第79回菊花賞(G1・京都・芝3000m・良)
2018年牡馬クラシックの最終戦となりました。
皐月賞はエポカドーロ、ダービーはワグネリアンと制し、舞台は淀の3000mです。
晴れてとてもいい天気でした。
馬場は「出そうと思えば幾らでも」という馬場ではなく、1つ前の1600万下のスプリント戦で1:08.1。
気持ち遅めですので、馬場差+0.5秒という感じ。
とはいえ良馬場です。文句は言えません。
予想はこちら。
酷すぎ。ここまで外すと回顧の筆が進まない。記事そのものを消したいレベル。
まぁそれ位他人の予想なんて当たらないということです。
「絶対当たる」とかで騙されるなんてどうかしてる。そんな情報なら有料だろうが絶対に赤の他人に公開なんてしない。自分で買って当てればいいじゃん。
パドックとか返し馬は乗馬後のバタバタでほぼ見てないです。
ちらっとグリーンチャンネル見たらパドック推奨で「12、9、xx、xx、xx」(xxは覚えてない)と出てて、割とただ人気通りにしか推奨馬を言わない中、比較的攻めたなと思いつつも、「フィエールマン?ないだろ。」と。
大きな増減はアイトーンがプラス12kgとなっていただけ。
他は多くが±4kg。
結果を見るとアイトーンが16着で+6kgのカフジバンガードがブービー、-6kgのオウケンムーンがビリと体重の増減がこの中では大きかった3頭が下から3つを占めました。これは偶然でしょうけど。
3000mとはいえスタートはとても重要です。
出遅れても何一ついいことはありません。
スタートでポンと出たジェネラーレウーノ。
一方でグレイルとオウケンムーンが遅れました。
アイトーンが無理しても行くかと思いましたが、そこまで行かず。
エポカドーロもスタートして2秒で1馬身位ジェネラーレウーノと離されていますので、先頭は難しい。
メイショウテッコンもほぼこれだと出遅れと言っていいスタート。
すんなりジェネラーレウーノが先手を取りました。
目立ちませんがユーキャンスマイルも素晴らしいスタートからスッと下げ、内に潜り込みました。
ジェネラーレウーノはスタートしてアイトーンも行きそうな雰囲気でしたが、内を閉めることで隊列を変えさせませんでした。
アイトーンはここからクビを上げたりしてレースにならず。
コズミックフォースもスタートからかなり積極的に走り、最初の坂の下りでは3番手位で行きます。
ダービーも前目で頑張ったので、再現を狙う感じでした。
坂を下って1周目のホームストレッチに向かう所で随分とペースが落ち着きました。
グロンディオーズが行きたがり、思ったより前につけたフィエールマンやユーキャンスマイルも抑えるシーンが。
大外からスタートのグローリーヴェイズもグロンディオーズの後ろに付けるまではなかなか馬自身が落ち着いてはいませんでした。最終的にはブラストワンピースの後ろまでいってしまいましたけどね。少し下げ過ぎたかな。
ジェネラーレウーノが先頭でゆったり走っていたので、画面からも感じるスローな流れに。
ホームストレッチだとエタリオウが1頭離して外々を。
デットーリ騎手とかたまにやったりしますが、馬に近づくのがイヤな馬というのもいますので、必ずしも馬群に入れるのが落ち着くコツでもないのが馬の難しい所。
群れるのも嫌、でも離れすぎるのも嫌。そんなのもいます。わがままなもんです。エタリオウはどうだか知りませんが。。。
ペースは落ち着きました。
37秒位で前半行くのはもちろんあるのですが、前半の800mが50.1というのは2000年以降昨年の異常な馬場を除けばマンハッタンカフェの時の1回きり。
早い段階から落ち着いてしまいました。
向正面に入っても落ち着いたまま。
動きも少なく、13秒台が2回連続で刻まれる中、誰も動かない。
ジェネラーレウーノが先頭で2番手にカフジバンガード。
コズミックフォースが外、内にエポカドーロがいて、メイショウテッコン。
最内に逃げられなかったアイトーンがいて、真ん中にフィエールマンが早め。その外からアフリカンゴールドやエタリオウ。
中団にユーキャンスマイルがつけ、外にブラストワンピース、内に入ってグロンディオーズ。
その後ろにタイムフライヤーがいて、こちらも内側にステイフーリッシュが続きます。
後方にここまで下がってしまったグローリーヴェイズにシャルドネゴールド。
グレイルとオウケンムーンが最後方という展開です。
前半の62.7も遅いですが、中盤の64.2も随分と落ち着きました。
菊花賞はこの位落ち着くものですが、前半2秒近く速く流れた上で、向正面でペースダウンするのは良くありますが、これは珍しいですね。
ずっと一本調子で遅かったという印象です。
こうなると後ろは苦しいなと思いました。
フィエールマンがいい位置にいましたね。見ながら「フィエールマンが嫌な感じだ」と。買ってないから。
