第68回阪神ジュベナイルフィリーズ(G1・阪神・芝1600m・良)
日本と香港とで行ったり来たりの週末です。
デイリー杯2歳S(ジューヌエコール)、新潟2歳S(ヴゼットジョリー)、小倉2歳S(レーヌミノル)、アイビーS(ソウルスターリング)、中京2歳S(ディーパワンサ)、クローバー賞(ブラックオニキス)、コスモス賞(サトノアリシア)と混合戦での強さが目立つ2歳牝馬勢です。
これに牝馬限定を勝ってきたリスグラシューに朝日杯へ向かうミスエルテ。
2歳の牝馬限定戦で重賞勝ち馬が4頭も顔をそろえるなんて滅多にないはずです。調べてないけど。
馬場はパンパンとは少し違う馬場だと思います。前日はやや重でしたし。
前日の古馬1000万下の摂津特別で1:34.8(48.7-46.1)。スローではありますが、これ位の決着になる気がします。
パドックと返し馬はあまり見てません。
香港と両方見てると結構厳しい。
大きく伸びあがるようにスタートをしてしまった木幡和也騎手のエムオービーナスと大外のリスグラシューが少し悪いスタートです。
対してレーヌミノルはそのレースセンス抜群を示すようにポンと好スタート。
外からアリンナが先頭にすぐ立ち、ショーウェイが2番手。外から少し掛かり気味になりながらゴールドスケープと先頭がほぼ固まりました。
内でじっくりとソウルスターリングに外レーヌミノル。
道中喧嘩しているように見えたのがジューヌエコール。内で白帽子ディーパワンサ。
外目にスズカゼ、内で手が動いてブラックオニキス。黄色2つのクインズサリナにジャストザマリン。
後ろにシグルーンがいて、ポンポン。ヴゼットジョリーに後方リスグラシュー、出遅れたエムオービーナス。
最後方にがっしり抑えたサトノアリシアとフェルトベルクという展開です。
前半が 12.4-11.0-11.3 = 34.7。
パンパンとまで言い切れない馬場を考えると、ペースとしては厳しい流れです。
この流れなので、ジューヌエコールは待ちたかったのだろうと思いますが、持っていかれてしまうと楽ではありませんし、ブラックオニキスも包まれた時に促していましたが、スピードを求められかつ18頭立て。馬群が密集するレースとなると、少頭数だったり外枠だったりした札幌とは求められる能力が違ってきます。
4コーナーで外を選択したリスグラシューと、内を選択したヴゼットジョリー。
直線で逃げるアリンナをじっくり待ちながら、内からソウルスターリング。レーヌミノルもジワジワと伸びているものの、前を抜くのに苦戦しています。
内からスッと抜け出したソウルスターリングが先頭に立ち、大外からリスグラシュー。
最後はソウルスターリングがリスグラシューに1馬身1/4差をつけて勝利しました。
勝ち時計1:34.0は相当優秀です。
前後半が46.7 – 47.3 と2歳牝馬としては高いレベルでのイーブンペース。
2着と3着と4着で1つずつ、8着のアリンナを境に上と下で1つ壁がある感じです。
古馬1000万下よりレースレベルが明らかに高いので、戦えない馬は出てきます。
このレースで過去10年で1馬身以上の差をつけた馬は以下馬がいます。
- 2015年 メジャーエンブレム 2馬身
- 2011年 ジョワドヴィーヴル 2馬身半
- 2008年 ブエナビスタ 2馬身半
ジョワドヴィーヴルはなかなか順調に使えませんでしたが、その他2頭はきっちり春の段階でG1を勝ちました。
着差としては必ずというデータではありませんが、1馬身以上の差は小さくありません。
勝ったソウルスターリングはご存知父フランケルに母はスタセリタ。
Soul Stirring (by Frankel x Stacelite) becomes Frankel’s first Group1 winner by winnig the Hanshin Juvenile Fillies in Japan#Frankel pic.twitter.com/wPBqHUqPDn
— We Horse Racing (@wehorseracing) 2016年12月11日
幸先いいスタートを切ったフランケルですが、欧州では結局G1は勝っていません。
悉くG1は1番人気でもコケ続け、今年は未勝利のままでしたが、遠く日本の地で見事初制覇です。
お母さんも名牝ですし、470キロ位の均整の取れた馬体でゴール前までストライドが乱れません。
ミスエルテとの力関係が分からないのも謎があっていいと思います。
アイビーSで2着に下したペルシアンナイトもあっさりと中京500万下で勝ちましたので、あのレースはレベルも高かったんでしょう。
ただ、やはり内枠の利をきっちり生かしたのも事実です。
内に包まれても大丈夫というのは強さではありますが、完璧すぎたとも言えるのかな。
前とも離れていましたし、馬が横にいてもまばらな状態。内枠のプレッシャーはありそうで少なかったとは思います。
2着に追い込んだリスグラシューは4コーナーの雰囲気がとてもよく、私は差し切るんじゃないか?と思いながら見ていました。
ラスト200mの脚は際立っていましたし、ストライドもとても大きく、こちらも将来本当に楽しみです。
こちらもフランスで活躍した母リリサイド。
重賞勝ちはありませんが、2010年のフランス1000ギニーにあたるプールデッセ・デ・プーリッシュにおいて、1着入線後進路妨害で6着降着があります。
スタートが悪かったのは大外で助かりましたが、五分に出ればいい勝負以上に走れそうです。追ってから伸びますが、ジワジワとずっと伸びている感じです。
レーヌミノルは1600mまでは持つだろうと思っていましたが、きっちり走って3着。
好スタートから抑えて積極的に進めましたが、直線で前のゴールドケープを抜くのに手間取っていましたし、1F伸びるごとに徐々にパフォーマンスが落ちてきているのも感じます。
1800mでも2000mでも大きく崩れる感じはしませんが、小倉2歳Sで感じたパワーも感じませんでした。
とはいえ馬群に包まれる競馬でしたので、今までとは違いましたし、それでも熱くなっていませんでした。来春なら分かりません。
ディーパワンサも最内でじっくりしていて、ソウルスターリングの後ろから追い出しましたが遅れてしまいました。
ほぼ同じコースを通って直線離されてしまったので、差は感じます。
ファンタジーSより反応は良かったと思います。
直線入ってからスッと反応していましたし、叩いてきっちり変わってきたというのはトライアルで負けても本番は、という馬だと思っておいた方がいいんでしょうね。
ヴゼットジョリーも休み明けで時計も1:35.0を切っていますので、十分走ったと思います。
ただ、新潟の走りに比べると、リズミカルじゃなかったというか、もう少し素軽い走りに見えたので、もしかしたら馬場がもっといい方がいいかもしれません。
個人的にはオークスで楽しみな馬なので、マイルでこれ位走れればいいと思います。4コーナーでもう少しシュンと動けるならマイルでも好勝負できそうです。
ジューヌエコールはスタートで内に切れ込み馬体をぶつけ、そこからかかってしまって…という流れ。5番人気以内で唯一掲示板を外しました。
こうなると厳しいですね。マイル以下で頑張れる馬だと思うので、フィリーズレビューに出てきたら、人気が無くても狙いたい1頭です。
上位に来た馬はゴールドケープも白菊賞を勝っていますし、サトノアリシアもコスモス賞、アリンナも秋明菊賞ときっちり500万を卒業している馬です。
かなり信頼できる結果ですし、来春もこの順列が大きく変わる感じにはならないと思います。
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