レース
スタートです。サトノアレスが出負け。
ペルシアンナイトも良くないです。スワーヴリチャードはきちんと出ました。
大外ウインガニオンとレーヌミノルが素晴らしい反応でポンと出ます。レーヌミノルは本当に上手だな。
内でアエロリットも顔が見えますので、先頭集団を形成するであろうと予想された馬達は誤算はありません。
サトノアレスはスタート直後から1馬身程度遅れていますので、これはもう腹を括って追い込むしかありません。
レーヌミノルを制してウインガニオンが行きます。
3番手にアエロリットがつけ、キャンベルジュニアも前に。
そしてスタートからかなり積極的に前に進んだスワーヴリチャード。スタートも上手でしたし、勝つために前に行きましたね。
外からウエスタンエクスプレスが真ん中から上がり、ペルシアンナイトはスタート後手ではありましたが巻き返して中団。その外からサングレーザーはやや行きっぷりが良いのが気になりました。
中団後ろでダッシングブレイズ、リアルスティールと並び、少し前が壁になったかのように一旦ガクッと下がったモズアスコット。
モズアスコットが前脚を高く上げ、やや荒れた馬場に苦戦しているようには見えました。
その後ろが大体後方集団。
ヒーズインラブにリスグラシュー。サトノアレスに白い馬体のレッドファルクス。最後方にブラックムーンという展開です。
道中は34.2-45.5-56.8。
馬場を考えても少し速めです。予想より1秒近く流れました。
やはりこのクラスともなると、多少前に行くのがいると自然とこうなりがち。予想よりは0.5秒位は流れると思わないといけませんね。
道中はこれに釣られてしまうと苦しくなります。
サングレーザーはそうですし、スタート後手で挽回していったペルシアンナイトもやや前半無理したかも。
対してモズアスコットは道中前が壁になる感じで一旦下がり、ブレーキがかかりました。
そのモズアスコットを抜くように外からスーッとヒーズインラブとリスグラシューが上がっていきました。モズアスコットは前半想定通りだったのか?というとやや誤算だったのではないかと思います。
3コーナーから4コーナー手前まで。
スワーヴリチャードを見る形でペルシアンナイト。
アエロリットが先頭ではないですが、雰囲気は抜群です。
ウインガニオンとその後ろのレーヌミノルはややここに入ると落ちるため、後ろの馬がどう捌くか?というレースになりそうだなと思いました。
スワーヴリチャードがこのペースでの追走に戸惑いが見られなかったのは力を感じずにはいられませんでした。突き抜けられても仕方ないと。
直線に入り、ウインガニオンが粘りますが、すぐ後ろから早仕掛けで粘り込みをしてきたアエロリットがジワジワと差を詰めます。
この馬は待っても仕方ないですが、これが強みです。一本調子で非常に粘ります。
その後ろにスワーヴリチャード。ペルシアンナイトは前がいますので、少し待ちながらの直線です。
大外に持ち出すしかなかった白い帽子のサトノアレスにレッドファルクス。
一方で4コーナーでじっくり内を選択するしかなかったモズアスコット。
直線は横一杯に広がります。
逃げるウインガニオンも重賞馬ですので、簡単には抜かせません。
アエロリットが迫りますが、リードは少しあります。
スワーヴリチャードの真後ろに入ったのがモズアスコット。その外からキャンベルジュニアも蓋をしていますし、前がなかなか開きません。
外からピンク帽子のサングレーザーが追い込みを開始します。大外からサトノアレスも前に馬がいませんので、能力全開できる状態。
残り200m付近でアエロリットが先頭に立ちます。
ここはやはりスワーヴリチャードの動きでしょうね。
外のサングレーザーに併せにいったのか?口がやや外なので、馬の意識は気持ち外ですね。
そこでアエロリットとスワーヴリチャード間に大きなスペースが出来ました。
モズアスコットはそこを悠々と、ヴィクトリーロードを突き抜けるだけ。そのモズアスコットの後ろで、まだスペースが開かないペルシアンナイト。
ペルシアンナイトとしては、モズアスコットの後ろになってしまった時点で捌くのに苦労してしまいました。
直線入り口から外に出せれば良かったのですが、外にはウエスタンエクスプレスがいて、前には失速気味のキャンベルジュニア。
内に入ったらモズアスコットの後ろ。スタートの後手といい、道中の前に行く走りといい、全体的に流れに乗れずに終わってしまった感じがします。
当然力があるので、これで評価どうのこうのはないですが、スタート遅れた時点で決め打ちの方がむしろ良かったのかもしれません。
前が開かなかったのも事実ですが、スペースが出来てからも伸びはさほどでもなく、詰まったシーンがあったとはいえ上がり34.0。1:31.7で走ったのはさすがですが、不完全燃焼です。
残り100m付近。
