写真で振り返る 第79回皐月賞 レース回顧




レース

スタートは大体揃いました。
サートゥルナーリアは素晴らしいスタート。ヴェロックスは少し悪いですがすぐリカバリーしました。
メイショウテンゲンが下げます。外でアドマイヤジャスタも後ろに。大体五分です。

ダノンキングリーが内でアドマイヤマーズより前に行きました。
やや押し気味でランスオブプラーナに外からダディーズマインドも前に。弥生賞で逃げたラストドラフトは中団から。

サートゥルナーリアは中団から。
内にヴェロックスを見ています。

掛かり気味という感じはせず、この段階では100点でしょう。早々に外に自由があります。
アドマイヤマーズも共同通信杯は逃げましたが、今回は最内から少しポジションを取りに行ったもののダノンキングリーの後ろに。

エピファネイアもリオンディーズも皐月賞の1コーナー付近は荒れていた印象がありますが、この子はおとなしく走っています。
枠順も外の馬が被せるのもダディーズマインド以外おらず、下手に内枠よりは恵まれていました。
気性の心配だけが戦前気になっていましたが、返し馬同様に喧嘩する様子が全くなく、それでいて適度に前進気鋭もあるので、コントロールしやすいでしょうね。

ニシノデイジーがその後ろから進みます。

1コーナーでやや土を巻上げながら走る各馬です。
各馬ほぼ出たなりに走っていますが、後方でアドマイヤジャスタだけが内にスーッと。岩田騎手らしいコース取りでした。

各馬桜の花びらの残る向正面へ。
ランスオブプラーナが先頭で走り、ダディーズマインド2番手でクリノガウディーが3番手。

その後ろに人気馬各馬。
内でじっくりとダノンキングリーにアドマイヤマーズ、ヴェロックスと続きます。
ロスなく進めているファンタジストとクラージュゲリエ、外目ヴェロックスの真後ろにサートゥルナーリア。外からニシノデイジー。

中団内にシュヴァルツリーゼがおり、ラストドラフト、今回は後ろからとなったサトノルークス。
後方にブレイキングドーンとナイママ、アドマイヤジャスタにタガノディアマンテ。最後方にメイショウテンゲンという展開です。

ペースは皐月賞ともなれば流れて34.8-46.6-59.1。
それもそうですが、2F目の10.5というのが皐月賞では見たことない数字です。
ランスオブプラーナが小気味よく走っていたので、結果を見ると最初から厳しい流れにしてしまいましたね。

向正面の1000m通過地点付近で一度息を入れましたが、全体的に流れた皐月賞です。

落ち着いた所でアドマイヤマーズが持っていかれていますので、この馬はNHKマイルカップというのは正しいでしょう。
スピードタイプなのは結構ですが、2000mでこの感じだと将来的に距離延長がプラスになるとは思いません。

シュヴァルツリーゼも首を上げて御するのに苦戦していますが、この馬は仕方ない。
ニシノデイジーも同じような感じ。ペース関係なく「前を追いかける」というタイプになっていますね。
レースレベルが上がっているので、ラストドラフトやサトノルークス、メイショウテンゲンといった馬も追走に苦戦します。
スピードの基礎能力が問われる皐月賞。誤魔化しがききません。

3~4コーナー。
例年葉桜となる皐月賞ですが、違う景色。

ランスオブプラーナが前半の無理が祟って失速する中、ダディーズマインドが先頭に立ちます。
その外からクリノガウディーも早めに並びかけ、人気3頭がその後ろに。そこから離れることなく、しっかり追走するサートゥルナーリア。

4コーナーで先頭集団を飲み込むヴェロックスとその外からヒタヒタと進むサートゥルナーリア。
外から被せる馬もおらず、大外でもないのに外枠の利を十分すぎるほど享受できました。まぁサートゥルナーリアを被せられる馬がいるのか?って話はありますが…。

後方でメイショウテンゲンの三浦騎手がまるでガッツポーズのような右鞭。
これだけ切り取るとビリなのにガッツポーズをしてふざけているように見えますが、追っていますので安心してください。

ダノンキングリーは全く位置取りを変えずに内。
アドマイヤマーズは先に外をヴェロックスに取られ、前にはクリノガウディーがおり、ワンテンポ加速が遅れました。

直線は早々とヴェロックスが先頭に立ちます。
その後ろからサートゥルナーリアとアドマイヤマーズの2歳G1馬。ランスオブプラーナが遅れた位置をするするとダノンキングリー。

後方でシュヴァルツリーゼがとんでもない走りになっていますが、この馬であの狭い場所を抜けるのは無理です。

ファンタジストは道中悪い位置ではありませんでしたが、直線すぐに離されて終了。
武豊騎手もコメント出していますが、距離不安が出ましたかね。道中はゆったり走れる馬ですが、やはりこのレベルのレースで追走して疲れてしまったかも。残り200mで完全に止まりました。
ダービーは当然マイナスの馬ですので、NHKマイルカップ路線ですかね。今年はそっちに流れる馬が多そうで面白くなりそう。

シュヴァルツリーゼも弥生賞の時は荒削りでいい走りでしたが、今回は内を抜こうとしてバラバラに。
馬が若いで済ませるのは簡単ですが、クラシックの時期です。将来精神的に成長する保証もないので、G1だと力を発揮できずに終わる可能性もあります。
少頭数で大外ぶん回せればという条件付きで狙うしかないかな。少なくとも今は。

ニシノデイジーは全くレースに参加できず。追走してきただけ。
道中の走りを見ていると、できそうなのは距離短縮位。ある程度時計が出る馬場の方がいいと思い、馬場としては今回の方がプラスになると思いましたが、弥生賞で何かが狂ったかも。
勝負所で内でラストドラフト、外のタガノディアマンテに無抵抗で抜かれてしまっては春は苦しいと言わざるを得ないです。

