レース
スタートは大外トラストが積極的なのと、サトノアレスがまたしても挟まれる感じで後退。前回は自分で躓いた遅れでしたが、今回は両隣に挟まれる感じで後手に。
内でスワーヴリチャードは好スタートを切り、ファンディーナも非常に良いスタート。
アダムバローズが先手を取りそうな前半です。こうみるとダンビュライトも地味にいい。全然見てませんでした。
アルアイン、ファンディーナ周辺です。
アダムバローズが先頭で2番手にトラストがつけます。
ややアルアインが口を割っていますが、この後クリンチャーが外から来ますし、前を壁にしていい位置を確保できたと思います。
ファンディーナも内を少し開けながらも好スタートから想定通りの位置は取れたんじゃないでしょうか。
砂煙が舞う中でダンビュライトと内から好スタートから先行しているスワーヴリチャード。
アメリカズカップが窮屈そうですが、仕方ありません。やや持っていかれている感じ。
スワーヴリチャードもこのまま行っても良かったと結果的には思いますが、やや悪い内側の馬場を考えると、外のスペースもなく自由もありませんでした。
後方でレイデオロ周辺です。
内にカデナと共に追い込み勢がいます。
アウトライアーズの外にいたペルシアンナイトの動きが1コーナーから見事だったと思います。さすがデムーロ騎手だなと。
レイデオロは1コーナーの雰囲気は良く言えば「変わっていない」ですが、もっと楽に下がればいいのに…と思いますが、そう単純な話ではなく。馬は難しいですわ。
1コーナー過ぎでデムーロ騎手が後ろをチラッと振り返り、前のアウトライアーズと内外入れ替えました。
外側にいて1コーナーに入っていったので、向正面で内からスルスルと上がっていった時に「いつの間に?」と思いながら観戦。
ここまでは動きの中で追えません。人間の限界がありますし、そもそもファンディーナを見てました。
内を開けての隊列。そのスペースを誰がどう使うか?というのは高松宮記念のそうでしたが、「内が悪い馬場」でレースが行われた時の醍醐味です。
そんなのが後ろで行われている中、アダムバローズが先頭でファンディーナは外に馬を置く感じで走ります。
2番手にトラスト、クリンチャーといて外からアルアインと並んでファンディーナ。
それを見る形でダンビュライトで同じ黄色の帽子のプラチナヴォイス。
内でマイスタイルが続き、徐々にポジションを下げてしまったスワーヴリチャード。
外から被せる感じでウインブライトが進出し、アメリカズカップ、コマノインパルスまでが中段。
やや抑えているアウトライアーズに内からスルスルとペルシアンナイト。
レイデオロも馬群を突っ込むのは上等なので、そのままの感じで動き、ペルシアンナイトをなぞるようにカデナも内側へ。
最後方に2歳チャンピオンのサトノアレスという展開です。
馬場も良かったのもありますが、ペースは35.1 – 59.0。
馬場が良いのもありますが、前もきっちりとペースを作っていたので、レース全体はなかなかハードな流れになりました。
皐月賞は最近毎回こんな感じですね。
なんでこんなに厳しいレースになっちゃうのかな。「勝てそう」という心理が働くのかな。
ファンディーナはまずまずかかるでもなく走っていました。ただ、59.0というのは初めてですし、前半の厳しさはフラワーカップの比ではありません。
他はスワーヴリチャードがチグハグでしたね。「外に出したい」という気持ちがあったのでしょうが、被され被され後方に。
結果だけ見ると内から走ってきた馬でもきっちり上位を確保しただけに、もっと内を使ってほしかったかな。
カデナもペルシアンナイトの後ろを上がっていきましたが、手綱を開いて内に行っていますが、それが若干ゴーサインになってしまったかのようです。前も開かれたし。
やや急に前に行ってしまいました。もっとゆったりでも大丈夫だっただけに、少し最後に響いたかもしれません。
その後ろからこちらも内を選択したレイデオロ。あれで外出している暇はないので、仕方ありません。
前の連中は特になかったものの、後ろがコース取りで色々と思惑があってみる分には面白いです。
アダムバローズが潰れ、トラストが先頭で4コーナー。
その後ろで池江厩舎の2頭が体をぶつけて走っていました。チームオーダーなんて当然ないでしょうが、ペルシアンナイトがやや強引というかなんというか。
外からファンディーナはいい感じでコーナーは走っていると思います。
カデナが内から外へ馬を出しながらなので、開いたスペースはほぼ全て取られてしまっているので、差し馬の宿命というべきでしょうか、苦しい展開になりました。
レイデオロは後方内でジックリ。あとは馬群を突っ込むという作戦でしょう。こうみるとやはりダンビュライトがスムーズです。全然見てませんでした。
直線でクリンチャーが手前を替えたらスゴイ形になってしまいました。
一旦内を詰めたんですが、これでトラストと馬体を離す形になり、1頭分ポッカリ。そこをじっくりと溜めていたペルシアンナイト。
外からファンディーナも頑張っていますが、相手が違います。前を抜くにも抜けません。アルアインのスピード相手では楽じゃないでしょう。
スワーヴリチャードは大外へ。前との距離はちょっとありましたね。サトノアレスも同様。
スペシャルウィークやタニノギムレットもそうですが、数多の名馬が喫した「届かない」という敗戦のをなぞるような直線でした。
砂煙が舞いながらも直線で内をズバッと突いたペルシアンナイト。
