写真で振り返る 第4回サウジアラビアロイヤルカップ レース回顧




レース

スタートで盛り上げてくれたグランアレグリアの出遅れ。
やや後ろ脚で立ってしまい、ヨイショというスタート。下手な馬も様々ですが、このタイプは割とタチが悪い。
反応していない訳ではなく、きちんと反応しているが故にもしかしたらこの癖が付いて回るかも。

お隣のドゴールも少し出が悪いです。
他はほぼ揃ったスタート。トーラスジェミニが少し良いかな?

そこからスタート直後は落ち着いて追走するグランアレグリア。
最初の1Fが13.1というのもあり、ゆったりとした入りです。

セグレドスペリオルもクビを上げるシーンがありましたが、1F通過後からグランアレグリアが一気に外から上がります。
もう少しレースが進んでから一気に上げる事は見ます。1F目から一気に行くのはなかなか無い。

ルメール騎手は最初押さえようとしていましたが、途中からある程度前に行こうというように切り替えましたかね。
3F通過直前位で先頭のトーラスジェミニの後ろに付けてからは収まりました。
11秒台が2F目から続いていますので、これ位だとこの馬にしては気持ち良く走れるペースなんでしょう。

その後ろにサムシングジャストがいて、アマーティ。
中団にドラウプニルがいて、後方にドゴールとシャドウエンペラーという展開です。

最初の1Fが13.1でしたが、そこからは11秒台が続き、前半は36.8-48.3。
重賞になって割と流れるようになりましたが、今年はスローです。

末脚自慢はいいのですが、シャドウエンペラーやドラウプニルは下げてこの流れに普通に乗れてしまうようだと…。
多少掛かる位のペースだと思いますので、いい子過ぎますかね。

4コーナーでジワジワと前に並びかけるグランアレグリア。
その後ろからアマーティや外からセグレドスペリオルが上がってきます。
後方組はシャドウエンペラーが最内へ。

直線は持ったままでグランアレグリア。
大外に持ち出したドラウプニル。
やはり東京は遠い。自分の望遠は300mmですが、中山とはブレが違います。

直線に入り、全く手が動かないグランアレグリア。
内で抵抗する最低人気のトーラスジェミニ。なかなか頑張っています。

ドラウプニルは大外に持ち出して上がり34.3で4着。
アスター賞も後方から外持ち出しての勝負なので、こういうレースだとそう簡単に勝てませんね。
特に前半そこまでスローではないので、4コーナーで前をほとんど抜けませんでした。ほぼ回ってきただけ。
この位の上がりしか出なかった、とも言えますが、開幕週の東京の上がり勝負で外回すのは相当力の差がないと。

シャドウエンペラーは直線で内に入れたのは良いと思いましたが、追ってからそこまで伸びず。
一旦並びかけたアマーティにゴール前で一気に離されてしまったので、11秒台の脚を続ける事ができませんでした。
最後走りがブレブレになってしまいました。
距離が長いとかではなく、現時点ではここで2着に上がれないようだと500万下を勝ち切れるレベルにないということでしょう。

残り200mを切ってからグランアレグリアにも鞭が入ります。
下手に気を抜く癖をつけないためには、重要です。

3着はスタートからいい位置につけて直線も頑張ったアマーティが入りました。
デビュー戦は上がり33.3の脚でしたが、今回は前目に付けて上がり34.5。
クビが曲がっていたまま走っていて、左右に若干スペースがある中走っています。
ジョッキーが修正しつつ、真っ直ぐ走っています。それ自体は立派。こういうレースができれば牝馬限定の500万下なら面白いレースができると思います。

残り100m。
どんどん突き放すグランアレグリア。もう勝負ありですし、写真もこうなるとどう撮って良いのか分からなくなります。

2着には最後方から唯一上がり34.0を切り、追い込んで来たドゴール。
4コーナーで無理に追い出さず、外に持ち出さず、直線でドラウプニルの内を突き、やや待ってからの追い出し。
追い出してからは若干モタモタしていましたが、ゴール前まで脚色は衰えずに最後までストライドが乱れませんでした。
この2着で来春G1で抽選位までは持っていけます。

馬体も大きくないですし、血統も言っちゃ悪いけど地味。
「マイルだと忙しい」というレースではなかったので、適性は分かりませんが、東京でこれ位の距離なら人気ないけど一発あるタイプかも。
来年の共同通信杯とかNHKマイルカップとか。

そして勝ったグランアレグリアです。
勝ち時計1:34.0までよく巻き返しました。時計的には馬場を考えると水準位。時計は文句なしとは言いにくい。デビュー戦の方が上ですし。
前後半で48.3-45.7と後半2.6秒速くなるレースを、馬なりで上がっていき直線で突き放す一方は痺れました。

相手が重賞とは名ばかりのメンバーだとはいえ、少なくともこの時期で1勝をしてきたエリート候補。
それら相手にほぼ馬なりでこの勝利。ダノンファンタジーもかなり強いという認識をしますね。
道中の掛かり気味も収まったので、今のところは心配ないですが、パドックの雰囲気とかも加味すると、メジャーエンブレム路線がいいなー。桜花賞→NHKマイルカップで。

スタートはもう1回見てみないと何とも言えませんが、あの遅れ方はあまりいい印象はありません。
常に出遅れを頭に入れないといけないかも。
後ろからだと掛かりそうだし、18頭だと致命傷になってしまいます。というか現時点でそれ位しか弱点がない。

最後まで全く乱れずに駆け抜けました。
相手が多少劣ってもこの時期の1勝クラス相手に3馬身半はかなりの着差です。無事ならG1王手級。

前向きな気性がなくなるとこういう馬は一気にスランプになりそうなので、多少掛かるのは続けてほしいです。
下手に制御して2400mを走らすより、1600mでのびのび走ってもらいたいなと思いました。