スワーヴリチャードは一度外に併せに行ったのに、内からスルスルと入られたので、今度は内へ併せに。
スワーヴリチャードは3着で1:31.4。
負けたのは負けましたが、相当の器であることを再確認です。
これだけ高速馬場の東京マイルが初めてのマイル戦。スピード負けしても仕方ないと思いますが、道中から追走に苦戦もしてなさそうで、最後までしっかり粘り上がり33.9。
サングレーザーに併せに行くのがもう少し遅ければ、モズアスコットのスパートが遅れたでしょうし、そうなれば僅かクビ差なら1着と2着は入れ替わっていたかもしれません。
デムーロ騎手の勝負勘がそうさせたのか?もしれませんが、際どい勝負なだけに、もったいないと思う反面で、競馬の面白さも感じる直線でした。
秋の天皇賞→JCと非常に楽しみですし、ここまで時計勝負でもやれたら秋には誰も手が出なくなるかもしれません。
その併せにいったサングレーザーは上がり33.7出ていますが、失速した感じを受けました。
一旦は馬体を並べる直前まで行きながら、スワーヴリチャードにも離され、サトノアレスにもモズアスコットにも勝負所で離されてしまい、0.2秒差。
掲示板を確保しているので、力通りには走ったと言えるかもしれませんが、もっと切れるかな?と思っていました。前半多少かかり気味なのが影響しましたかね。
ただ、時計勝負もそうですし、スタートも悪くなく、上がりも大体この位出ます。安定して買える馬ですね。今回は負けましたが、すぐ返してくれると思います。
ルメール騎手の鞭に応え、モズアスコットがグイッと伸びます。
2着のアエロリットは戸崎騎手の好騎乗でした。
逃げる事はしませんでしたが、待つことなく直線仕掛け、スワーヴリチャードを振り切り、モズアスコットと並ばれてからの二枚腰。
時計もレコードタイの1:31.3で駆け抜けていますし、文句のつけようがないです。
ピュンと交わされてしまったので、クビ差までしか詰め切れませんでしたが、相手がスワーヴリチャードならここまで瞬間に差し切られる事はなかったでしょうから、最後差し返していたかも。その位のパワーを感じます。
この馬も東京の軽い馬場がベストですので、毎日王冠→天皇賞とかなら見せ場は十分すぎる程あるでしょうね。
4着のサトノアレスは道中後方から直線外に出す大味な競馬に。
内を突いていい馬でもないですし、これはこれで「らしさ」はありましたが、サトノ勢だとアラジンもこんな感じで苦労しましたから、似たように「ちょっと足りない」が続きそうです。
関屋記念とか富士Sとかでも取りこぼしそうな反面、来年の安田記念は勝てそうな感じもする不思議な2歳チャンピオンです。
ウインガニオンは果敢に逃げて8着。1:32.0。
夏になると調子を上げるという典型的な夏馬ですので、暖かくなるこの時期は侮れなかったですね。
最後まで大崩れせず、58kg背負ってこの相手でここまで粘れれば、夏のG3辺りはもってこい。ハンデ背負ってもなんとななりそうだし。
リアルスティールは期待したものの、全く良い所なく。
速い時計に参ったのもあると思いますが、マイルがトコトンダメなんですね。1回では見限れないと思った自分が悪かった。
ゴール前のモズアスコットです。
連闘でしたが、なんのその。
前が開くと一気に抜き去り、上がり33.3で内を突きぬけました。ルメール騎手、見事なエスコートでした。
道中一度下がるシーンがありましたが、そこから慌てず(動くスペースが無かったというのはありますが…)内をじっくり。
直線でスワーヴリチャードの真後ろを取り、開くのを待って追い出し。
下がった時に外に出してしまったら伸びてきたかもしれませんが、差し切るのは難しかったはずで、9番人気で気楽な立場だったのもプラスでしたかね。
父フランケル。
フランケル産駒は日本で成績が良いですね。
ディープの仔が海外でG1を制していますが、フランケル産駒のG1馬ってクラックスマンを除けばソウルスターリングとモズアスコット。
血統がとてもよく、ここまでディープを中心にヘイルトゥリーズン系やミスタープロスペクター系が日本で血を伸ばす中、父系としては勢いのなくなりつつあるノーザンダンサー。
ガリレオ⇒フランケルと続き、ノーザンダンサーの血が薄くなる中で、良質なサンデーサイレンスの孫やひ孫たちがいる日本。
いいタイミングで種牡馬入りが出来そうな気がします。
昨年の今頃はデビュー戦すら走っていなかったモズアスコット。
僅か1年で一気にG1をもぎ取りました。素晴らしい成長とスピード。
上位8頭中7頭が4歳馬。
2歳戦から重賞で連対していた馬も多く、世代の強さを感じます。
秋もこの上位陣はG1で主役を張るでしょうし、ここにきて本当に層が厚いなと感じます。
長かった東京のG1も終わりました。来週からは休養。
- 1
- 2
最新のコメント