている菊花賞か?」と問われると「No」と答る人が多そう。
とはいえ武豊騎手の令和でのG1勝利ということで覚えている人もいるかな。
どちらにしてもインパクトという点では薄かったのは多くの方と一致しそうな菊花賞です。

シフルマンの出遅れから始まり、13秒台が1つも入らないという極めて特殊な流れで62.4-62.9-60.7=3:06.0。これはなかなか珍しい菊花賞です。
時計だけ言えば、多少雨が残っているであろう馬場を考えれば十分な水準だと思いますし、比較的道中厳しめに流れました。

ワールドプレミアは道中内をジックリ。
3コーナー過ぎからユニコーンライオンが失速したところを巡る争いで、ヴェロックスが閉めるも内が潰れてスペースが開いてしまいました。
ヒシゲッコウと併せる形になり、恐らく武豊騎手としてはもうワンテンポ待ちたかったでしょうが、待っていたらヒシゲッコウに入られてしまいます。
そこはスミヨン相手でも怯む人ではありません。4コーナーは外に膨れたヒシゲッコウに対し、京都の内を突いたワールドプレミア。
4コーナーの攻防は京都の癖を知っている人とそうでない人との差が出た感じがしました。
有馬記念に出てきてくれないかな。

この馬、2億4000万で取引された馬で、過去最も高いG1勝利となったらしい。
アドマイヤグルーヴ、サトノダイヤモンドを抜いて歴代第1位とのこと。これでもまだ赤字というのが恐ろしい。

サトノルークスは馬が良くなりましたね。
この調子ならサトノノブレスクラスまでは到達しそうな感じがします。
気分よく長めの距離をこれからも走れば、来年の春の天皇賞も面白そうな1頭です。

ヴェロックスはどうしたもんか。
道中は雰囲気が悪くなかったのに、4コーナーでモタモタ。
もちろんベストの距離はここではないのは重々承知しているものの、道中息の抜けないラップがじわじわとスタミナを奪ったかな。
2コーナー過ぎの雰囲気はとてもよく、3着以内は大丈夫だろうと思って見ていて、軸にしていたから直線焦りました。抜かれそうで。

ジャスタウェイは毎日王冠で覚醒しましたが、この馬ももしかしたらこういうレースじゃない方がいいのかも。
ただ、前向きな気性が難しくさせます。もう少しおっとりしていれば差しに転向もできそうですが、いっそ逃げてみたほうが…となる気性だから難しい。
キセキ路線も悪くなさそうですけどね。
こちらも有馬記念に出てきてほしいです。真っ向勝負より、紛れる可能性があるレースじゃないと現時点では勝ち切れない。
ジャスタウェイ産駒の重賞勝ちは近そうで遠い。

メロディーレーンは相当頑張った。上がり35.7が最速タイ。
長めの距離なら早々に自己条件は突破しそう。むしろアルゼンチン共和国杯とか出てみたらハンデも軽そうだし面白い気がしました。

自分はタガノディアマンテを穴で期待していたので、4コーナーで一瞬夢を見ました。
失速は仕方ない。外回っていたので、ペースが緩めば捲りが決まって一発あったかも。それ位道中の動きはよかったと思います。ペースに恵まれませんでしたね。

レッドジェニアルは京都ならと思っていましたが、こちらも気持ち距離が長い印象。まぁある程度分かっていた事です。同年代でも誤魔化せませんでした。
来年の日経新春杯とかでは積極的に狙いたい1頭です。
このまま終わるレベルの馬には見えませんので、これからでしょう。1800-2400ならそれなりに結果は残してくるはず。

 

ラップがいつもと違うので評価が記事毎にバラツキそうな菊花賞ですが、スタミナは問われたレースだったと思います。
ドラフトと一緒で、レベルなどを総括するのはまだ早い。来年の今頃「ああ、思ったより揃ったレースだったんだな」と思えばいいよ。