プレレーティングから見る2016年の皐月賞。エアスピネルは泣いていい。




レーティング116ポンドの持つ意味

過去のレーティングを見てもらえると分かると思いますが、皐月賞で1:59.0を切るような高水準レースだった時が大体117ポンド。
116ポンドという数字は、ゴールドシップやオルフェーヴルが皐月賞勝利時に与えられたレーティングと同じと言えば高さは伝わるでしょう。

ある程度実力がハッキリしている古馬G2で勝ち馬に120ポンドを超えるレーティングが与えられる事があります。ドゥラメンテとか阪神大賞典のゴールドシップとか。
対してキャリア3戦目の3歳馬。幾ら素晴らしいパフォーマンスだったとは言え、ここまで大盤振る舞いするとは…。

私は弥生賞はどんなに出しても114ポンドまでだと思っていました。
それは、皐月賞が117ポンド前後(去年のドゥラメンテは例外)に毎年なっているし、それに近い数字を出すという事はどういうことかというのはプロである彼らは十分承知しているだろうという読みです。
破ったリオンディーズが朝日杯で116ポンドだとしても、それは2歳時のものであり、G1で出したもの。ここはトライアルのG2ですから。

強い馬が上位にいるとはいえ実力的には3頭立てみたいなものですし、離れた4着のタイセイサミットをそこまで評価する必要もありません。

それでもマカヒキに116ポンドを出したというのは、2分を切る時計、上がり33.6では例年の弥生賞馬はおろか皐月賞馬が皐月賞時に出したパフォーマンスと比較して劣らないという評価を下した意味は重いと思います。
私みたいなのに「高すぎじゃないの?」と突かれるのを承知で出した訳だから、覚悟はいるでしょう。
プロが下した覚悟の評価は受け取っておいても損はありません。
そう考えるとマカヒキは強いです。もちろんリオンディーズも。

「エアスピネルは例年ならトップクラス」と言うのはレーティングだけ見れば正しいこと

弥生賞3着の112ポンドというのは、近年でこれ以上出した馬がサトノクラウンしかいない非常に高い数字です。
皐月賞時に同じレーティングだったのはヴィクトワールピサとキタサンブラック。その2頭しかいません。

「トップクラス」と評するのすら甘く見過ぎの感すらあり、ほとんどの年で「現時点で世代最強」と胸を張って皐月賞出走だったはずです。
これが2番手ならまだしも4番手。
皐月賞前にエアスピネル以上のレーティングを得た馬は過去9年で僅か4頭しかいないのに、その内3頭が同い年。しかも直接対決で敗戦。リオンディーズには2戦2敗。

エアスピネル、泣いていいよ。完全に不幸自慢になっている。。。

母エアメサイアもラインクラフトにシーザリオ、ディアデラノビア、デアリングハートとライバルに恵まれたが、息子もこの上なく恵まれてしまいました。
しかも1頭はシーザリオの仔。息子からしたら「何がメサイアだ!これじゃお袋のデジャヴーだ!」という気分でしょう。グレずに素直に育ってほしいものです。

エアスピネルの掲示板とかニュースのコメント欄とかに「脱落」とか書かれているのを見ると、「112ポンドを獲得した馬になんてことを…」とは思います。
私はそんなにファンでもないので中立で見ているけど、ファンの方は「何を言ってるんだ!」と言っていいです。