写真で振り返る 第78回皐月賞 レース回顧




レース

スタートでジャンダルムとグレイルがタイミングが合いませんでした。
というかグッと後ろ脚で立ってしまったように出遅れ。オウケンムーンも良くありません。

タイムフライヤーとワグネリアンの白帽子は包まれないようにという意識もあったのでしょう、割と積極的に出ていったように見えます。

押しながら内でアイトーン。ジェネラーレウーノ、サンリヴァル、大外ジャンヴァルロにエポカドーロが想定通りに積極的に進めます。
ケイティクレバーは行こうという意識はなさそうで、ここは作戦ですかね。

宣言通りの逃げを打てたアイトーン。
エポカドーロが2番手、ジェネラーレウーノが3番手付近。
サンリヴァルもここでは逃げそうでもなく、ジャンヴァルロが外を向きながら走ります。

タイムフライヤーはずっと内。やや走りにくそうにしていたかなと思いました。
ジャンダルムはスタートで遅れたのもあり、ジワっと外へ。

ワグネリアン周辺です。
盛んに外を向けているシーンが目に付きました。馬が隣を威嚇でもしているのかどうかの判断に迷う所ですが、タイミングをみてサッと外に出すのは悪くありません。チャンスは何度もなさそうですし。
キタノコマンドールの前につけ、外からダブルシャープを行かせて2コーナー手前ではおよそ狙い通りだろうという位置が取れていたと思います。

オウケンムーンとグレイルが最後方。
ステルヴィオも予定通り後方ですが、もう少し前が欲しかったでしょうね。ややルメール騎手が促しているようにも見えるので、ホームストレッチの動きが良くありませんでした。
ジャンダルムが後方は作戦違いでしょうが、「こっから差す馬じゃないよね」と思いながら見ていました。

内からアイトーン、ジェネラーレウーノ、ジュンヴァルロの3頭が引き離しながら1コーナーへ入ります。

前の3頭が離しているので、実質レースのペースを握ったのはエポカドーロでしょう。
サンリヴァル、ケイティクレバーを引き連れて逃げています。

その後ろにマイネルファンロン、内でスリーヘリオス、やや持っていかれているタイムフライヤーに外からダブルシャープ。

中団後ろに内からオウケンムーン、ジャンダルム、外にスペースがしっかりできたワグネリアン。
後方にグレイル、ステルヴィオ、キタノコマンドールという展開です。

ペースは前と後ろで考えないといけないような流れです。
前は馬場を考えれば速いと思います。35.5-47.0-59.2。

エポカドーロは800mを49.0付近で通過していますので、+2.0秒。なので、36.5-49.0-61.5位です。
エポカドーロの位置だとスロー気味。後方は更に遅いのでとてもゆったりしています。
オウケンムーンとかグレイルとかがっしり抑えていますし、内の馬はスローで前に行けずに窮屈そうなシーンもあったかな。

1200m付近でもペースが落ちず、3頭が離していた状態で4コーナーへ入ります。
「あれ、これヤバイかもしれない」と思った人もいたはずです。馬場もパンパンの良馬場でもないですし。

エポカドーロはじっくり走っていますが、外からワグネリアンの手が盛んに動いています。
これはこの馬の特徴ですし、ステルヴィオなどに比べると早仕掛けですが、前がこんなに離れていますので、作戦は悪いとは思いませんでした。
動き出したタイミングは文句も言えません。

一方で内を選択したオウケンムーン。
あまり馬場が悪いのは上手ではなさそうでしたが、外回しても無理という判断でしょう。これも仕方ない所です。
ジャンダルムも外回して末脚勝負だと分が悪いので、コーナーを内で走り距離を稼ぐ作戦ですね。出遅れてしまっていますし、止むを得ません。

そのオウケンムーンをブロックしたように走ったタイムフライヤーですが、4コーナーの動きがイマイチ。
走りがなんかガッタンガッタンしていて、スピードに乗り切れていない様子。前に馬がいないのに、そのスペースに入れません。

徐々に前がペースダウンをしていき、ジュンヴァルロが先に苦しくなり、アイトーンに並ぶまで苦戦しているジェネラーレウーノ。

直線で内外大きく離れます。
馬場が内が悪いので、多くの馬が外へ。アイトーンとジェネラーレウーノが頑張っています。
エポカドーロは4コーナーで皐月賞のダノンプレミアムのように外へ外へ持ち出しながら直線では割と芝の良い所を選択して走れていました。

グレイルは岩田騎手が内を狙っている動きでしたが、ジャンダルムやオウケンムーンに先に入られ、外へ。
コーナーはロスはなかったですが、直線でマイネルファンロンの後ろにしか入らないといけなかったのが…。少し追えないシーンが。ミスではないですが、着差を考えるとついてなかったです。

ワグネリアンは追ってからの反応の鈍さは変わらず。
先に動き出したのに、マイネルファンロンを交わせるどころか直線入り口で離されてしまいました。これだと苦しい。せめて直線で並べていないと。

エポカドーロが力強い足取りで一気に抜き去ります。

サンリヴァルはキングズガードとかに似ていて(藤岡騎手はこういう馬が多い気がします)追うと内にささり、外へ外へ矯正しながらの直線。
前に邪魔されている訳でもないので、もったいない。

ステルヴィオが加速し、大外からクビをグッと下げてキタノコマンドール。

エポカドーロが先頭に立っても変わらず脚色衰えず。
サンリヴァルが2番手に上がり、内でジェネラーレウーノが頑張ってしまっています。
馬券的には「やばい!ジェネラーレウーノ買ってない。誰か差せ!」と祈りながら。