先行馬が先行しているのと違い、ある程度脚が使える馬がスローで前にいる時の嫌な感じ。買ってない時限定で感じます。
ラスト1000m付近から徐々に上がり、3コーナーから4コーナーにかけて急激なペースアップが始まります。
ジェネラーレウーノが先頭ですが、この展開は望む展開ではないでしょうに。もう少し離していかないと。完全な切れ味勝負に自分から持ち込みました。残念でした。
アフリカンゴールド辺りももう少し先手取っていればどうなっていたかな?と思わざるを得ません。
ここまでスローの切れ味勝負だと、先行した馬はほとんどダメでしょう。スタミナとかではなく、ずば抜けた切れ味があればそもそも差し馬にでも強制的に変身させられているはずです。
4コーナーでブラストワンピースが膨れながらのコーナーに。
前のエタリオウとの差が詰まるようで詰まらず、あの流れになり、坂の下りで外から前を抜く難しさですね。
ブラストワンピースもその後ろのグローリーヴェイズも坂の下りで加速をしているのは分かるものの、1頭も抜けませんでした。
直線に入って内側に潜り込んだエポカドーロですが、もっと堂々と受けて立って欲しかった。
スローの上がり勝負が向かないのは分かっていたので、雰囲気は悪くないものの、ペース的に厳しく、その後ろのメイショウテッコンも内を突きましたが、エポカドーロに入られて終了。
ジェネラーレウーノの外のアフリカンゴールドとコズミックフォースが下がる中、大外からエタリオウが先頭に立ちます。
直線入り口ではフィエールマンの前に進路はなかったですが、エタリオウが外に行き、コズミックフォースが下がった所でアフリカンゴールドが外に手綱を開いているように、内へ。
まぁ綺麗にフィエールマンの進路ができました。
外のユーキャンスマイルも閉めるつもりだったでしょうが、あれだけ開けばどうすることもできません。
グングンとエタリオウを追い詰めるフィエールマンと並びます。
今の日本競馬を象徴するようなルメール騎手、デムーロ騎手の叩き合い。
その後ろでこれまた3着に入りそうなユーキャンスマイルの武豊騎手。ブラストワンピースも伸びていますが万事休すです。
最後は並んだまま内のフィエールマンが僅かにハナ差出ていました。エタリオウはまた2着。
皐月賞馬エポカドーロは8着に敗れました。
勝ち時計3:06.1。ラスト2Fで10.7-11.3と猛烈な上がりです。
レース上がり34.2はこちらもスローの上がり勝負だったナリタトップロードの時と同じ。
10.7というのはレースのラップとしては相当な数字です。
菊花賞の2F目以外で10秒台が記録されたことは知り得る限りありません。
上がりの時計が出せる順番にゴールインした、そんな菊花賞でした。
勝ったフィエールマンはそれでもキャリア3戦で菊花賞に挑戦しての勝利は素晴らしいです。
スタートも決めて前に行き、スローの流れをじっと動かず。
4コーナーで前が壁になりましたが、流れに乗れていましたので、無理に動かずに直線で壁が消えたら一気の末脚を炸裂させました。
7番人気のディープインパクト産駒、リーディング独走するクリストフ・ルメール。
素質は相当であろうとは思うものの、ラジオNIKKEI賞からのぶっつけです。そりゃどうだろう?と思うわ。天栄の仕上げ恐るべし。。。なのかな。
これだけスローの上がり勝負になったのが勝因ですが、それでもこの数字が出るのは立派です。
血統的にはやや長いと思われますが、意外にこういう馬の方が天皇賞春とかで頑張りそうなんですよね。
今回みたいなレースができれば、長くても大丈夫のはず。
2着のエタリオウはキャラが確立してきました。
サウンズオブアースはまだはなみずき賞を勝っていましたが、こちらはついに「主な勝ち鞍:2歳未勝利」のままG1で連対しました。
早め先頭もスタミナにもある程度自信があるタイプですし、悪くありません。
1頭離れたホームストレッチでスローと見るやきちんと前につけていますし、ブラストワンピースを外に膨らませる位置にもいて、人気サイドとしての乗り方は文句なしでしょう。
勝てないのはこの馬の持つ運だけです。
3着のユーキャンスマイルについては、全くのノーマークでした。
ムードインディゴの仔である位ですかね。前走は勝ったとはいえダブルフラットに半馬身差。
他の馬に比べると、少し地味だったのは否めなかったと思います。だから10番人気なんですけどね。
スタートを決めてから内に入り込み前半はじっくりとそこで。アイトーンが下がってきたのもあり、徐々に外に持ち出したものの、ロスなくコーナーを回りました。
上がりはこちらも33.9と出ていますし、最後まで垂れていません。
母父にダンスインザダークがいる血統ですからね。「血統通」は買えたのかな?
