米サンタアニタ競馬場が開催中止。少し調べてみましょう。

昨日自分は以下のような記事を書きました。

馬場論争について思うこと

2019.03.06

そんな中飛び込んできたニュース。
北米有数の競馬場であるサンタアニタパーク競馬場が無期限で停止となりました。
故障馬続出…米サンタアニタ競馬場が開催中止へ

今週末にはサンタアニタH(G1)や、BCジュベナイルの勝ち馬で無敗のGame Winner(ゲームウィナー)の年明け初戦を予定していたサンフェリペS(G2)も延期に。こりゃケンタッキーダービー路線が混迷するかな。

トレーニングができないので、各馬の移動も大変そう。
ロスアラミトス競馬場で300頭位の空きがある(スペースがある?必要い応じて駐車場も使うとか。)で受け入れ態勢を整えているらしい。
https://www.bloodhorse.com/horse-racing/articles/232388/santa-anita-cancels-racing-indefinitely

まぁどちらにしても人も馬も大変です。

「12月末から21頭が死亡。」

これだけ聞くとどんなものなのかわかりません。
ちなみに、21頭の内訳は公開されています。

A total of 21 horses have died since the racetrack’s winter meet began on Dec. 26. Of that number, seven deaths have occurred during a race on the dirt, five have occurred on turf and nine came during training on dirt.

https://sports.nbcsports.com/2019/03/05/twenty-first-horse-sustains-fatal-injury-at-santa-anita/

7頭がダートのレース。
5頭が芝。
9頭がダートの調教中。

一般的に芝よりダートの方が故障率が高いのはデータが出ていますので、これに違和感は特にありません。この傾向はいつも通り。
(日本だと逆のイメージばかり先行していますが、ロンジンのデータでも逆転なんてありません。これは事実。)

12月26日からサンタアニタパーク競馬場では41日開催で377レースが行われました。
レースでの事故率は色々出ていますので仮の計算をします。
仮に1レース10頭で計算すると、12頭÷3770頭(延べ)=3.18%(推定)

これはちと高いな。。。確かに。
ただ、極端な異常値なのか?はもう少し検証が必要です。

昨年の実績は以下の通りです。
至る所で引用されていますので、少し調べれば出てくる値です。

In 2017, 20 deaths occurred among a total of 8,463 starts over a span of 122 racing days at Santa Anita, according to the most recent figures compiled by The Jockey Club.

https://sports.nbcsports.com/2019/03/05/twenty-first-horse-sustains-fatal-injury-at-santa-anita/

122日開催で8463頭出走で死んでしまったのは20頭。
割合で言えば2.36%。これが昨年実績です。これも結構高いです。

日本は昨日調べた限りだと予後不良は10日360レースで4頭(3頭だったか?)。
日本は頭数が多いので、1レース14頭で計算しましたが、仮に4頭でも0.79%。英国と同じくらいですね。

もいっちょ引用すると、、、

There were 1.61 deaths per 1,000 starts in the U.S. in 2017, according to the most recent figures from the Equine Injury Database, compiled by The Jockey Club. That was a slight increase in the rate of fatal injury compared to 2016, when there were 1.54 deaths per 1,000 starts.

The majority of those deaths occurred on dirt surfaces (1.74 per 1,000 starts) compared to turf (1.36).

これが北米のデータです。
2017年はこの計算で1.61が全米平均ですので、サンタアニタパーク競馬場はもともと怪我が多い競馬場です。2016年は1.54。
ちなみに、ダートが1.74で芝が1.36。

まぁ今回の3か月で21頭はさすがに少ないとは言えません。
レースだけだと12頭です。122日開催とすると1/3消化して、このペースだと確かにざっくり3倍すると36頭。ぶっちぎりのレコード更新となります。

The 21 equine fatalities eclipses the total of 20 suffered in 2017 when the track raced 122 days, according to the Equine Injury Database. The 2017 figures are the latest available. Since records have been published in 2009, fatalities have ranged from a low of five in 2009 when the track had a synthetic surface, to a high of 25 in 2016.

https://www.thoroughbreddailynews.com/report-santa-anita-cancels-racing-indefinitely/

書いてある通り、記録に残る2009年以降、最低が2009年の5頭で最高が2016年の25頭。
いや、でも25頭も相当多いですので、こういうのが積み重なっての、今回なんでしょうね。

During the same December-to-February period a year ago, 10 horses died at Santa Anita, in 2016-17 there were eight and in 2015-16 there were 14, according to the Los Angeles Times.

https://sports.nbcsports.com/2019/03/05/twenty-first-horse-sustains-fatal-injury-at-santa-anita/

となっており、昨年の同時期で言えば、10頭、一昨年が8頭、その前は14頭。
21頭位で何を…と思う数字ですが、10代と20代の差は結構あるのかも。印象的にね。

なお、サンタアニタでは調教での事故含め、以下の通り。

Santa Anita averaged more than 55 horse deaths per year from 2008-18, according to data from the California Horse Racing Board — a total of 553 deaths in all.

https://sports.nbcsports.com/2019/03/05/twenty-first-horse-sustains-fatal-injury-at-santa-anita/

平均で55頭。
合計で553頭が死んでしまっています。切ない。。。

統計になるとただの数字ですので、無機質のまま進みますが、残りの開催日程と調教は数は減らないでしょう。
ざっくりこのペースでいけば平均は優に超えて80頭位で着地しそうな雰囲気があります。
平均を大きく超えますので、さすがに「異常値」と言わざるを得ないのかなー。

原因の1つに雨も多かったというのも言われています。

Tuesday’s fatality tragically continued a run of equine deaths at the racetrack near Los Angeles that has accompanied an abnormally high amount of recent rain. According to the Associated Press, the rainfall total for Santa Anita reached 11 1/2 inches in February.

https://www.courier-journal.com/story/sports/horses/2019/03/05/santa-anita-suffers-21st-horse-fatality-since-december-26th/3072403002/

AP通信によると2月の降水量が11.5インチ=292.1mmですので、結構降ってますね。
平均を調べると2月頃は一番多くて85mm位が平年らしい。そう考えると、かなりだ。
馬場は悪化した方が危険なので、確かに運もなかったのかも。

 

「100%となるまで」というコメントが出ていますので、ブリーダーズカップはどうするんでしょうかね?
そこまでは心配しても先+他国+競馬の話ですので、自分の仕事と外国なら北朝鮮問題などをもっと心配した方がよさそうではありますが、競馬ファンとして気になります。

とはいえまだチケットは売っています。
http://www.breederscup.com/tickets/dining/trackside-dining

4シート掛けの2日セットで「Two-Day Package: $1,050 per seat」
相変わらずたっけーな。