写真で振り返る 第21回ユニコーンS レース回顧




スタートから前半

蹄鉄の打ち直しがあり少しスタート時刻が遅れましたが、各馬スイスイとゲートに入ってスタート。

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明らかに1頭立ち上がってしまっていますが、汗を掻いていたヒロブレイブが後手です。
その外の大外レッドウィズダムが素晴らしい好スタートを決めました。

そこから外からストロングバローズが行きますが、最内のマイネルバサラが先頭を奪います。ストロングバローズは2番手の外で折り合います。
ビービーサレンダー、ピットボス、スミレと続いてゴールドドリームが外。ストロングバローズが辿った道を後ろから前目に。

ピュアコンチェルトにヤマイチジャスティ、クインズサターン。そこから3馬身位空いてヴェゼールに好スタートを決めたレッドヴィズダム。
イーグルフェザーがいて、外からグレンツェント。

後方グループにダノンフェイス、ノーモアゲーム、最後方に出遅れたヒロブレイブという展開になりました。

これは芝の切れ目辺りのシーンです。

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マイネルバサラの逃げは12.5 – 11.1 – 11.7 = 35.3 。
1つ前の古馬1000万下の入りの3 Fも全て同じで12.5 – 11.1 – 11.7 = 35.3 。

ユニコーンSが1600mとなってから35.0を超えたのは2回しかなく、これより遅かったのは2013年のベストウォーリアの時で35.6というのがあるだけです。
入りとしてはややゆったり。とはいえ古馬1000万下~1600万下だと大体こんなもんだし、全然ダメというペースではありません。
例年このレースが流れ過ぎるだけで、大体これ位が平均ペースです。

従って「引っ掛かる」「速すぎてついていけない」という馬も少なく、馬の出入りも激しくありませんでした。
途中前後1頭位は抜いたり抜かれたりというシーンこそあれ、大きく動く馬も少ない静かなレースでした。

そんな中で気になったのはダノンフェイスでしょうか。
後方で少し促していたので、内側で砂を被ったのもあるでしょうが、エンジンが十分にかかっていない走りをしていました。
前走も内枠で3~4コーナーにかけて遅れてしまっているので、現状だと外を走れた方がいいのかもしれません。
35.0を切る流れも経験していますし、ペースではない何かだと思います。包まれるのがイヤか、砂を被ると嫌がるか、などでしょう。

ゴールドドリームは外からストロングバローズが前に行ってくれたのと、大外レッドヴィズダムが好スタートから抑えたので、すんなり外からストロングバローズを見る位置を取れました。
レッドヴィズダムは好スタートだっただけに、少し掛かるというか強引に抑えているので、もったいなかったかな。
逃げる必要はないですが、積極的に位置を取りに行けたスタートで芝を長く走れる大外だっただけに、あんなに抑えなくてもいいんじゃないでしょうかね。
前走追い込んで勝ってますが、出負けして後方になってしまっただけなので、追い込みがベターって訳でもない気がします。

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残り600m付近ですが、赤い覆面のグレンツェントが顔の位置が変です。
4コーナーもそうでしたが、スムーズじゃなかったと思います。

1000m通過が59.6。ここまでラップの推移含めて全て1つ前のレースと一緒の時計です。
比較しやすくて有難いものです。良いペースで走っています。

ストロングバローズが先頭に並びかけ、スミレを挟んでゴールドドリームも外から進出します。
ここでの雰囲気が2頭とも抜群です。いつでもスパートできそうな雰囲気で走れていますので、大体この時点で2頭は馬券内だろうという走りに見えました。

4コーナーから直線

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上位2頭は楽な手応えなのでいいですが、大外の赤い覆面グレンツェントでしょう。
コーナー加速しているので、多少膨れるのは分かりますが、コーナーを真っ直ぐ走ってしまった感じです。
内のレッドヴィズダムの1頭分外を走ればロスは無かったでしょうが、加速している割には前と差が詰まりませんでした。
写真でも顔だけ内を向かせていますので、鞍上の思いより外に膨れてしまったんでしょうね。

ストロングバローズが早めに先頭に立ち、それをゴールドドリームが追いかけます。
2頭ともほぼノーステッキですので、手応えの違いが断然です。
後は粘るか抜くかの戦いですので、分かりやすいレースになりました。
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連続写真のようにあとは行きます。
逃げるストロングバローズに並びかけて、後続とは決定的な差が開きました。
ピットボスも離されないようにしていたのですが、直線壁になったのではなく、馬のすぐ後ろにいるとキックバックもあるため、2頭の外に持ち出している時間がもったいなかったです。
騎乗云々ではなく、あの位置だと思い切り走れません。
結果的には前から砂が飛んできても踏ん張れれば、クビ差だけに3着はあったかもしれません。
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ゴールドドリームはストライドが大きく見えます。
クビを結構下げるフォームなので、同じゴールド繋がりで言えばゴールドアクターもそうですね。
特徴的な走りをする馬です。スピード感は感じないのですが、ストライドも大きいので速いんでしょうね。切れるというよりは、ジワジワとゴールまで伸びます。

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これで勝ったゴールドドリームは東京マイルで2回とも1:36.0を切る時計で走れています。
レース振りもいいスタートからスッと位置を取れるので、安心して見ていられる馬です。
古馬1600万下以上の力は十分にあるので、東京マイルなら来年G1で見たい馬です。この競馬場ならラニより変わらず上でしょう。
長い距離も走れそうですが、見た目以上にスピードがあるので、存分にそれを生かせるマイルがベストなのかな。
3歳同士なら問題ないでしょうけど。

ストロングバローズも好スタートから大きな走りで負けたものの2着を確保。後続に3馬身で1:35.8。
ゴールドドリームには差は詰めましたがこの舞台で2連敗。
目標にされましたが、この作戦が合ってると思います。今までは1600m以上がいい成績ですが、最終的には1400m位がベストになるかもしれません。

2頭のマッチレースでした。
川田騎手にルメール騎手という事で、ダービーと同じワンツーです。
シャッターはまた本番で外しました。1つ前は完璧だっただけに悔いが残ります。
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3着だったグレンツェントは4コーナーが全てのようなが気がしています。
もっと厳しく回れば1馬身半位までは詰められたでしょう。でも勝つには至らなかったとは思います。
OPクラスだと「いい走りだったが…」という敗戦が多くなりそうな負け方です。

ピットボスとクインズサターンの500万下完勝コンビは自分の力通り走ったでしょう。
現状このレベルとなると少し足りない力負けです。
1000万下なら斤量差もあってあっさりいきそうな力です。

ダノンフェイスは前半がイマイチでした。
上がり35.7と出てますので、もう少し前半がスムーズなら当然ピットボス位までは交わせていたでしょう。
1600万下でも戦えると思いますが、こちらも条件付き。前半あんな感じだけど、もっと流れた方がいいかもしれません。

上位陣は力通りに決まりました。
ペースも平均でしたし、最後まで伸びたものが上位に来ています。
前半が古馬1000万下と同じにも関わらず、勝ち時計で0.5秒も上回っているので、特に前の2頭は素晴らしい走りです。

ミュゼスルタンは初ダートのなので分かりませんが、少なくとも2着だったゴールデンバローズはOP特別でも掲示板の馬です。
これより0.9秒上回るというのは、なかなかできる事ではないので、かなり将来有望の勝ち方でした。
今年はダートも強いと思います。