第62回京成杯オータムハンデキャップ(G3・中山・芝1600m・良)
グランシルクがようやく重賞を勝ちました。
この突き抜け方は驚きもありますが、元々の力を考えればこれ位は驚かない気もしません。不思議です。
同日の木更津特別で1:33.3ですので、昨日の段階で高速馬場です。
マルターズアポジーの逃げによっては1:32.0を切れそうだなというレース前。
天気もいいですし、走りやすい馬場というのは決して悪い事ではありません。
パドックはそのマルターズアポジーが天気が良かったとはいえ発汗も目立ちました。
ブラックスピネルはプラス6kgで最高体重でもないにも関わらず、もう一絞りできそうな雰囲気に見えました。
返し馬はグリーンチャンネルだと良く分かりません。しかも中山1600mだとスタンドから向こうに行ってしまうし尚更。
映った時には既に待機してしまっています。
スタートは良い馬が多かった印象です。
オールザゴー、グランシルク、ボンセルヴィーソ、ダイワリベラル、ウインフルブルーム、マイネルアウラートにマルターズアポジー。
さて、というかいつ先頭に立つかだけですが1F目でしっかり先頭へマルターズアポジーが立ちます。
2番手に内からボンセルヴィーソ、ウインフルブルームと前に行きます。
マイネルアウラートにブラックスピネルも早め。ロサギガンティアも積極的に進めています。
オールザゴーまでが大体先行勢という感じで、そこからスペースがあってダノンリバティ。
ダイワリベラル、グランシルクは追走が非常にスムーズに見えます。
後方ガリバルディにアスカビレン。少し離れてウキヨノカゼ、トーセンデュークに最後方がミッキージョイという展開です。
マルターズアポジーが非常にテンポよく、平均少し速めという位のラップで心地よく逃げています。
34.6-45.8-57.1。
数字は出てますが、馬場を考えると平均少し速い程度でしょう。
道中は各馬かかる馬もおらず、マイル戦らしいスタミナとスピードを問われたいいレースになりそうな前半だったと思います。
前を楽に逃げさせると厄介ないのは周知の事実なので、適度に離されないようにロサギガンティアまでは走っていたかなと。
そのため、ダノンリバティの前がかなりスペースがあり、その後ろのグランシルクも誰にも邪魔される事なく前後左右が開いていました。
直線詰まったりなんだりが多かった馬ですので、走りやすいというのは重要です。
残り600mの地点でダノンリバティの松若騎手が肩鞭入れて反応の鈍い感じを見せています。
ただ、グランシルクが外からスーッと上がっていった時に、馬自身もやる気になったのかしっかり食らいつきました。
4コーナーでグランシルクが大写しになった時は「これは弾けそう」と思いました。それ位の勢いでした。
直線入り口で後続を潰し切り、シュッと突き放すマルターズアポジー。
ただやはり新潟とは少し違います。1F抜群に切れる馬が強いのが中山です。東京とかの方が意外に逃げ切れるものですが、坂もあるしそこまで楽ではなかったでしょう。
グランシルクが坂を一気に駆け上がり、ダノンリバティが後ろから、更に後方からガリバルディが突っ込んできますが前とは差がありました。
最後は田辺騎手が後ろを振り返り、余裕綽々のレース振りで1:31.6の好時計で1 3/4馬身突き放して勝利しました。
2着には道中後方で溜めていたガリバルディがダノンリバティをクビ差差し。マルターズアポジーは最後粘り込めずに4着。
勝ったグランシルクはなかなか重賞を勝てませんでしたが、今回はレース振り含めて文句なしですし、詰まることない位置取りに前半からばらけた馬群。
相手関係含めて向いたと思いますが、それでもこれだけ突き放すとはお見事です。
これをきっかけに「最後甘くなる」という癖もなくなるかもしれませんので、東京1600mでも大丈夫かもしれません。
スタートも上手でした。あれ位出ると抑えるのもポジションを選びながらができますので、後ろから行く馬でも出遅れない方が一般的には良いと思います。
G1だと足りないという走りには見えませんので、これで吹っ切れたらジャスタウェイのように走るかもしれません。
「こうやって前の馬を抜けばいいのか」と馬が理解するのか分かりませんが、飛躍のきっかけになりそうな勝ち方に感じました。
2着のガリバルディは久々ですがよく突っ込んできたと思います。
これは前が総潰れだったのもありますし、グランシルクの真後ろをなぞる様に走り、4コーナーでは無理に行かずに直線まで待っての追い出し。
すごくはまった感じはします。まぁ元々そういう馬っちゃ馬ですね。
3着のダノンリバティはコーナーの雰囲気は悪かったですが、追いかけてからがしぶとい。
これまで右回りはイマイチでしたが、このメンバーで唯一1:32.0を切る持ち時計でしたし、比較的高速馬場も向いたかな。
この馬も走るスポットが難しいです。
マルターズアポジーは4着でしたが、58kg背負って45.8-46.4で走り切りました。
本格的に厄介ですね。1600m~1800m付近だと本当に戦うのはイヤだと思います。
自分の後ろの先行勢をきっちり潰したのも立派ですが、スタートの速さ、コーナーで無駄にペースを落とさない走り。
今回は負けましたが、自分の時計分しっかり走れるのは脅威ですし、前に無視できない馬がいるというのはレースを面白くさせます。貴重な馬です。
その後ろがトーセンデューク、アスカビレン、ダイワリベラルと後ろから追走していた馬ですので、先行勢は深追いではなかったとは思いますが、総じて力不足でした。
ボンセルヴィーソも期待したのですが、1.32.7止まり。
展開が向かないというのではなく、マイルで46.0-46.0でまとめるのは相当難しいので、ある程度先行馬がしっかりいるレースだと誤魔化せませんでした。
最新のコメント