2016 エクリプス賞、サンクルー大賞 レース回顧




2016 Coral-Eclipse(G1・サンダウンパーク・1m2f7y・Soft)

古馬と3歳馬の最初の激突するレースとしてここから本番という感じがするエクリプスS。約2000m戦。
昨年の勝ち馬は凱旋門賞を制したGolden Horn。

今年はこんなメンバーです。

2016エクリプスS出走馬

思い出深いプリンスオブウェールズSの勝ち馬My Dream Boat(マイドリームボート)、3着だったWestern Hymn(ウエスタンヒム)。
アスコットミーティングをパスしたTime Test(タイムテスト)という古馬陣。

2016 プリンスオブウェールズS レース感想

2016.06.16

対して3歳馬は前走アスコットでのターセンテナリーステークス(G3)を勝ち7戦5勝で5連勝中のHawkbill(ホークビル)
そして前走セントジェームスパレスSでやや不利もありながら2着となったThe Gurkha(ザグルカ)が距離を延長してきました。

クイーンアンS、セントジェームスパレスS レース感想

2016.06.15

レースはこちらから。
英国は公式がイマイチなので、youtubeに転がってたのを。

レースはTime TestのペースメーカーであるCountermeasure(カウンターメジャー)が逃げますが、紫の白帽子であるThe Gurkha側のペースメーカーのBravery(ブレイブリー)が「勇気」という名前とは程遠い感じで抑えてしまいました。
少なくともThe Gurkhaを走りやすいようにサポートしないといけない馬なのに、普通に抑えて引っかかっています。何をしているのでしょう?

結局The Gurkhaの後になってしまいました。これでは何もサポートができません。

4コーナーまでは淡々と進みますが、馬場の悪さは走った後ろに足跡がつく馬場なので大体察する事ができます。
相当悪いと思います。

4コーナーで全身紫のThe GurkhaがHawkbillの内を狙おうとした所で、Time Testとの間に挟まってしまいました。
そこから外に出そうと思ったら、自分のペースメーカーがきっちり蓋をしています。
踏んだり蹴ったりです。いっそのことCountermeasureはレースを辞めれた良かったのに、変に走ったのでこんなことに。

直線は3歳馬2頭の戦いです。
外からThe Gurkhaが一旦出たか?と思ったら、もう一度差し返したHawkbill。

勝ったHawkbillはこれで8戦6勝で6連勝となりました。
父はKitten’s Joy(キトゥンズジョイ)。アメリカの芝のチャンピオンホースに、母父にGiant’s Causeway(ジャイアンツコーズウェイ)。
差し返したその姿は遠い日の母父の姿を見ているようでした。

次は未定というか分かりません。

2着だったThe Gurkhaはracingpostに以下の記事が上がっていました。

O’Brien eyes drop back to mile for The Gurkha

ということで、マイル路線に一旦戻しそうですが、こうも言っています。

A rematch with his St James’s Palace Stakes conqueror Galileo Gold looks a distinct possibility next, with O’Brien mulling the Qatar Sussex Stakes at the end of the month.

He added: “Originally the plan was to go from Ascot to the Sussex but because he’d done very well we decided to take this in. We’ll see how he is but if he’s well I’d imagine that could still be in the plan.”

「mulling」なので、ゆったり考えるということでしょう。
最初のプランはサセックスSでしたが、どうも一旦よく考えてから決めるみたいです。

3着だったTime Testはヨークでの英国際Sに行く予定です。

5着に敗れたプリンスオブウェールズSの勝ち馬My Dream Boatは秋に備えるということで、夏は休養し、秋の英愛チャンピオンSでしょう。

3歳馬は斤量有利ではありますが、最近で3歳馬で勝ったのはGolden Horn、Sea The Starsということで、両方とも凱旋門賞馬となる位の馬です。
まだまだ実績では及びませんが、粘りのある馬なので、息の長い活躍をしそうな感じがしました。

 

2016 Grand Prix de Saint-Cloud(G1・サンクルー・1m4f)

フランス古馬中距離路線の主流となっているサンクルー大賞です。
昨年はトレヴ - フリントシャー で決まりました。いかにもフランスという結果です。

今年はそれに比べるとこれからの馬も多く、小粒という感じです。

2016サンクルー大賞出走馬

人気はVazirabad(ヴァジラバド)です。
昨年のロワイヤルオーク賞の勝ち馬でもあり、今年はネオブラックダイヤも出走したドバイゴールドカップの勝ち馬です。
9戦7勝で7連勝中で、とても勢いがあります。
生粋のステイヤーで、デビュー戦が2200mと最も短く、次の未勝利戦が3000mです。
ここまで9戦してデビュー戦を除くと2700mが最も短いという馬で、ほとんど3000mを超えて走っています。2400mは未知の短さですので、スピード不足が心配です。

