第19回チャンピオンズカップ レース回顧




第19回チャンピオンズカップ(G1・中京・ダート1800m・良)

2018年も師走になりました。
至る所でクリスマスに関するモノを目にしますし、M-1グランプリも。そんな季節です。

馬場状態は同日の2Rの古馬500万下の時計が1:53.0とか出ていますし、大体例年通りです。
大体1:50.5付近では決まってほしい。

ある程度前に行った馬が頑張っている印象で、当然ですがどん尻強襲は難しい。
それは馬場関係ないですけどね。

予想はこちら。

第19回チャンピオンズカップ 展開予想

2018.11.30

ケイティブレイブがプラス10kgとデビュー以来最高体重での出走です。
G1のパドックは皆さんとても綺麗です。
アンジュデジールがキビキビいい感じに見えました。買い目に加えて観戦。

と、ここまでがレース前に書いた下書き。ここからレースの回顧+感想です。
やはり予想は予想でしかありませんね。展開予想は覆るものです。

注目のスタートは最内の下からの映像という事もあり、否が応でも内側を注目する事になります。

ポンと出た最内のアンジュデジールとほぼ差のないスタートを切ったルヴァンスレーヴ。
外枠ピンク帽子2頭も積極的だったのもあったのでしょう、サンライズソアは抵抗することもせず、外の馬を行かせて下げました。

ケイティブレイブは行きっぷりがあまり良くない印象です。もっとスッと中団外を取れても良かったものの、あまりいい雰囲気ではありません。
サンライズノヴァもでしたが、ウェスタールンドもスタートから行く気配もなく腹を括った追い込み。
ノンコノユメもやや促しながら後方なのはこの馬のいつも通り。

ヒラボクラターシュがインカンテーションの前に行きましたが、アンジュデジールが先頭で1コーナーへ。
ルヴァンスレーヴは包まれるのが心配でしたが、パヴェルも下げたのもあり、行きっぷり十分の3番手内側に収まりました。

「①ペースが遅くなりそう+②スタート遅れたら包まれそう=ルヴァンスレーヴは▲まで」というのは②が成り立ってこそです。
アンジュデジールが先頭という事を考えれば①はほぼ確実。
②がズタズタに崩れていますので予想としては失敗です。見事ですね。競馬予想なんぞ裏切られてこそです。予定調和では面白くない。

向正面に入りアンジュデジールが気持ち良さそうに走っています。
12.8 – 11.2 – 13.1という入りですので、想定通りのスローペース。前半37.1というのはチャンピオンズカップではホッコータルマエが勝った時の37.5以来。
その時も先行した馬達であっさり決まりましたので、この流れだとあまり後方から追い込むには辛い流れになっています。

アンジュデジールのすぐ後ろとかならまだストレスもかかったでしょうが、少し離れていたので丁度いいペースメーカー役のように使っていたルヴァンスレーヴ。
手綱をガッシリ抑え、いつでも弾ける事ができそうな前半。いい雰囲気で追走していました。

ヒラボクラターシュとインカンテーションが続き、パヴェルが長手綱でゆったり気味に追走し、外からサンライズソア。
ミツバが外から内でアスカノロマン、その間にケイティブレイブ。予想より2列くらい後ろを走っています。

外からオメガパフュームがおり、センチュリオン、アポロケンタッキーが外から追走。
追い込み勢ではサンライズノヴァが前にいて、ノンコノユメ。そこから4馬身位離れてウェスタールンドという展開です。

ペースは61.9で前半1000mを通過。
予想より気持ち遅めではありますが、想定から外れた位ではありません。先行馬がかなり粘れそうな流れです。
1000m通過した時から後ろも徐々にペースを上げ、アスカノロマン、センチュリオンが内から。ケイティブレイブも少し前に。
馬群が3コーナーから徐々に詰まります。

ウェスタールンドは後方に抑えて離れた位置から一気にスパートをし、スピードを落とさずに内を突いて順位を上げるお手本のような走りで4コーナーに。
これも本当に綺麗に最内を走ってきました。

このペースですので、なかなか前を抜けません。
中団位が一番きつい。前がバテないので、差し馬はコーナーでどんどん外に出すしかなくなります。
ある程度内を走っていないとロスばかりになり、どんな脚を使っても届かなくなります。

サンライズノヴァもノンコノユメの追い込み馬もあの位置で前に馬の壁がありますので、加速をするためには差し馬の更に外へ出すしかありません。
ただ、ウェスタールンドは加速しても前との距離があるので、加速しても内を突けます。
だったら後方ポツンといれば、というものでもありませんし、これも決まるかどうか分かりません。今回は本当に綺麗に決まりました。

直線はサンライズノヴァが大外から3頭目。ノンコノユメが大外。3コーナーからほとんど前を抜けていませんので、ここから追い込むのも楽ではないです。

逃げるアンジュデジールが頑張っていますが、その後ろから先週のアーモンドアイを思い出す感じの手応えと位置でルヴァンスレーヴ。
外のヒラボクラターシュが少し鈍った所で、アンジュデジールとの間をシュンとルヴァンスレーヴが突きます。その外からサンライズソア。その後ろからウェスタールンド。
ケイティブレイブは伸びる様子が無いです。

ゴールに向かうにつれてルヴァンスレーヴがアンジュデジールを交わし、その外からサンライズソアも前を追いかけますが徐々に離れてしまいます。
ウェスタールンドが一気にアンジュデジールを交わしてサンライズソアも交わして2番手に。

