写真で振り返る 第53回フローラステークス レース回顧




レース

ややバラっとした所もありますが、多くの馬が五分に出ています。
サトノワルキューレが意図的に下げ、真ん中ハイヒールが「そんな靴で走るから」というようなスタート失敗。
ヴェロニカグレースもよいしょっとというスタートで、後手でした。期待したのに。

予想もしていないのでノームコア辺りがすんなりかなと思ったら元気よくデュッセルドルフが行き、母ダイワエルシエーロのオークスを見習ったのかカーサデルシエロも行きます。
その外からノームコアが3番手。

先行馬を見る形でオハナは少し行きたそうにしていましたし、ノーブルカリナンもクビを上げるシーンもありました。

デュッセルドルフが先頭でクビを上げているように、逃げるタイプじゃないんですね。
特に前半は抑えて誰かが行ってもらえればという乗り方に見えました。

途中から諦めたかのように走り出しましたので、意図せずの先頭って感じです。

2番手にノームコアが行き3番手カーサデルシエロ。
内でオハナ、少し持っていかれているラブラブラブ。外からパイオニアバイオでそれを見る形でレッドベルローズ、内でノーブルカリナン。間ハイヒール。

中団にオスカールビーでヴェロニカグレース、ウスベニノキミと続いてファストライフ、サラキアと続いてディアジラソルが後方。最後方に堂々とサトノワルキューレという展開です。

最初の1Fが13.1という逃げたくないという感がありありと出ていましたので、スローの入り。
そこからペースアップしていきましたが、最初の3Fが36.9。
フローラSとしても遅いですが、昨年が37.1ですし、決してない数字ではありません。

1000m通過が61.1ですが、遅いのは最初だけで、そこからは小気味いいペースに。
スタート直後はクビを上げたり、騎手が抑える乗り方になるシーンもありましたが、途中からなくなりました。

距離もこの時期勝ち上がっている牝馬にとっては難しい馬も多く、中盤にかけて比較的中弛みのあるレースですが、今年に関してはそれもない珍しいフローラSだなという印象です。

800m~1400mまでの4Fだけで見ると、主要な馬達との比較ではこんな感じに。

  • 2018年サトノワルキューレ 48.1(オークス?着)
  • 2017年モズカッチャン 49.5(オークス2着)
  • 2016年チェッキーノ 47.6(オークス2着)
  • 2013年デニムアンドルビー 52.5(オークス3着)
  • 2010年サンテミリオン 48.9(オークス1着)
  • 2007年ベッラレイア 48.9(オークス2着)
  • 2005年ディアデラノビア 50.7(オークス3着)

過去の馬と比較してどうのこうのというのはないものの、道中が割としっかりと流れました。1000mの時計だけ見るとスローに見えますが、単純にスローとも言いにくい。
後続も大きく離れていませんし、この時期の3歳牝馬にしては馬場も良かったとはいえ、決して楽ではなかったかなと思います。

4コーナーで外から上がっていくサトノワルキューレですが、まだ最後方です。
内でサラキアも動かず。
デュッセルドルフの外からノームコアとパイオニアバイオが先頭を伺うように直線へ入ります。

顔を外に向けて一番外へ持ち出すサトノワルキューレ。
内は混みあっていますが、赤い帽子のノーブルカリナンが外へ持ち出したスペースを白い帽子サラキアが狙います。
レッドベルローズは前に遮るものもありませんので、後は伸びるだけなのですが…。

なかなかノームコアとパイオニアバイオが粘ります。
オハナは内で鞭を叩くと外向いたりなんだりして、ちょっと苦しそうに見えました。

オハナが内から抜かれた時に外に出そうとした?のか顔をそむけます。
レッドベルローズも伸びそうで伸びないのが続き、前の2頭が逃げ切ってしまうかもという直線半ば。

内で白い帽子サラキアが真っ直ぐ行けなくもないけどノームコアの動き次第では内を締められてアウトというのもあり、ここから外へ。
結果だけ見ればこのまま内を突っ込めば違ったかもしれません。

大外から鞭一発ごとに加速するような走りをみせるサトノワルキューレ。
レッドベルローズと並ぶまでは苦戦していましたが、並んでからの走りは見事です。

この辺りで逃げ馬はほぼ射程に捕えた感じですね。
前2頭も頑張っていますが、ノームコアも少し内にフラっとしたシーンもありましたので、最後まで続けるとなると難しいということですね。

