第86回日本ダービー 出走馬の印象と振り返り




令和元年のダービーです。

オークスの時点で既に並んでいる連中がいますので、さすがに当日適当に行ってどうなるレースではありません。
ある程度割り切って雰囲気を楽しむだけにするという位で行かないと、特にあまりG1経験が無い人は辛い。
至る所が混んでいますので、動かないのが一番です。「あいつ動かなくて何が楽しいの?」という偏見はレースの瞬間に「これだよ!」と解放すればいいだけです。
天気見る限り暑そう。馬は暑さに弱いため、大雨からの急激な気温上昇で体調を崩す馬も出てくるかも。

皐月賞のレーティングもそうですが、サートゥルナーリア、ヴェロックス、ダノンキングリーは本当に強いと思います。
この3頭が揃って崩れることは想像しにくく、堅い決着濃厚だと考えています。

オークスは2着がカレンブーケドールだったから多少荒れた感じでしたが、上位陣はしっかり走っています。
東京2400mで高速馬場だと誤魔化せません。

見た馬を中心に。
今年はしっかり回顧を書いていませんので、抜けはあります。

 

サートゥルナーリア(皐月賞馬)

ホープフルステークスと皐月賞の2回見ています。

出てきた印象は大きめのグローブシアター。
兄貴たちと比べて「特別感」は自分は感じませんでした。この時期エピファネイアもリオンディーズもすごかったし。シーザリオの仔では断トツという雰囲気はこの段階ではないですね。

とホープフルステークスでは返し馬の時に感じました。
あれだけしっかり走れていましたし、気性という点でも兄貴たちに比べてまだ大丈夫の方。

皐月賞の回顧ではというと、

落ち着いて道中走れていますし、ダービーの死角も現時点でほぼありません。大雨位でしょうかね。
レースは文句なし。時計的にもケチをつけるところがありません。

あれで文句を言っていたらキリがありませんので、特になし。

1つ気になることといえば、輪乗りが1頭外れたりするというのは、あまりいい傾向とは言えないかな。
皐月賞とは比較にならないスタンド前発走。
もちろん他の馬も条件は同じなのですが、前向きな気性が歓声で助長され、イレギュラーが起きないとも限りません。
幸いにもリオンリオンやロジャーバローズなどの先行馬がおり、超スロー濃厚ではないのもプラスになるかな。力を考えると大崩れみたいなシーンは想像できないですね。

ヴェロックス(皐月賞2着)

若駒Sも若葉Sも非常に強い勝ち方で、皐月賞で2着。
ここで初めて見て、とてもいい馬だなという印象を受けました。
ダービーで勝てなくても、将来的にはG1は取りそうな雰囲気はプンプン感じます。

ヴェロックスは負けたものの不利も少しあったため、ダービーで逆転も狙えるならこの馬しかおりません。
道中も先行して自分で動けますし、4コーナーですっと動いた反応も素晴らしい。
一度ダノンキングリーに前に行かれましたが、最後川田騎手がクビを押し込んで2着確保。
将来はキセキになるか、はたまたラブリーデイになるか。

こちらもある程度前に行って押し切るタイプです。

極端な上がり勝負とはしたくないでしょうね。
それでもしっかり34秒台と上がりの時計は出てますし、普通に走れればこちらも崩れる要素が少ない。

ただ、単純な早仕掛けで勝てる相手ではありません。少し枠順の利なり、相手のミスが欲しい。
自分の見立てというか、見た印象だと、サートゥルナーリアと1馬身程度の差は両者五分で走ってしまえば出てしまうと思っています。

ダノンキングリー(皐月賞3着)

走りそのものは一番好きです。非常に小気味よく、ストライドも伸びます。
共同通信杯での上がり32.9はそう容易く出るものではありません。

共同通信杯の印象はこんな感じ。

現時点でどこまでの大物感があるかは捉え方によりますが、自分の印象だと「当時のリアルスティールより1馬身上」位かなぁ。皐月賞連対級。
ドゥラメンテはあの時全く完成していないので「ドゥラメンテより強い」とかではないです。

