2018年凱旋門賞 今年の欧州中距離レース振り返る




2018年 凱旋門賞へ(7月位から)

Saxon Warriorが距離短縮して一気に、と思ったエクリプスS。
英国ダービー3着馬Roaring Lion(ロアリングライオン)と4度目の戦い。

先に抜け出したSaxon Warriorに外から追い込むRoaring Lion。
なかなか見応えのあるレースでした。3着には昨年の英国ダービー2着馬Cliffs Of Moher(クリフスオブモハー)

 

フランスはサンクルー大賞。
一瞬横一列に並ぶ大激戦を制したWaldgeist
Coronet(コロネット)といい勝負でしたが、3着にはコロネーションカップでCracksmanを苦戦させたSalouen(サルウィン)
良馬場のCracksmanはそこまででもないか?と思いました。

 

愛ダービーがLatrobe(ラトローブ)。
ここでSaxon Warriorにダービー馬の称号を、というオブライエン厩舎でしたが、無念の3着。
なお、このレース、ご存知かもしれませんが勝ち馬はジョセフ・オブライエン厩舎。2着から5着までがエイダン・オブライエン厩舎。
一族の私物化の極みみたいなレースでした。

 

愛オークスでは7頭中4頭がエイダン・オブライエン厩舎。
しかし勝ったのはウィリアム・ハッガス厩舎のSea Of Class(シーオブクラス)
最後方から大外回し、英オークス馬Forever Togetherを差し切りました。
Sea Of Classはこれで3連勝でG1勝利でした。

 

フランスでは春の3歳馬としてトップを決める1戦であるパリ大賞です。
逃げたのが英国ダービーで昨年は上位人気だったNelson(ネルソン)なのが切ない。
直線は外から一気にオブライエン厩舎のKew Gardens。一応3着に英ダービー2着馬のDee Ex Beeがいるため、なんとかレースの格を保っていたかな。

 

最近その魅力は少し落ちている感じはするものの、それでもキングジョージです。
そのキングジョージは2頭のマッチレースとなりました。
直線後続を突き放す黒い勝負服Crystal Oceanに追いかけるPoet’s Word。

良馬場で時計も出て、勝ち時計2:25.84はあのNovellist(ノヴェリスト)の2:24.60に続いて2位の時計です。
時計の出る馬場はこの2頭は侮れません。

 

好メンバーが揃った英国際S。
エクリプスSのワンツー(Roaring Lion、Saxon Warrior)。愛ダービー馬Latrobe。
キングジョージを勝ったPoet’s Word。ドバイターフを勝ち、ドイツでG1も勝利してきたBenbatl(ベンバトル)。ドバイワールドカップを勝利して芝に戻ったThunder Snow(サンダースノー)

レースはRoaring LionPoet’s Wordをあっさり振り切り3馬身1/4差で勝利。
Saxon Warriorは内からジワジワと4着まで。春先の勢いは消えました。

 

フランスダービー馬Study Of Manの夏初戦となったギヨーム・ドルナーノ賞。
直線は外に持ち出したものの伸びきれず3着。
勝ったのは終始先頭で逃げ切ったKnight To Behold(ナイトトゥビホールド)。フランスダービー馬の苦しい負け方でした。

 

昨年はEnableの勝利したヨークシャーオークス。
今年もそれこそ同じようにCoronetを突き放したSea Of Class

昨年は5馬身差だったけど、今回は2馬身1/4。
最後方から一番外に出しての直線。見栄えがする勝ち方で、凱旋門賞でも一時1番人気になりました。

 

9月になり、ついに復帰戦を迎えた女王Enable。セプテンバーS。
相手はキングジョージを接戦の2着したCrystal Ocean。
終始先頭で調教のようなレースっぷり。下した相手が相手だけに、再度1番人気に返り咲きました。

 

愛チャンピオンSで5度目の戦いとなったRoaring LionSaxon Warrior
それに加われるか?というフランスダービー馬Study Of Man

直線は先に抜け出したSaxon Warriorが埒により、その後ろから一歩一歩差を詰めるRoaring Lion
ゴール前はエクリプスSを思い出される良いレースでしたが、Saxon Warriorは完敗と言っていい負け方だと思いました。
Study Of Manは勝負に加われずに5着。凱旋門賞のレースからも大きく後退しました。

レース後、立て続けに引退が発表されました。
マイル路線で大活躍したAlpha Centauri(アルファセントーリ)Saxon Warrior、Poet’s Wordの引退が発表。

英国セントレジャーでは牝馬であるLah Ti Dar(ラウティダー)が1番人気になりましたが、Kew Gardensが先頭で追い詰めるも2着まで。
勝ったKew Gardensは3歳牡馬代表として凱旋門賞へ挑戦する見込みです。
Lah Ti Darは凱旋門賞ではなく、英チャンピオンズフィリーズ&メアズSへ。

 

そしてアークトライアルです。
ニエル賞はBrundtland(ブルントラント)が無傷の3連勝でHunting Horn(ハンティングホーン)を退けました。
無敗である興味深さはありますが、2:31.55は同日ヴェルメイユ賞2:26.39に比べても大分遅く、時計が全てではないものの、一気のレベルアップに耐えうるのか?というのは疑問もあります。

 

ヴェルメイユ賞はKitesurf(カイトサーフ)が最後方から目の覚めるような追い込み。
直線で内を突いたMagic Wand(マジックワンド)に間から緑の勝負服、母ザルカヴァのZarkamiya(ザルカミヤ)
それを大外からまとめて差し切ったKitesurf。
この2連勝は強い勝ち方なので、オッズも上位にランクイン。

 

 

フォワ賞は日本からクリンチャーも出走して注目でした。
静かなゲートからクリンチャーが先頭で内からCapri(カプリ)Talismanic(タリスマニック)が3番手という展開。
後方2番手にWaldgeistで最後方からWay To Paris

直線まで静かに進んで直線は内を突いたCloth Of StarsTalismanicが並びかけたところで、そとからビジョンをチラリと見ながら外から一気にWaldgeist。これで4連勝で凱旋門賞です。
クリンチャー
は6着