そんな後続を後目にズンズンと突き放したルヴァンスレーヴがゴール前でM・デムーロ騎手が鞭をくるくる回しながら楽々フィニッシュ。
前半61.9で進んだのに、時計は後半一気に詰めて1:50.1。後半800mを48.2でまとめました。

3歳馬で1番人気で勝利したのはジャパンカップダート時代からクロフネ、カネヒキリに次いで3頭目。
1番人気で勝利したのはその2頭以外ではヴァーミリアン、エスポワールシチー、トランセンド。ダートで時代を創った名馬達の名前がズラリと並びます。

スタートから1コーナーまでが文句なしでした。
包まれてしまうのが唯一と言っていい敗戦の可能性でしたが、スローペースが予想される中、きっちり2番手でコーナーに入ってしまうと後続の馬は手が出ません。
道中もしっかり抑えつつ、とはいえダラダラ走るでもなく、気合十分で追走していました。
直線は前にスペースが出来たタイミングで一気に抜け出すという安心のレース振り。
先週のアーモンドアイに続いての3歳馬の勝利。クロフネ、ジャングルポケットのコンビ以来の2つのカテゴリで3歳馬が勝ちました。
強いですね。来春のドバイが目標になるのでしょうが、久々にドバイワールドカップでも勝負になりそうな雰囲気があります。

2着には上がり34.4という猛烈な上がりを繰り出して追い込んだウェスタールンド。
どん尻からの追い込みとは言え、上がり2番目のルヴァンスレーヴと比較して1.2秒上回りました。
ポツンと後方にいたため、外に出さずに内を突けました。かなりギャンブルではありますが、ドンピシャはまりました。あれをノンコノユメ辺りがやりそうでしたが、こちらでしたね。
前走が良い叩きになり、一気に上昇してきたのでしょう。穴っぽい馬の誰を拾うか?でこちらは外してしまいました。仕方ないですね。

3着にはクビを高くして走りながら頑張っていたサンライズソア。
逃げませんでしたが、生粋の逃げ馬じゃないのでそれ自体は特にありません。
包まれる枠でも位置でもなかったので、レースそのものはスムーズでしたが、もともとG1だとパンチ不足を感じる馬だけに、あそこまで王道レースで勝てるか?というと疑問符が。ペースも遅かったので、逃げも見たかったですね。
シリウスS→JBCクラシックに引き続いての3着。

4着には逃げて頑張ったアンジュデジール。
パドックでも元気よく雰囲気を感じましたし、とても良くなってきたのでしょう。
好スタートを切ったのもありますが、始めから逃げられるなら逃げるつもりだったと思います。ペースを握ってからは注文通り落としつつレースを作りました。
ゴール前は止まりましたが、力は出し切ったと思います。1:51.0を2戦連続で切っているので、重賞では無視できませんね。

3歳馬オメガパフュームはルヴァンスレーヴとは離されたもののサンライズノヴァやノンコノユメを凌ぎ切り5着確保。
こちらも将来有望ですね。初めて馬券外になってしまいましたが、それでもゴール前の伸びはしっかりしていました。
直線はやや顔を外に向け、ベロを出し、ゴール後顔を外に向けてと癖が色々ありますが、走りそのものはしっかりしています。
差し馬にとっては厳しい流れではあったので、着差は離されてしまったものの、流れが向けば2着位まではありそうな走りです。来年以降に期待ですね。

ノンコノユメとサンライズノヴァは後方から外に出し、上がり36.0を切る走りはしましたが6着と7着。
こうなることは割と容易に予想でき、この馬達の典型的な負け方です。持ち味がこれなのでペースは遅くても、馬が多くてもこのレースをするしかありません。
東京ダートに比べると気持ち中京の方が重いですし、流れも馬場も東京マイルの方が向いている2頭です。
ここは負けてもフェブラリーSでは巻き返す可能性は感じる負け方でした。

ケイティブレイブはスタート直後から促していたように前半から雰囲気が悪く見え、2コーナー過ぎで砂を浴びて福永騎手が内へ外へ微調整するような動きもありました。
外もミツバに塞がれ、レース全体の流れに乗れないまま終わりました。
今年はフェブラリーSで11着とこのレースでも11着。JRAのダートG1では全く見せ場なしでした。

期待した穴馬のヒラボクラターシュは直線入り口位までは頑張っていましたが、直線半ばで失速。
あのペースで走ってここまで負けたので、現時点ではG1では力不足ですが、地方や小回り競馬場だと来年から重賞でも見せ場は作れる馬だと思いました。
ただ、ルヴァンスレーヴを塞ぐアクションはしてほしかったですね。直線で一度外に顔を向けたのが気になりました。
直線で離されたので、どのみちルヴァンスレーヴを妨げる事にはならなかったかもしれませんが、内側に1.9倍の馬がいる訳で。それを潰す位の事をしても良いと思うのです。

米国からの参戦パヴェルは4コーナーからのペースアップについていけずに直線内に切れ込みながら走ってビリ。
遠征は一筋縄ではいきませんね。久々の参戦でしたし、正直もう少しやってくれないと次が続きませんので、これでまた暫く遠のきそうな気がします。時期はそんなに悪くないのになー。

 

終わってみればルヴァンスレーヴの圧勝で、レースとしてはあっさりしたものでした。
強い馬がいい位置で走ればこうなります。
馬券はウェスタールンドを外したのでダメ。こんなもんです。