第69回朝日杯フューチュリティステークス(G1・阪神・芝1600m・良)
1週書かずに過ごしていました。
先週は競馬ではなく、乗馬が忙しかったので、パス。
結果は馬と折り合いをつける事ができず、非常に苦労しました。あれをやるとジョッキーに「折り合い」とか言えん。入れ込んでしまった馬だと本当に難しい。相手はある程度意思疎通はできるとはいえ、馬です。
そんなこんなで2017年のラストが見えて来た年の瀬。朝日杯です。
ダノンプレミアム、タワーオブロンドン、ダノンスマッシュと非常に良い勝ち方をしてきた馬に加え、前走ダノンプレミアム相手に脚を余した感じにもあるステルヴィオ。
ディープインパクトとロードカナロアの戦いとも言えますね。
Raven’s Passの仔もいますが、あの馬は10000ユーロ(130万少し)なので、やや格落ち感はあります。実績はピカ一ですが、種牡馬実績はそこまでではありません。
好スタートを切ったダノンプレミアムとアサクサゲンキ。
内でフロンティアや首の長いファストアプローチも前に行きます。タワーオブロンドンも好スタートから抑え、いい位置を取りました。
そしてスタート後に外から一気に前に押し上げた京都2歳Sでも逃げて粘ったケイティクレバー。
前走は2000mで好スタートから自然の先行でしたが、今回は思い切った感じに見えます。
先頭で2馬身位離してケイティクレバー。
その後ろからファストアプローチで内で3番手、やや口を割りながらもダノンプレミアム。
ここで行ってしまうと当然スタミナを使ってしまいますが、そこはプロの騎手。しっかり抑えています。
外からカシアスとアサクサゲンキ、内でフロンティアとタワーオブロンドン。
外からダブルシャープとムスコローソ。
ケイアイノーテックにアイアンクローと続いて、真ん中より後ろにステルヴィオにダノンスマッシュ。
後方に染め分け帽のライトオンキュー、ヒシコスマー、イシマツという展開です。
ペースは35.2-59.3。
決して急流ではありませんが、古馬1000万下や1600万下でもそこまで劣るものでもありません。
少なくともこの時期の2歳馬ですし、G1とはいえあれこれ言うことはする必要がないペースです。
スタート直後にはダノンプレミアムやアサクサゲンキ、タワーオブロンドンなどが少し行きたがる素振りを見せてはいましたが、すぐに収まりましたし、道中の有利不利は大きくはなかったと思います。
私は後方のステルヴィオを見ていましたが、こちらはやや勝負所での反応が鈍いように感じました。C・デムーロ騎手が人気馬では誰よりも早く鞭を抜いていますし、馬群に入って少しフワフワ。完成度はまだまだな印象を受けた道中です。
4コーナーでステルヴィオの外にいたアイアンクローが顔を内に向け、若い所を見せていた一方で、ファストアプローチの内でじっくりと待っていたダノンプレミアム。
「後は直線で少しばらければそこを走るだけ」というなんという楽な走りをしているんだと驚きました。これでは後続はシャットアウトされるという雰囲気を感じた方も多かったのではないかな。ステルヴィオ、複勝で良かったと思いました。単勝は無理だと。
直線は逃げるケイティクレバーと斜め前にいたファストアプローチが外に少し膨れたことにより、ダノンプレミアムは楽々と抜け出します。
その後ろのファストアプローチやタワーオブロンドンも頑張っていますし、カシアスも差を詰めようとしていますが、前と差が広がります。
残り200mを切ったところで、ようやくエンジンがかかったステルヴィオに並ぶようにケイアイノーテック。
熾烈な2番手争いを後目に川田騎手が内から後ろを振り返り、最後を首筋をポンポンと撫でながらフィニッシュ。
勝ち時計1:33.3は1つ前の元町Sの1:33.8を上回る大変優秀な時計です。
そして3番手にいながらレース最速の上がり33.6。重賞で3馬身半の圧勝劇。
時計も勝ち方も文句なし。スタートセンスもありますし、59.3ではかかる位のスピードの前向きさ。
