第239回英国オークス レース回顧




2017 Investec Oaks(G1・エプソムダウンズ・芝1m4f・Good)

今年で数えて239回目のオークスです。

人気は英1000ギニーは敗れたものの、一叩きして望むRhododendron(ロードデンドロン)。オブライエン厩舎にライアン・ムーア騎手。

2017 英国1000ギニー レース回顧

2017.05.08

対するはチェシャーオークスで圧勝して来たEnable(イネイブル)。ゴスデン厩舎にランフランコ・デットーリ騎手。

オブライエン厩舎止まらず。デインドリームの弟がダービー候補に名乗り。

2017.05.12

他にはフランスのサンタラリ賞を3馬身差圧勝して来たSobetsu(ソベツ)や、チェシャーオークスで2着に敗れたAlluringly(アルーリングリー)などなど。
全部で9頭立て。

レースは前半はオブライエン厩舎の3番手Pocketfullofdreams(ポケットフルオブドリームズ)が引っ張る展開でした。
2番手にSobetsu、3番手にEnableがつけ、それをマークする形でRhododendron、内からNatavia(ナタヴィア)にAlluringlyという展開。後ろの方は良く分かりません。

4コーナーではペースメーカーを務めたPocketfullofdreamsがやや突き放して直線に向かいます。

直線で早々に前の2頭が潰れてしまい、外から追いながらEnable、やや余裕があるように見えたRhododendronの人気馬が馬体を併せてマッチレースの形に持ち込みます。
突発的なスコールみたいな雨の中、人気馬2頭が追い比べ。

並んでからRhododendronが抜けません。後ろからAlluringlyも走っていますが、前とも後ろとも差が開いていきます。
雨でもへっちゃらだったEnableがRhododendronを振り切り、どんどん突き放していきました。

ゴールでは後続に5馬身差の圧勝。2着のRhododendronから更に6馬身離れて3着にAlluringly。
人気サイドの決着です。フランスから参戦のSobetsuは23馬身差のブービーに沈みました。

勝ち時計の2:34.13は相当良い時計です。多分レコードじゃないかな?
直近で近い時計で走ったのは2014年の2:34.89。勝ち馬は後にキングジョージを制したTaghrooda(タグルーダ)。
雨の割には馬場はGoodのように、悪くありませんでした。

次は愛オークスかキングジョージ?
その可能性はあるものの、まだ決まっていない様子。

父であるNathaniel(ナサニエル)は£17,500なので、約250万円です。
思えば父のデビュー戦も雨でした。そこで及ばなかったのがフランケル。
同じ初年度産駒で欧州で伸び悩み、日本でクラシックを制したフランケルに対し、英国でオークスを制したナサニエル。

母のConcentricの血統としては父がSadler’s Wellsですが、これまた珍しいノーザンダンサーの2×5があります。

英オークスはレースとしては激しいレースになって上から下まで着差が付くことが多いですが、今年もそうなりました。
かなりしぶとい印象の馬で、ここでのパフォーマンスは時計通りTaghroodaと遜色ありません。
パッとした馬のいない欧州中距離なら面白いかもしれません。

 

2017 Investec Coronation Cup(G1・エプソムダウンズ・芝1m4f・Good)

去年はPostponed(ポストポンド)でしたし、かつてはSt Nicholas Abbey(セントニコラスアビー)が3連覇したり欧州のこの距離では一定のメンバーが揃うレースという印象があります。

人気は毎度お馴染みのHighland Reel(ハイランドリール)。ドバイでは崩れていましたが、戻ってきました。
ライバルは昨年末のアスコットでブリティッシュチャンピオンズフィリーズアンドメアターフで4馬身差圧勝で2016年を締めたJourney(ジャーニー)の初戦。
昨年のエクリプスSを勝ち、前走久々に勝利したHawkbill(ホークビル)。

他には昨年の英ダービー3着のIdaho(アイダホ)に2着だったUS Army Ranger(ユーエスアーミーレンジャー)
隠し玉として前走一般戦を2馬身半差で圧勝して来たFrontiersman(フロンティアーズマン)。こちらは父がDubawiで母は名牝Ouija Board(ウィジャボード)という超良血です。

レースは序盤からHighland Reelが引っ張ります。さすがにこの出足に勝る馬は欧州にはいません。
2番手の外からHawkbill、内でドバイでポストポンドを沈めたPrize Money(プライズマネー)とゴドルフィンの2頭が追いかけます。

4番手に白勝負服に緑線のJourney、後ろにもう1頭白のシャドーロールのElbereth(エルベレス)がいて、Idaho。
後方内から黒勝負服のUS Army Rangerとかと一緒にゴドルフィンの勝負服に赤帽子のFrontiersmanという展開。

直線では逃げるHighland Reelに外からHawkbillが追いかけますが抜けません。さすがの粘り腰。
後続が潰れだし、外に出したJourneyも前走までとは相手が違いますので、苦しい展開に。

そんな中、1頭スゴイ体勢で追い込んで来た赤い帽子のFrontiersman。
ゴール前は外を向き、非常に追い難そうな体制になりながらもHawkbillを抜き去り、Highland Reelを追いかけました。

しかし最後はHighland Reelが1馬身3/4差の快勝です。さすがにこの辺でしっかりレースをさせると崩れません。
2着には新星Frontiersman。3着にはHawkbill。久々Journeyは5着。昨年のこの時期胸を躍らせたUS Army Rangerはビリでした。

勝ったHighland Reelは次はアスコットのハードウィックSからキングジョージが有力です。

On future plans for last year’s King George winner, he added: “We’re thinking he could run at Royal Ascot in the Hardwicke if he needed the run, then the King George maybe. He can travel after that.”

その後は「travel」と言われているので、遠征でしょうね。
今年は凱旋門賞という選択肢はない気がします。

2着だったFrontiersmanもハードウィックSが有力。アスコットで再び戦うことになるかもしれません。