写真で振り返る 第53回共同通信杯 レース回顧




レース

スタートは五分。

フォッサマグナがアドマイヤマーズに体当たりしていましたが、アドマイヤマーズの体幹が強いのかびくともしません。
大外ゲバラがそっと出た以外は各馬揃った綺麗なスタートです。ダノンキングリーもいいスタート。

さて、誰が逃げるのか?と思っていたらまぁデイリー杯でもこんな感じだったのもあり、アドマイヤマーズが先手を取りました。
フォッサマグナ、ダノンキングリー、クラージュゲリエと人気馬が前に行きます。アメリカ競馬っぽい。

最初のコーナーでダノンキングリーが一瞬前を追いかけるように反応しましたが、アドマイヤマーズの後ろに入ってすんなりと落ち着きました。
ガッシリ手綱を抑えてアドマイヤマーズが先頭で走ります。

道中はこの頭数ですからね。
3コーナーに向かう前にナイママが1回馬群から離して外に行き、そこから内に切れ込む感じで前に行きました。
よくデットーリ騎手とかがやりますね。ハイランドリールとかもやってたな。たまに欧州では見かけます。

外から並ばれてもフォッサマグナは影響があったようには見えませんので、この位ならどうってことないんでしょう。
行きっぷりは変わらず良く、手綱は抑えていますが、引っかかっているようには見えません。

道中で気になったのはクラージュゲリエだけ長手綱でだらんと手綱がなっていました。
ペースは37.1-49.5-61.5ですので、馬場を考えればかなりスロー。
過去37.0を超えた共同通信杯はあのディープブリランテがまさかの逃げを打ち、ゴールドシップが差した2012年以来。平成になって2例目です。

なので、アドマイヤマーズもフォッサマグナもダノンキングリーもガシッと抑えている中、クラージュゲリエだけダラダラで走れています。
このペースでこんな感じで走れているということは、距離が大幅に短いんじゃなかろうか?

アドマイヤマーズはしっかり逃げられていますし、戸惑っている様子もありません。
この馬も短めの距離が良さそうな血統ではありますが、決してそんな感じはしませんでした。

4コーナーにかけて徐々にペースが上がります。
500m以上先の4コーナー。絵は苦しい。クラージュゲリエが追い出しにかかり、ダノンキングリーは内でじっくり構えています。

直線に入り、アドマイヤマーズが手応え十分で走ります。
さすがに2歳チャンピオンです。どっからでもかかってきなさいということでしょう。内にもスペースが出来ていますので、ダノンキングリーはそこに。
クラージュゲリエはナイママの外へ持ち出しながら直線へ。

7頭立てですので、有利不利はなく、横一線です。

クラージュゲリエがナイママの外へ出すときにロスがあった、と捉えたい気持ちは分からないでもないですが、誤差。
道中はじっくり走り、4コーナーで追い出し。直線で外へ。
直線は超高速ラップが刻まれていますので、前を捕まえるのは簡単じゃないです。必死で食らいついていました。

結果57kgでアドマイヤマーズから4馬身差の3着でしたが、反応を見ると距離が短いのと、ここまでの上がり勝負となると厳しい。
それでも、フォッサマグナを最後交わす脚は見るものがありました。
手前を替えてから最後もう1回加速したので、重賞勝ち馬の底力を見ました。

ただ、皐月賞で逆転のタイプじゃないですね。
菊花賞で面白そうなタイプですので、皐月賞とダービーではそこそこ走って菊花賞で…という馬かな。現時点の評価だと。この春にアドマイヤマーズを逆転するのは厳しそう。

途中から2頭のレースになってしまいますので、あまり写真的には面白くない。

途中までフォッサマグナも頑張っていました。
ただ、やはり現状の力としては及ばず。

ラスト急激にダウンしたので、War Front産駒と行きっぷりの良い気性を考えると、この日の500万下の1400m戦でみたかったな。
あのレースなら、逃げて圧勝したかもしれない。
下手に差し馬にするくらいなら、このスピードと気性を生かしてマイルまでである程度先行して押し切るタイプに成長してもらいたいが…。
力通りには走っていますし、悲観する内容じゃないので、NHKマイルカップのゲートには入ってほしい1頭です。