もちろんこの特徴が東京2400mにマッチするかは正直微妙ではありますが、皐月賞やNHKマイルカップでは先行して押し切ってくるでしょうし、かなり厄介な馬であることは確かです。展開に左右されない強みがあります。
この位の位置で競馬できれば、大崩れは考えにくいですね。
デビュー時からすでに14kgも大きくなっており、走りはリズミカルではあるものの、滑らかというよりは少し硬くも見えます。
血統的には母父がIntikhab(インティカブ)で父がディープ。
サトノラーゼンなんかと同じですが、母父がIntikhabだと最近だとFoundがそうですね。
芝の良馬場の2歳のマイル以上の重賞で3馬身半というのは記憶にほとんどありません。
結構突き放した記憶があっても大体2馬身~2馬身半です。ちなみに、グラスワンダーの朝日杯で2馬身半。
1990年以降は多分これだけ。
- サダムパテック(2010年東スポ杯)/3馬身半
- ロジユニヴァース(2008年ラジオNIKKEI杯)/4馬身
- ナリタブライアン(1993年朝日杯3歳S)/3馬身半
- ヒシアマゾン(1993年阪神3歳牝馬S)/5馬身
- イソノルーブル(1990年ラジオたんぱ3歳牝S)/3馬身半
全部翌年以降のG1馬。
普通に無事に行けば、この馬がG1をこれっきりってことはないと思います。
私はこのペースであれだけ行きたがるようだと、下手に抑えることはせず、マイル~2000mで頑張ってほしいです。
今これだけ走れれば、NHKマイル→安田記念で十分両方狙えます。
2着だったステルヴィオについては、追い出してからの走りは悪くないですが、4コーナーでもたもたしてたのが気になります。エンジンがかかるまで時間を要しているように見えます。
ロードカナロアという血統から短めという安易なものではなく、もっと長い方がいいと思います。走り出してからはストライドも大きく素晴らしいので、こういう「勝ち切れない馬」はNHKマイルCでは怖い。昨年のアエロリットみたいに。
タワーオブロンドンはゴール前で落ちてしまったので、1400mから伸ばしていったのですが、このスピードを維持するとなると、現状距離が50m位長いですかね。
ただ、まだまだこちらも2歳馬ですし、前半少し力んでいました。
ロスなく進めていての結果ですので、現時点では完敗ですが、東京の走りを見ている限りこんなもんじゃないと思っています。馬群に入れるより外を伸びてきた方がいいのかもしれませんが、そんなことしてたらダノンプレミアムはもっと前に行ってしまいますので、致し方ない所。
ケイアイノーテックは直線でステルヴィオに並んで抜かされてしまったので、現時点ではステルヴィオにも完敗。
マイル路線では安定して走れると思いますが、もう1つパンチがほしい。
分かったのは負けたとはいえ1:34.0を切っていますので、デイリー杯もばかにできないレースということでしょう。
ダノンスマッシュは後方から4コーナーで内へ。
するすると伸びてきてはいますが、ズバンと伸びなかったなと思いました。
前走は200m付近からグイッと伸びましたが、相手がここまで違うと「評価:ジリ脚」となってしまいます。
2ケタ人気で頑張ったのはカシアスだけですが、この馬だって函館2歳Sの勝ち馬で京王杯2歳Sの2着馬。
他の2ケタ人気馬は軒並み2ケタ着順に沈んでいるように、現時点の力差が明確に出た良いレースだったと思います。
阪神1600mになって難しさは変わりませんが、人気落ちさえしっかり抑えれば馬券的には面白いレースになりました。
過去東京マイル戦やOP特別で見せ場がないとなかなか上位に来れないレースになっています。
それを踏まえて来年頑張りたいですね。
そして、来週有馬記念。2017年も終わりそう。
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