ダノンキングリーも内から抜け出します。
アドマイヤマーズも前が空いていますので追いかけますが差が詰まりません。

ラストドラフトも右端でまだ粘っていますが前との差はありました。
力通り、時計通り走り切ったものの、力の差がありました。最低限7着、最低限1:59.0。ダービーで逆転満塁ホームランのイメージはわかないですが、3着滑り込みはメンバー次第では、ですね。

アドマイヤジャスタは追い込んだものの8着まで。
この馬も春逆転は厳しいかな。距離延長はプラスのハズですので、一発あれば。なんとか1:59.0で走り切れたので、チャンスが無いわけではないです。ラストドラフトと同じ。
菊花賞は超面白そうなんですけどね。。。

もう1頭のアドマイヤ。マーズも頑張っていたものの上がり34.9止まりの0.4秒差4着。
坂を上ってからストライドが鈍ったので、距離をこなす感じはしませんでした。共同通信杯の時は持ちそうな気がしたんですけどね。
NHKマイルカップは大正解ですし、グランアレグリアの庭であろう東京マイルでどう戦いますかね。
キレ勝負だと苦しいので、遅ければ自分で作る位の事しないと共同通信杯の二の舞になってしまいます。

3頭の激しいデッドヒート。
サートゥルナーリアはルメール騎手の左鞭に反応して内に。
ヴェロックスが外にもたれていたので、「ヴェロックスも少し悪いよね」という印象を与えましたかね。ヴェロックスが真っすぐ走っていればもしかしたら審議→逆転と言われたかも。

ダノンキングリーは馬体を離し、最内をしっかり伸びました。
上がりはサートゥルナーリア、ヴェロックスに劣る34.5。内の選択は間違いないですし、コース取りも文句なし。
スタートからしっかり走り、一切のロスなく駆け抜けました。タイム差なしですので、負けて強しの内容です。
東京に変わるのが明確にプラスとは言えないのがもどかしいですが、もっとキレ勝負となれば逆転してもおかしくないです。ダービーがスローなら共同通信杯の脚が使えるはず。
マイルの方がいいとも言えず、多分この位の距離が良い。昨年のエポカドーロみたいな。

ダノンキングリー→アドマイヤマーズ→クラージュゲリエと並んだように、あの共同通信杯はレベルが高いものでした。
クラージュゲリエに他の馬が悉く負けたように、弥生賞もスプリングSも毎日杯も逆転できる馬が出現しませんでしたね。エメラルファイトが5着に入れたかどうかというラインですね。

クラージュゲリエは道中共同通信杯はもっさりしていましたが、今回はピリッとしていました。騎手との相性が良さそう。
最後離されていますが、頑張っていました。クリンチャーとかダンビュライトとかステファノスみたいな戦績になりそうな。

若干ぶれているけど、良い絵なので。
サートゥルナーリア、ヴェロックス、ダノンキングリーの3頭並び。一番外から抜け出したので、絵としては映えます。

ヴェロックスは負けたものの不利も少しあったため、ダービーで逆転も狙えるならこの馬しかおりません。
道中も先行して自分で動けますし、4コーナーですっと動いた反応も素晴らしい。
一度ダノンキングリーに前に行かれましたが、最後川田騎手がクビを押し込んで2着確保。
将来はキセキになるか、はたまたラブリーデイになるか。
なんせこの勝負服。G1を勝ちそうな気がしてなりません。

 

偉大な兄を超える可能性を十分感じさせるゴール前。
大外から軽やかに上がり34.1でぶち抜きました。
リオンディーズが降着になっているので、「またこの一族が…」と頭を過りましたが、なんとかセーフ。着差が着差だけにもう一歩前に行ったら完全にアウトだったはずです。ヴェロックスが強くて並ぶまでだったのも助かりましたね。

落ち着いて道中走れていますし、ダービーの死角も現時点でほぼありません。大雨位でしょうかね。
レースは文句なし。時計的にもケチをつけるところがありません。

リオンディーズは柔らかくストライドが大きく伸びて推進するタイプ。
エピファネイアは比較的走りが硬いタイプで、キレ負けるけど大きくラップ落ちしないタイプ。
こちらは見た目のイメージだとリオンディーズ60%、エピファネイア40%という割合に見えました。
32秒台の脚は使う事はなさそうだけど、平均的に道中5番手から33秒台が東京なら出るという超ハイレベルな先行馬として君臨しそう。身体が無事なら。

春のクラシック第一弾はどちらも昨年末からのぶっつけ。ダノンキングリーもアドマイヤマーズもクラージュゲリエも共同通信杯から。
いわゆるトライアル組を完全に叩きのめしました。

平成最後の皐月賞。仕上げやトライアル含め、徐々に変わってきた印象を受けました。
最近の弥生賞組と共同通信杯組は皐月賞に関しては逆転しています。

トライアルで有力馬が絞られていく感じは令和では味わえないかもしれませんね。
ま、変わらないだけでは取り残されるだけです。変わるのOK。そうやって新しい時代は作られていくものですから。




4 件のコメント

  • 昨年偶々拝見して以来、楽しみに読ませていただいておりました。
    写真を使い乗馬経験者の視点からのレース回顧は特に新鮮で読みながら相槌を打ってしまいます。
    これだけ中身の濃いブログを書かれるのはとても大変かと思います。
    書けるときに書いていただけると幸いです。また楽しみにしています。

    • ありがとうございます。
      そう言って頂ける人がいるだけで感謝です。
      まー書ける時だけにはなりますが、細々と続ける予定です。
      春のG1シリーズは行ったら書こうと思いますので、いらっしゃって下さいませ。

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