アドマイヤマーズとダノンキングリーの一騎打ちになります。

アドマイヤマーズは負けてしまいましたが、いい馬ですねー。
尻尾までピンとして、そこに勝気な性格が出ているようです。
並ばれて、一度完全に前に出られて、右鞭で再度差を詰める走り。負けず嫌いですね。

走りにはスピード感がないですが、大きなストライドで頑張ります。478kgより大きく見える素晴らしい走りと勝負根性。
この手の極端な上がり勝負には血統的にも向かないと思います。
それでも後続をどんどん離しましたし、道中も手綱こそガッシリ抑えてあまり長い距離はプラスにはならないように見えますが、同年代のダービーまでなら問題ない。

サートゥルナーリアが断然みたいな年末でもアドマイヤマーズの方がレーティングも上だったように、皐月賞はこっちの方が魅力的。
時計勝負ができるタイプなので、皐月賞は良馬場で1:58.0付近の戦いになれば、押し切れる気がします。根性ありますし。
NHKマイルカップなら確勝級。もしマイルに振るなら安田記念にも挑戦してほしい位の馬に見えました。

そのアドマイヤマーズを抜き、上がり32.9という猛烈な末脚でゴールに向かうダノンキングリー。

ひいらぎ賞でも素晴らしい勝ち方でしたが、やはりというか、文句なしの勝利です。
ディープの仔らしい走りです。クビの使い方とか、後脚のノビとか。

内でじっくりでき、この馬場で能力全開できる少頭数というのもプラスでした。
ストームキャット×ディープインパクトですので、この勝負になればアドマイヤマーズよりは分がありましたね。それでも32.9は驚きですが。

勝ち時計の1:46.8はペースを考えれば上出来。
むしろよくここまで巻き返しました。なかなか1:47.0を切れないのが普通の共同通信杯を考えると、相当いい数字なのですが、馬場がいいからな。

現時点でどこまでの大物感があるかは捉え方によりますが、自分の印象だと「当時のリアルスティールより1馬身上」位かなぁ。皐月賞連対級。
ドゥラメンテはあの時全く完成していないので「ドゥラメンテより強い」とかではないです。
アドマイヤマーズの方がレースに幅がありそうなので、自分としては着差と末脚に引っ張られそうですが、互角に見ています。

ゴールの時はちょいブレ。速いからね。馬って。

レーティングが気になりますね。
クラージュゲリエが大体力通り(2歳時109)で走っていると思いますので、アドマイヤマーズ(2歳時116)とG3であることを加味して多分ダノンキングリーとアドマイヤマーズが114ポンド。

サトノダイヤモンドのきさらぎ賞が113。
3歳のG3で出る数字ではないですが、辻褄が合わないので仕方ない。自分がハンデキャッパーならそうするしかないです。
弥生賞の勝ち馬と勝ち方次第では、こちらの方がレーティングが上になる可能性があります。

サートゥルナーリアがぶっつけ皐月賞なのでどういう人気になるかなぁ。ダノンチェイサーもぶっつけだし。
この2頭だってそうでしょ、多分だけど。
そうなると、全く未知のままヴェロックスやラストドラフトと戦う事になり、皐月賞で力関係を読み違えたら大きく荒れそう。

今日のレースを見る限り、皐月賞は「アドマイヤマーズに先着できそうな馬」で探せばいいと思います。
そうなると少なくなりますね。

 

ライバルが並んでダノンキングリーに話しかけているかのような絵。
前半ゆっくりだったし、「みんなでゴールしようって言ったじゃん。」というマラソン大会の練習みたいな話をしているのかな???