Prix du Jockey Club(ジョッケクルブ賞/フランスダービー) レース回顧




Prix du Jockey Club(G1・1m2½f ・シャンティ・Soft)

パリは記録的な大雨で、シャンティ競馬場も数日前にfacebookで水浸しの芝が映し出されていました。
馬場はSoft(重)です。そう考えると思ったよりは悪化しなかったというべきかもしれません。

パリ市内はニュース映像見ても大変そうです。
非常事態宣言が出てますし、死者も出てしまっています。
http://jp.reuters.com/article/paris-flood-idJPKCN0YP0KD

さて、そんな中行われたジョッケクルブ賞。フランスダービーとも言われますが、芝2100mで行われます。

ざっと上位人気を。

前走オカール賞をぶっちぎったMekhtaal(メックタール)は2戦1勝も前走のインパクトがありました。
レース動画:https://www.youtube.com/watch?v=n4yAbRZqQ1w

昨年の2歳G1であるクリテリウムドサンクルーを勝ったRobin Of Navan(ロビンオブネイヴァン)。
前走のグレフュール賞(G2)は休み明けで2着だったものの、一叩きしてきました。
レース動画:https://www.youtube.com/watch?v=-dfBl–Zxk0

他にはロンドンゴールドカップというニューベリーの一般戦を4馬身半差で勝ってきたImperial Aviator(インペリアルアヴィエイター)。

デビューから3連勝し、そこからG1やG2でも好走していて、前走は英国ダービーのステップの1つであるダンテS3着だったFoundation(ファンデーション)。

デビュー2連勝した名牝Zarkava(ザルカヴァ)の仔にして前走仏2000ギニー(プールデッセ・デ・プーラン)で5着に敗戦して望むZarak(ザラク)など。

16頭立てです。

レースは以下のようになりました。

レースを先導したのは水色の勝負服のRobin Of Navanで2番手の赤いのがImperial Aviatorです。
外の大きい流星が特徴の青い勝負服がTalismanic(タリスマニック)です。

内の紫服の白帽子がBlack Sea(ブラックシー)で、その後ろの水色に濃い丸がAlmanzor(アルマンゾール)。
その外の黄色服の芦毛ちゃんが Golden Bridge(ゴールデンブリッジ)で、その内の真っ白服に紫帽子のシャドーロールのApilobar(アピロバー)はC・デムーロ騎手。

最後方付近のえんじ色の帽子がMekhtaalで、その前にいる赤めの勝負服に赤い帽子がDicton(ディクトン)、道中最後方の緑の勝負服にシャドーロールがZarakです。

見ての通り1000m通過タイムが1:08.48です。
昨年のNew Bayが勝った時はここが1:04.41、一昨年のThe Grey Gatsbyの時が1:03.02ですので、馬場がやはり悪いでしょう。ペースが遅くても4秒も5秒も遅いというのは少し考えにくいですし。

直線に入り、逃げ込みを図るRobin Of Navanですが、内から紫勝負服のBlack Seaが行きますが脱落しますが、外の白い顔のTalismanicが交わします。
それを内から外へ持ち出して追い出したAlmanzorが抜け出します。

それをお母さんの凱旋門賞の如く馬群を割ってきたZarak、大外から伸びるDictonが追い詰めますが、脚色衰えずAlmanzorが1着でゴール。

Zarakは後方内から良く割ってきましたが、さすがに追えない時間もありましたし、厳しいレースでした。1馬身半差の2着まで。

人気どころだとMekhtaalは最後方外から走っていますが8着、逃げたRobin Of Navanは11着、Imperial Aviatorは直線躓いたようになった後にレースをやめてブービーの15着、Foundationは前を抜けないと早々にレースをやめてしまい16着のビリになりました。

勝ち時計は2:11.62です。
2100mになってから恐らく最も遅い決着ですが、まぁ雨があんなんですからね。

昨年も一昨年も2:06.0を切る高速決着です。ざっくり2400mに換算すると、残り300mを19秒で走れば2:25.0位の決着になる馬場、というのがこの時期のシャンティ競馬場です。
「東京は時計が出すぎる!」と言っている人はいますが、フランスもこんなもんです。
測定誤差等はありますが、基本的に時計が出る競馬場ですし、差しも決まります。
馬場は雨が降るとこうなりますが、悪いのは水はけだと思います。ロンシャンもそうでしたし。

このレースもラスト3Fは12.26 – 12.30 – 11.93 ですから、馬場にしてはかなり上がりが出ました。
前の連中が軒並み潰れたので、思ったよりも前が疲れていました。追い込み馬が上位を占めています。

勝ったAlmanzorはこれで7戦5勝。
前走のPrix de Guiche(ギッシュ賞)はスミヨン騎手騎乗で2馬身差完勝してここでした。

父がWootton Bassett(ウートンバセット)で、€6000(約70万円)のまだ若い種牡馬です。2011年まで現役でした。
2011年のセントジェームズパレスステークス(G1)。勝ち馬はフランケル。
そこで8着に敗れた日本からのグランプリボス。その1つ前、7着だったのがこの馬です。

初めてのG1制覇ですし、ファーストクロップからフランスダービーを制しました。素晴らしい活躍です。

ジョッキーのエイケム騎手は2006年の仏1000ギニー以来のG1制覇になりました。

これにより、凱旋門賞のオッズとしては、約17倍前後の6~8番人気位になりました。
雨だったというのもあり、少し慎重かもしれませんね。