皐月賞の時も変わらず強いと思いました。

スタートからしっかり走り、一切のロスなく駆け抜けました。タイム差なしですので、負けて強しの内容です。
東京に変わるのが明確にプラスとは言えないのがもどかしいですが、もっとキレ勝負となれば逆転してもおかしくないです。ダービーがスローなら共同通信杯の脚が使えるはず。

ただ、やはりここまでキレると、距離延長が果たして?というのは2頭に比べるとあるかなーと。
こちらはペースは少しスロー気味で一気の末脚勝負なら分がある印象です。
ただ、大外一気に突き抜けるイメージが自分はできず、ある程度内にこだわってほしい。エイシンフラッシュの天皇賞秋のイメージで。

好きな馬ではありますが、3強の中では東京2400mをガチンコで戦ってしまうと、誰かに先着されることもあるかもしれないと感じます。

リオンリオン(青葉賞1着)

青葉賞馬です。
面白いタイプですし、息子に乗り替わり。思い切って行っていい馬ですので、直線まで頑張ってくれるでしょう。

勝ったリオンリオンは面白いタイプの青葉賞馬です。
最後は止まりましたが、そこまでのレース運びは素晴らしいですし、横山騎手というのもあり、本番でも第2のマイスタイルとなりうる可能性を感じます。

ただ、感じた可能性はマイスタイルまで。
少なくともペルーサやフェノーメノ、アドミラブルなどに感じたものはなく、展開を作ってくれそうという位。
青葉賞馬としてダービー制覇を感じさせる勝ち方だったか?というと難しいと言わざるを得ません。

その勝ち時計2:25.0も通用するかどうかの瀬戸際。
青葉賞馬がダービーでも好走するかはきっちり離して勝利するか、もしくは好時計で走れるか?が多くの場合に該当する条件だと思っています。ウインバリアシオンだけがかなり例外で、他は大体そう。
そう考えるとハナ差、そしてやや重でも時計の出る馬場でラスト12.9。

ダービーで自分は△以上にすることはないです。

と結構悪く書いています。

青葉賞を例年見ていて、「おおー」と思った馬は大抵上位にきます。
今年については、レースは面白かったものの、自分の中では「迫力」という点でやや欠けていました。
マイスタイル、ペプチドアマゾンにはなれるかもしれませんが、それ以上となると…。

ランフォザローゼス(青葉賞2着)

2着の青葉賞ですが、外からなので見やすいのでこっちを。
勝ち馬にこの写真を採用すると何がなんだかわかりませんので。。。

ダイナカールの一族で血統は文句なし。
相手なりに走りそうで、スタミナはありそう。デビュー戦で上がり33.6出てるので、まぁ一応東京ならそこそこ走れると思います。

2着のランフォザローゼスは追ってからじわじわと伸び、バテずとも勝ち味の遅いプチ・エタリオウみたいなタイプとなっています。
相手なりに走りますので、ダービー大崩れもなさそうな馬ですが、現状これと言った強みが見当たりません。
先行出来て頑張れる位でしょうか。それで皐月賞上位3頭を逆転するとなると…。
血統は煌びやかですが、走りは地味。追走も楽にできていますし、道中の走りに無理がないのはプラスです。ただ、タイプは菊花賞ですね。

と可もなく不可もない回顧をしています。
京成杯の時は、、、

直線でよれましたが、コーナー含めて走りは悪くありません。第二のジェネラーレウーノ臭はします。
勝ち切るにはパンチ不足は否めないですが、相手なりにしっかり走れそうです。
クラシックで誰が乗るか分かりませんが、ある程度先行がしっかりできる強気な騎手に乗ってほしいな。

という感じ。
溜めても仕方ないので、ある程度積極的に走って粘りこんで欲しいです。福永騎手は合いそう。

ダノンチェイサー(きさらぎ賞1着)

NHKマイルカップからの参戦です。

ぶつけられても怯まずに押し返していますし、最後まで止まらずに走っています。
不利はありなしに関わらずアドマイヤマーズにはやられていると思いますが、カテドラルに0.2秒も負けることはなかったでしょうね。
一介のマイラーではないと思います。レース運びもいいですし、4コーナーから直線での加速も素晴らしい。是非アルアイン路線で頑張ってもらいたい。