他には前走アストンパークSで今年初戦を走った昨年のキングジョージ2着馬Eagle Top(イーグルトップ)

前走シャンティ大賞(G2)を勝ったOne Foot In Heaven(ワンフットインヘヴン)。6戦4勝の3連勝中。
この馬のお母さんはディープインパクトが走った凱旋門賞で2着だったPride(プライド)です。2006年のサンクルー大賞を勝っていますので、母子制覇がかかります。

昨年のシャンティ大賞を勝ったManatee(マナティ)はVazirabadとほぼ同じレースを選択し2連敗中。昨年のそのシャンティ大賞以来勝ちがありません。
昨年のサンクルー大賞はTreveから5馬身1/4差の4着でした。

前走イタリアはミラノ大賞典を5馬身半差の圧勝し、ここまで15戦12勝のDylan Mouth(ディランマウス)
とはいえイタリア馬です。昨年はアスコットへ1回遠征し、キングジョージではPostponed(ポストポンド)相手に15馬身離されてしまいました。

レースはこういう感じです。

レースはペースメーカーのAlamgiyr(アラムジール)が逃げて、2番手の黄色がDylan Mouth(ディランマウス)です。
3番手にGarlingari(ガーリンガン)が続きます。

4番手のピンクがSilverwave(シルバーウェーブ)で内にHarlem(ハーレム)。
後方グループは内の緑が人気のVazirabad(ヴァジラバド)で全身青がManatee(マナティ)、外のえんじ色がEagle Top(イーグルトップ)です。

後方の白帽子が日本にも来たErupt(イラプト)、後方の内にいる青と白ポチがOne Foot In Heaven(ワンフットインヘヴン)、最後方の緑服に赤帽子がSiljan’s Saga(シルジャンズサガ)という展開です。

直線は一気に先頭に立つGarlingariですが、外からピンクの勝負服Silverwaveが先頭に立ちます。
Vazirabadは前が開いていますが、伸びません。

馬群の真ん中を突っ込んできたSiljan’s Saga、Manateeが粘るGarlingariに迫ります。
大外からErupt(イラプト)が最後いい脚で追い込んできて2着に上がりましたが、先に抜け出したSilverwaveを捉えられませんでした。

勝ったのはSilverwave(シルバーウェーブ)です。4歳牡馬。

12戦5勝でG1は初勝利です。
昨年のニエユ賞ではNew Bayの2着で凱旋門賞にも挑戦し、10着でした。
今年は前々走がガネー賞で2着、イスパーン賞でエイシンヒカリから12馬身差の3着に敗れています。
距離はもちろん違いますが、エイシンヒカリがぶっちぎった馬がG1を勝つとなんか嬉しい気がします。
次はどうなるか分かりませんが、凱旋門賞は登録しています。

2着はJCで6着、イスパーン賞で9着だったErypt(イラプト)です。

こちらは凱旋門賞5着ですし、フランスでならこれ位はやれていい馬です。
こちらはキングジョージも視野にいれつつ、最終目標は凱旋門賞でしょう。
今年のサンクルー大賞は勝ち時計が2:29.20と比較的高速馬場でしたので、この馬には合ったと思います。

3着はSiljan’s Saga(シルジャンズサガ)で、6歳牝馬です。

サンクルー大賞は一昨年Noble Mission(ノーブルミッション)の2着があります。
G1だと少し足りない馬で、イマイチ勝ち切れません。
凱旋門賞は一昨年が12着、昨年は8着でした。

1番人気のVazirabad(ヴァジラバド)は7着に負けてしまいました。

終始内でペースメーカーもまずまず仕事をしたと思いますが、最後伸びきれませんでした。
2400mという距離ですら、かなり短いのかもしれません。
3000m級のレースが目標になるでしょうね。7連勝でストップしました。

荒れたレースです。
上位人気が期待されていた新星だっただけに、実績のある馬が上位に来たのがなんかさみしい結果です。