ブラストワンピースは上がりの数字は劣って34.1で4着。
ただ、4コーナーで膨らんだのが0.1秒位損しているかな。
大きい馬ですし、なかなか坂の下りの加速がついた所でのコーナーリングは大変だと思います。
それでも最後までしっかり走っていますが、ゴール前は僅かに乱れたかな。少しこの馬にとってはこのペースでも距離が長かったと思います。
上がりの競馬はもってこいですが、直線までが大味過ぎたか。
5着に大外からのグローリーヴェイズ。上がり33.9。
前半は悪くなかったのですが、徐々に下がってしまい、さすがにあれだけ後方だと厳しいです。
それでも伊達に1600万下を勝っていません。きちんと前を向いてからはいい手応えだったタイムフライヤーをしっかり交わして5着。
期待していただけに、スタート直後の雰囲気のままホームストレッチまでスムーズなら2つ位は逆転できたかもしれません。それが菊花賞の大外の難しさでもありますね。
これだけスローで内に馬が一杯いると入れるタイミングもありませんからね。仕方ない。
すぐに1つ位は重賞勝てる馬だと思いますので、来年の天皇賞で期待しましょう。
タイムフライヤーが復活気味の6着です。
随分と雰囲気が良く、京都が走りやすいのかな?
確認のため、もう1回位京都でこの秋に走ってもらいたいですね。アンドロメダSとか。G1馬ですが3歳ですし、56.5kg位でいけるでしょ。
エポカドーロは内を突いた所までが最低限。
やはりこういうレースは向きません。大崩れはしていませんが、この流れでも34.8止まりでは上で戦うには何か1つ2つ必要でしょうね。
ある程度上がりのかからないとなかなか出番がないので、ジャパンカップよりは有馬記念で。
ジェネラーレウーノも先頭を走っているだけ。
この流れを意図的に作っていますので、上がり勝負に持ち込んで負けてしまっています。
元々上がりが出ない馬なので、もっと動かないと良さが出ません。どうせエタリオウのペースメーカーになるなら、もっと流した方が良かった位。
グレイルは期待したもののあれだけ後ろだとどうしようもないです。
よく追い込んできていますが、ここまでスローだと下げてしまったらもうアウトです。
レースを振り返って「低調の菊花賞」と言われてしまうでしょうね。
ハイペース至上主義ではないものの、やはりこれだけ遅くて上がりだけだと判断しにくいのが影響するでしょう。
ただ、上位、特に上がり33.9の連中は悪くないと思います。ブラストワンピースも。
ユーキャンスマイルはそこそこ人気になるでしょうが、グローリーヴェイズ、タイムフライヤー、シャルドネゴールドの3頭は来年か再来年かの天皇賞春であっと驚く3着とかがありそうな雰囲気があります。
「最近の菊花賞は切れ味勝負」なんて言っても実は34.0を切る上がりはほとんど記録されていません。
ペース関係なくです。最近20年でこの7頭だけ。
- 1999年 テイエンムオペラオー/33.8、ラスカルスズカ/33.9
- 2001年 ダンツフレーム/33.9
- 2005年 ディープインパクト/33.3
- 2006年 ソングオブウインド/33.5
- 2010年 ローズキングダム/33.9 クォークスター/33.5
今年は新たにフィエールマン、エタリオウ、ユーキャンスマイル、グローリーヴェイズ、シャルドネゴールドが加わるというスーパーサイヤ人のバーゲンセール状態です。
4頭が菊花賞後G1勝ちがあり、ラスカルスズカは翌年の天皇賞で2着。ソングオブウインドも3歳で出走した香港ヴァーズで4着。
クォークスターは無念のリタイアでしたが、セントライト記念の末脚を考えると、その後重賞を1つも勝てないという馬ではありませんでした。
この馬達がしっかり走って、「実はあのレースは凄かった」と言われる活躍を期待します。
馬券は大外れだったので。。。今考えている事の逆が正解でしたが、それは大きなミステイクでした。
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