という印象ですので、マイラーって感じはしません。
こちらも先行してきっちり走れるタイプです。今年は割とそういう馬が多い。

アルアインもロゴタイプも最後ちょっと止まりました。
その馬たちより現時点で上という印象が無いため、2つ位何かプラスとなるものが欲しい。
アドマイヤマーズ相手にガチンコでは苦しい馬なので、皐月賞3頭を逆転するとなると…。ただ、スピードはあるし、しっかり動けるタイプなので、直線半ばまで見せ場はありそう。

アドマイヤジャスタ(ホープフルS2着)

ホープフルS2着です。
すみれS→皐月賞と不本意なレースが続いていますが、そんなに弱っちいタイプではないと思っています。

2着のアドマイヤジャスタは負けたもののこの上ない走り。前走の出遅れに近いスタートではなかったので、このスタートは続けてほしいです。
サートゥルナーリアには完成度の違いで負けただけで、ニシノデイジーに先着をしているのは立派。
アドマイヤラクティの下でもありますし、ハーツクライからジャスタウェイに変わったものの同じ系列ですし、長い方が得意そう。
春にサートゥルナーリアに逆転できるイメージはないものの、秋には大きい所を狙える可能性は十分感じました。

とホープフルステークスで書いています。春は逆転のイメージが出来ないのは今も一緒。
ただし、紛れれば前提で。
追い込んだ皐月賞もいいですが、デムーロ騎手となり、スタミナ勝負で早めに動いてほしいです。大外枠ではなく、少し内目なら。

レッドジェニアル(京都新聞杯1着)

写真無しです。見たことない。関西の馬だから仕方ないね。

前走は人気ないものの、上がり34.7で突き抜け、ロジャーバローズをクビ差の差し切り。
お母さんはフローラS勝利後にオークスでも人気になったレッドアゲート。

ここに来てグッと急上昇した馬はクラシックでも好走するイメージですので、今年はこの馬は怖い。
人気がないでしょうし、きっちり溜めて追い込んで欲しいです。

しっかりとした時計で走っていますし、人気の盲点になるならこのタイプかなー。

シュヴァルツリーゼ(弥生賞2着)

皐月賞は12着。

弥生賞の時はこんな感じの印象でした。

2着のシュヴァルツリーゼが自分の中では一気に浮上してきました。
これは走りがいいですね。デビュー戦の時もそうでしたが、今日の馬場は一見難しそうでも最後素晴らしい末脚でした。上がり36.2は断トツ。
道中のんびり屋さんっぽいので、皐月賞だとセカセカしそうですが、ダービーは面白い存在になるかもしれません。

皐月賞ではというと、

馬が若いで済ませるのは簡単ですが、クラシックの時期です。将来精神的に成長する保証もないので、G1だと力を発揮できずに終わる可能性もあります。
少頭数で大外ぶん回せればという条件付きで狙うしかないかな。少なくとも今は。

イメージは皐月賞よりダービー。
内枠で器用な事をせずに、適当に下げて、大外ぶん回していくしかありません。ダービーでは珍しい外枠が欲しいタイプ。
デビュー戦の走りは素晴らしかったので、あれが炸裂すれば面白い1頭です。ただ、条件が多すぎる気がするけど。

クラージュゲリエ(皐月賞5着)

皐月賞はいい走りでした。

クラージュゲリエは道中共同通信杯はもっさりしていましたが、今回はピリッとしていました。騎手との相性が良さそう。
最後離されていますが、頑張っていました。クリンチャーとかダンビュライトとかステファノスみたいな戦績になりそうな。

皐月賞の3頭と比べると見劣るのは仕方ないにしろ、それを除けば最先着で6着ともきっちり差をつけています。
アドマイヤマーズと1馬身半ならここでは上位。距離延長+東京は間違いなくプラスなので、スルッと3着はあるかも。

 

今のところの予想

大きく変わることはないと思いますが、サートゥルナーリアから3連複フォーメーション。
ヴェロックス、ダノンキングリーが相手。
3番手候補がここに書いた馬。