レース
スタートでスワーヴリチャードが痛恨の遅れ。
最近は無かったんですけどね。後ろ脚で立つように出てしまいました。それに追い打ちをかけるようにマカヒキが接触し、レイデオロとの間が詰まってしまったので挽回も不可。
厳しいスタートです。
レイデオロは少し促しながら前に行っており、多少スローの見込まれるメンバーに加えての高速馬場ということでの作戦だったのかもしれません。
内でまさかのヴィブロスの先頭でしたが、外からキセキが先頭を伺います。
ここも見応えがあり、スタート直後の川田騎手が外の手綱を開いて気持ち外へ。ミッキーロケットを牽制して馬体を離した所で内に切れ込みます。
万一にも外から被らせないという狙いもあったのかなと。最初のコーナーの所ではヴィブロスを交わして先頭に立ちます。アルアインはその後ろに。
早い段階で割と縦長、バラバラの展開に。
思ったよりも流れそうというのがこの段階での印象です。
キセキが先頭に立ち、ヴィブロスが2番手です。
3番手にアルアインがつけ、4番手にステファノスがつけます。ここも毎日王冠通りでしょう。
その後ろにミッキーロケットが積極的に進め、ミッキーロケットの外へジックリ1頭ポツンと走れているレイデオロいます。いい位置にいますね。
やや離れてサングレーザーが追走し、ブラックムーンとサクラアンプルール。
マカヒキが外で内にスワーヴリチャード。最後方にアクションスターという展開です。12頭だと書きやすいし見やすい。
ペースは「どうせスローの上がり勝負だろ」と前評判を覆そうという意気込み?で少しだけ出して36.2-47.7-59.4。
とはいえこのペースは馬場を考えれば決して速くなく、最低限のペースでは走ったという程度です。上がりを求められるであろう戦いになるのは確実。
道中バラバラっとしたのもあり、あまり大きな不利はないですが、スワーヴリチャードは内に入って前にブラックムーンがいてはスパートを途中で仕掛けるのも困難な位置になってしまいました。ペースもガクンと明確に落ちた大阪杯と比較すると一定のペースで走っていたのもあり、仕掛け所がありません。
しかも外にピタリと、本当に馬体を併せるようにマカヒキがいては、3コーナー手前で行き場を失って顔を外に向けるシーンも。武豊騎手は意地でスワーヴリチャード潰しでもしたのか?という位の徹底振りです。
4コーナーに向かう所でキセキが先手を打って仕掛けます。
光が強すぎるのか、絵が粗くなってしまいます。JCでも晴れれば同じなので、どうしたらいいんだろうか?
レイデオロは外自由に走れているのに対し、スワーヴリチャードはマカヒキがどかないものだから1列下げるという選択を。前もブラックムーンでアテになりませんので、下げるしかありません。ここで万事休すですね。馬場を考えると大外一気で決まる事はほぼないです。このペースだし。
同じことがマカヒキにも言えて、残り600mでキセキがスピードを上げた後に仕掛けては差が詰まりません。内のブラックムーンしか抜けていませんし、サクラアンプルールとも差がほぼ詰まらないまま直線に入る事になりました。
遠く陽炎のようになってしまいました。写真は大失敗ですね。
キセキが先頭で直線に入り、ヴィブロスが内で、アルアインが2番手で頑張っています。
最内はBコースとはいえ厳しいので、余裕がある段階でより外へ外へのアクションで馬場の良い所に誘導するキセキの川田騎手。
馬の特性やレース展開、馬場を緻密に計画していると思わせる走り。負けたけどこれは素晴らしいと思いました。
後ろでアルアインやミッキーロケット、白い帽子のステファノスも頑張っていますが、逃げているのは菊花賞馬であり、溜めれば上がり33.0を切れる可能性のある馬です。
そうやすやすと抜けません。2馬身程度直線入り口で先に仕掛けてリードを取りましたので、アルアインにも並ばせませんでした。
その外から持ったままのレイデオロがいました。
キセキが粘る所、外から皐月賞馬とダービー馬が迫ります。
ミッキーロケットも頑張っていますが、キセキが外に向かうにつれ、アルアインも外へ行ったので、スペースがなくなったミッキーロケットは内へ進路を。ベロを出しながら走っています。
内でヴィブロスも粘りますが、先行して抜くという脚は使えそうにありません。比較的馬場も外の方が良かったですし。苦しい展開になってしまいました。
その外からサングレーザーに鞭が入って加速してきます。
スワーヴリチャードはもう残り200mでは勝負から脱落し、流すように走りました。
上下動も出てきて、「あれ?故障でもした?」というような走り。
スタート出遅れから全く流れに乗れず、いい所なしです。
一応スタートの後手が明確なので、JCできちんと流れに乗れればこんな負け方で終わる馬じゃないでしょう。
2桁着順は当然初めてですし、1.5秒も離されてしまいましたので人気はガクンと下がるでしょうが、後は信じるか?ですね。私は信じます。
ステファノスも途中まで頑張っていたものの、最後は離されてしまいました。
作戦自体は悪くなかったと思っています。
毎日王冠は56kgでしたし、同斤量となって現時点での力の差が出てしまったと印象付ける負け方。G1は厳しくなってきてしまいました。息の長い活躍をしているとてもいい馬ですけどね。世代交代の波には逆らえません。