後続勢だとレッドベルローズは期待した1頭でしたが、直線残り200mから完全に離されてしまいました。1800mなら良かったのですが、そこから200mが厳しかったかな。
だから距離が持たないということではなくて、前半ある程度前に行き、直線でも33秒台とかは難しいのは当然。
オークスは難しいと思いますが、マイル位で切れ味勝負なら1000万下位なら突破できるでしょ。
デビュー戦も見ていて切れ味は素晴らしいと感じただけに、こういう器用なレースではなく、もっと思い切って溜めた方がいいのかなぁ。

オハナは内で追い難そうにしていました。
こちらも淀みのない2000mだと、距離含めて安定して上位に来る程の力はないという事なんでしょう。
もちろん流れ1つで上位に食い込むと思いますが、今回はこの馬の流れではなかったということです。

カーサデルシエロもダイワエルシエーロの仔だからか人気になっていましたが、キャリア1戦で乗り切れる流れではなかったですね。
途中まで頑張っていましたし、不利もありませんでしたが、残り200mで大きく走りにブレが出てきて失速。
自己条件からですね。デビューも遅かったですし、これからです。

サラキアは書いた通り、道中溜めて直線勝負はハマったと思います。結果論になってしまうものの、あのまま内を突っ込めば…。
外に持ち出す手間がもったいなかったですね。
ただ、ノームコアが一瞬ふら付いたシーンがあり、あれがなければ内を選択したと思います。
ノームコアも特に意図して内を締めた訳でもなさそうで、仕方ないですね。残り100m位ずっと斜めに走っていましたので、最後の最後でスペースがありませんでした。

パリっと撮れた気がする納得の1枚。

内でノームコアは外から積極果敢な先行策で3着。
この差は大きい。今年から2着までが優先出走権なので、なんて不運なんだ。
第2のアグネスワルツになる可能性も感じたのに…。

フラワーカップ3着→フローラS3着で権利無しはあまりにも可哀そう。抽選にはなると思うけど、出てくれば侮れない1頭だと思います。
ただ、出たとしてもペースは道中もう少し抑えた方がいいですね。途中淀みなく流れたので、最後疲れてしまったと思います。もう少し落とせれば面白い。
33秒台は出せなくても、もう少し抑えればオークスでも34.5位でまとめられる気はします。

2着のパイオニアバイオは驚きの激走でした。13番人気。
未勝利脱出に苦労していましたし、2着に下したシゲルシイタケがその後未勝利突破しているとはいえシゲルシイタケ…。いや、名前で分けてるつもりもないけどさ。
ゴール前でサトノワルキューレに交わされてからもう一度グイッと伸びて、ノームコアをしっかりと振り切りました。
母はアニメイトバイオですし、血統表にゼンノロブロイ、ダイナカール、エアグルーヴにルーラーシップと東京2400mいかにも走りそうではありますね。
お母さんも勝ち切れない馬の典型みたいな馬でしたし、良くも悪くも両親の「相手なりに走る血」を遺伝しているのでしょう。
スタートしてノームコアを行かせじっくり。2コーナーを過ぎてから少しずつ前にというレースで、東京2000mの外枠でもロスなく走れていたと思います。

勝ったサトノワルキューレです。
道中最後方から大外にぶん回してラスト4Fも11.9-11.5-11.3-11.7という最後まで大きくラップダウンしないレースを上がり33.4で豪快に差し切り。
勝ち方としてはかなり強いです。
このメンバーであれば、自分も相手もどの枠に入ろうが確実に2着は外さないだろうというレース振りでした。
勝ち時計も優秀ですし、牝馬で距離が2000mでは短いみたいな馬は久々に見ました。デニムアンドルビーみたいな感じ。

南米血統にディープインパクト。
母馬となってからも非常に興味深いですが、現時点での走りはこのクラスでは違いました。

もちろん相手が違う上に勝ち方が派手なので強いという印象は持ちがちです。ただ、桜花賞の上位3頭の一角は崩せそうな雰囲気はあります。
ここからまた遠征のオークスが控え、今年に入ってから456→450→446と徐々に減る馬体がどうかです。
さすがに馬ですので、10kg位は増減ありますが、次マイナス6kgとかだと少し心配にはなります。ベストがそっちかもしれないですけどね。
今日も目視できるレベルで細い印象はなかったので、もう少し減っても大丈夫だとは思いますが。

もっとスローになるとどうでしょうか?
ある程度流れていた方がレースがしやすそうなので、マイラーがきっちり潰れるオークスになれば、一気に突き抜けてもおかしくないです。

サトノワルキューレが目立ちますが、2着3着も相手なりに走りそうなので、オークスで簡単に切りにくい。