ここまではデムーロ騎手のエスコートは流石の一言。1番人気ではない馬だからこそかもしれませんが、完璧に近いと思います。
ファンディーナはここでアルアインに離され、ダンビュライトに交わされてしまい、ストライドは乱れていないものの、違いはそこまで明確には出ませんでした。
レイデオロは内からしっかり伸びています。
カデナはクビを下げて走っていますが、直線で外に出したりなんだりしているうちに離されてしまいました。
アルアインが先に抜け出したペルシアンナイトを追いかけ、ついに抜き去りました。
その後ろで右鞭を振るう武豊騎手のダンビュライト。
アルアインは518kgの大きな馬体を全身で使っていい走りをしています。最後まで脚色乱れずに走り切りました。
勝ったアルアインは予想通りバッチリ展開がハマった感じがします。
スタート決めて道中は前目をしっかりキープ。
直線は仕掛けを待っての追い出しで抜け出したペルシアンナイトを坂を上ってから計ったように差し切りました。
勝ち時計1:57.8。上がり34.2。
スピード能力は毎日杯の好時計から分かっていたことではありますが、馬場が良かったとはいえ1:58.0を切ってくるとはお見事です。
回復した馬場含めて、すべてが噛み合った素晴らしい走りでした。
心配というとこの勝ち時計が良過ぎるという点ですかね。
ディーマジェスティもそうですし、ロゴタイプもそうですが、ある程度スピードに特化しないと苦しい時計です。
ダービーになると「少し長いか?」という負け方も考えられます。優れたスピードはダービーの距離だと諸刃の剣になるかも。
同じことはペルシアンナイトにも。レース運びは言う事なし。前のクリンチャーがスペースを作ったこと含めて上手くいきました。
マイラーではないですが、2400mは少し長い気もしないでもありません。
ズバンと切れるタイプなので、ダービーだと息切れしちゃうかもしれないと思いました。
ダンビュライトは…。
展開が向いたのもありますが、全然分かりません。
「買えなくはない。が、積極的に買う理由もない。」という馬だったと思います。だから12番人気な訳で。私は上の2頭はピッタリ当てましたが、3連複にして外しました。この馬は外しました。無念。
スピード勝負もそんな向いているとは思わなかったし、これは止む無しです。
クリンチャーが粘って4着。
馬も騎手もスゴイ姿勢でしたが、最後まで頑張りました。
ダービー穴っぽくて負けるタイプかもしれません。距離も全然大丈夫ですし、ダービーの方が走りやすいと誰しも思うでしょう。そこに大きな落とし穴が無いとも言えず。
ダービーは皐月賞以上に切れ味を求められることが多いので、そこが心配です。
レイデオロは内を突っ込んで5着まで来ました。
健闘した方ですかね。叩いていれば変わった、という単純なものではないですが、スタートからの走りがもう少しスムーズならというもどかしさ。
ダービーもこんな感じになりそう。
スワーヴリチャードは全然ダメだと思っていたら6着まで巻き返していました。
最低限の中の最低限の走りはしたとも言えますし、一応内枠が向かないという理由はつけられます。
ただ、スタートも良かっただけに、見てる側としては不完全燃焼です。共同通信杯で内からスルスルと抜け出せていたので、外にこだわらなくても良かったんじゃないかなと思います。
カデナは4コーナーから直線にかけてのロスが響きました。
もっとスムーズにコーナーに入れれば結果は違ったかもしれないです。巻き返すならこの馬かもしれません。
サトノアレスとアウトライアーズはマイルの方がいいですね。サトノアレスは大丈夫かと思いましたが、今回もスタート後手で後方。
溜めて切れ勝負に徹することができるマイル戦の方が何かといいと思いました。
ファンディーナは道中はほぼ描いていた通りでしたが、直線で失速と言っていい上がり34.8。
特に坂を上った辺りからストライドが乱れ、走りに上下動が出てきていましたので、疲れたんだと思います。
もう少しスローの上がり勝負になれば結果は違ったでしょうが、一発勝負ですからね。
ただ、勝てない位置にはいないと思います。このクラス相手でも「流れ1つ」という勝負ができる馬ですので、オークスでもダービーでも引き続き注目していきたいですね。
本当に難しかった皐月賞です。
毎日杯、アーリントンカップ、弥生賞3着、すみれS、ホープフルステークスからの休み明けと上位5頭でまともにというかセオリー通り来ているのはダンビュライトだけ。
トライアル組がほぼ全滅というのはなかなか見ない事です。
皐月賞は比較的レースのヒエラルキーがしっかりしているので、本来起こりえない事が起きた感じ。
今年は事故だと割り切っていいと思います。
アルアインは写真を撮られる時にシュッとして、非常に頭のいい感じでした。
過去強い馬の多くは(ゴールドシップとか例外もありますが)、「はいはい、ポーズ決めればいいんでしょ」という位の余裕がありましたが、それに近いのは驚きました。
オンとオフがしっかりしている雰囲気があり、トータルのレベルが高い馬だと思います。
「牡馬のレベルが…」と言われていましたが、皐月賞だけ言えばかなりのものですし、各馬の反動が心配になる位のレースです。
上位陣の感じからすると、この走りはそうだとしてもダービーが素直に決まるとも思えず。変わらず混戦模様だと思います。
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