エポカドーロがゴールに向かって一直線。

2着のサンリヴァルは前半から無理せずにじっくり。
直線で口向きが悪いのが気になりましたが、こんな感じだったかな。覚えてないけど。
昨年のクリンチャーみたいなタイプになれそう。そして距離は持ちそうなので、ダービーでこけても菊花賞で狙いたいです。

3着にジェネラーレウーノが粘り込んでしまいました。馬券的にこの馬を外したので、少し厳しめに。
スタートからかなり積極的に絡み、4コーナーで鈍くなったのに、そこからの粘り腰。
菊花賞で狙えそうというタイプだったのに、まさかここで来るとは…。
馬場が鈍ったのも相対的にプラスだったのは事実ですので、やはり切れ味勝負となると不安が残ったままです。

ステルヴィオは3着とタイム差無しの4着。
坂を駆け上がってからスプリングステークスはグッとそこから加速していきましたが、走りに上下動が出てきて、苦しそうでした。
キタノコマンドール、グレイルに「並ばれている」側なので、やはりあれだけ卓越したスピードと切れ味はこの馬場、この距離だと苦しくなってしまったんでしょう。
ダービーで距離は?というのが不安にはなります。ダービーに行っても最後伸びきれずのシーンも考えたいです。

一方で大きな大きなダービー優先権をゲットしたキタノコマンドール。
これはダービーは怖い1頭です。
長めの距離も大丈夫そうですし、もっと切れる馬場の方が良いのは確かですが、長くいい脚を使えそうなタイプですので、巻き返しはありそうです。
4コーナーで外からワグネリアンに並びかける感じは、現時点でもスケールはかなり大きいと思います。

グレイルはステルヴィオ、キタノコマンドールと並んで上がり最速タイの34.8の末脚で6着。
右回り、稍重の馬場ということもあり、随分と巻き返してきました。負けたものの、次に期待できる走りでした。
スタートはもう少し出せれば違うんでしょうが、あれだけ追い込みだと辛い面もあります。
あのまま内に行けたら…と思うものの、馬場を考えたら外が正解です。直線僅か追えない時間がもったいなかった。本当に。

ジャンダルムは出遅れてしまってはどうしようもないです。
ゴール前に急激にペースダウンをしているので、この馬も距離は少し長いのかなぁ。
自分は持つと思いましたが、訂正。ダービーは長いと思いました。

タイムフライヤーは10着止まり。
4コーナーでガタガタしたのもありますし、こちらも残り200mで失速。
エポカドーロの真後ろを走れている以上、コース取りに問題はないでしょう。ダービーで巻き返せる感じの負け方ではありませんでした。

オウケンムーンは内を突く作戦は一か八かだったと思います。
馬場が悪く、追走にも苦戦しているようでしたし、身体も小さくなっていて返し馬では迫力不足に感じました。
なので、馬場が良くなれば完全に見限れませんが、ここから巻き返すとなると…。

1番人気のワグネリアンは7着。上がりも35.2と際立った数字でもなく、サンリヴァルと同じ。
スタートから外に出し方は強引でもなく、スムーズに走れていたと思います。道中も喧嘩している様子もありませんでした。
4コーナーの反応の悪さは相変わらず目立ちました。
マイネルファンロンを抜けず、キタノコマンドールに被せられ、直線最後はグレイルに弾き飛ばされてしまい、追えずに終戦。
グレイルも決して強引ではなく、先に完璧に進路を取られたと判断されている事象ですので、グレイル陣営に過怠金も戒告もなし。完敗です。
ダービーで巻き返せるのか?ですが、力は信じたいものの、後を引きそうな負け方です。

そして勝ったエポカドーロです。

勝ち時計は馬場を考えればそこまで悲観すべき数字ではないですね。なお、レースラップのラスト4Fが全て12.0を超えたのはゴールドシップが勝った時以来。
オルフェーヴル産駒がクラシックを制しました。
スタートから逃げる訳でもなかったですが、ほぼ逃げている状態。直線は早めに外に出して前を抜き去っても止めることなく駆け抜けました。
勝ったレースも負けたスプリングステークスも自分の後ろをきっちり離していて、抜き去る時に併せる事もせず、真っ直ぐ走るのは素晴らしい。

展開も馬場状態も向いたと思います。
追ってからいい脚を使いますし、スピードもあります。気難しさも見せませんし、本当にレース上手です。
問題はダービーがどうか?ですが、今度はダノンプレミアムも出てくるでしょうし、今回以上に目標にされてどうなるかな。
母であるダイワパッションは短い距離でしたが、そこまで心配していません。

 

ちなみに、馬券は外しました。荒れるのを演出するのはエポカドーロ、サンリヴァル、グレイルだと思っており、前2頭は決まったので、誰か来い!と。
焦って撮ったブレブレのゴール前。「ナイス!キタノコマンドール。押さえて良かった。」と思ったのも束の間、角度が…。あぁ無念。

 

勝ち戻ってきた戸崎騎手とエポカドーロ。ガッツポーズ。
「平場だけ」「リーディング上位騎手がG1なのに裏開催にいる」とか戸崎騎手は最近言われていましたが、ここで勝てて良かったですね。

 

桜花賞でも皐月賞でもディープインパクト産駒はオルフェーヴル産駒、ロードカナロア産駒に先着を許しました。
馬場や展開の向き不向きもあり、必ずしもディープインパクト産駒が勝てる事はありませんが、種牡馬世代交代の可能性が少し見えた感じもしました。
もちろん、ダービーはこうはいかないでしょうけど。

展開の読みは大体あってるけど、ジェネラーレウーノを外してハズレ。
本当にショックです。馬券の素質が無さすぎ。