残り200mでレイデオロが並びかけます。
キセキも残り200mを切って走りに上下動が出てきてキレが失われてしまいました。
後方でマカヒキがクビを外に向けているのが気になります。
内にささって追えていない走りです。ゴール前残り200m付近から一気に内に。左鞭とかでは修正できるような甘いものではなく、一気にささりました。
ギアが変わらないというより、イヤになってしまったような走りですね。
上がり33.7と数字は出ていますが、ラスト1Fの動きは次走以降、疑問符が大きく点灯しました。個人的にはJCに出てきても買う事は無いと思います。
ヴィブロスもここまで内側で頑張っていましたが、失速。
流れに乗ったのは悪くなかったとは思うものの、この馬の良さが出なかったかな。
スタート出てしまったので、スタート直後力んでしまって最後脚がなくなってしまいました。
出来ればサングレーザーと同じ位置から追い込んで欲しかった。期待していた分、見ていて「うーん」という感想です。
ミッキーロケットは粘って粘って5着。
追ってしぶといですが、最後アルアインを交わせないのを見ると、スピードの基礎能力の差が上とはあるかな。
ただ、道中も楽に走れていましたし、JCでもっとスタミナ勝負になれば浮上してきそうな感じは受けました。
スタートも随分と上手になり、本格化してきましたね。秋に楽しめる負け方でした。ベロは縛った方がいいね。あれは邪魔じゃないのかな。
キセキとレイデオロ、川田騎手とルメール騎手がシンクロします。
脚色はレイデオロ断然。あの大雨の中を走った菊花賞馬がバテました。
4着にはアルアインが入りました。
申し訳ないけどこの決着は納得。キセキに並べず、レイデオロとサングレーザーにはほぼ並ぶ事無く差し切られました。
強いですし、毎回レース振りは文句が付けられません。
今回もほぼ完璧で、キセキを4コーナーで逃がし過ぎたかなとは思うものの、交わしてほしいわな。
もっとスローだともっと負けたと思いますので、最低限のペースで流れたのがプラスになり、総合的なスピード能力の高さで1:57.2で乗り切れました。
だから強い。でも負けてしまう。上がりが速くなりがちなドバイターフより大阪杯のの方が向いていますし、レース選択も間違っていない気がします。もどかしい馬です。
それこそコックスプレートとか面白そうですけどね。ムーニーヴァレーなら4コーナーで先頭なら粘れるでしょうし。
サングレーザーが追い込んで2着。
レイデオロを見ながら流れに乗り、クビを下げて一生懸命走っている感じがします。
全然道中も掛からなくなり、プチ・ダイワメジャーみたいな活躍ができそうです。タイプは違うけど。
最後キセキを交わしたのはさすがモレイラ騎手なのかな。
あのホープフルSの1着馬と5着馬が天皇賞でワンツーするとは…。馬の成長は分からないですね。マイル~2000mなら暫くは大崩れはしない走りができそうです。
3着負けましたが、レースを支配したキセキです。レース運びは見事でした。
ゴール前20m位でやや乱れたのが最後交わされてしまったか。菊花賞馬としてしっかりと走りました。
ただ、目標にされてしまいましたので、1頭別のマルターズアポジーみたいな逃げ馬がいれば、同じペースでも後ろの仕掛けが遅れたり惑わされたりもしたかも。
それ含めて運もあるでしょうが、4コーナーで仕掛けたのはこのレースを締まったものにしてくれたワンシーンでした。
ゴールは無念のブレ。
勝ったレイデオロは中団から前を見ながら4コーナーで射程に入れ、直線持ったままで仕掛けを待ち、整ってから仕掛けてゴール前できっちり交わし、1馬身1/4。
勝ち時計1:56.8。上がり33.6。
トーセンジョーダンの時は前半が56.5と猛烈なペースに引きずられての1:56.1でしたが、今年は前半59.4-57.4のレースを駆け抜けて、天皇賞で1:57.0を切りました。
レイデオロは60.0-56.8位ですかね。見事です。
あまりコメントもないです。強かった、位。
「またルメールかー」と思うものの、馬も強いだけでなく、それでも仕方ないなと思うようなレースもしています。
最終レースもルメール→モレイラとか笑うしかない。
上位4頭が4歳馬。皐月賞馬、ダービー馬、菊花賞馬がきっちりと入線しました。
ここには名前はなかったですが、アエロリットもいますし、この日の裏のカシオペアSではエアウィンザーがOPまで一気に制しました。ここには間に合わなかったのかトリオンフなどもいて、層の厚さもあります。
スワーヴリチャードもこのままでは終わらないでしょうし、クリンチャーも巻き返しを狙ってくるでしょう。
牝馬勢もアエロリットに加えてモズカッチャンにディアドラがいます。1つの時代を作る世代に相応しい布陣が揃っていることは確かです。
さて、これで天皇賞が終わりました。
このレースをしても尚、文句なしで現役日本馬最強!と言い切れないのは切れ長の目をしたあの女の子がいるから。あの子、実際どの位走るかイマイチ分からんし。
レイデオロはあと1戦らしいですが、JCか有馬か。
JCは避けるんじゃないかなぁ。元々中山は向いていると思っていますので、有馬記念で見たいかも。
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