写真で振り返る 第91回中山記念 レース回顧




レース

最内でネオリアリズムが少しクビを上げていますが、リカバリも早いですし問題になる事はありませんでした。
ヒラボクディープのスタートが良くありませんが、お隣のアンビシャスもスタート直後によれています。

アンビシャスは天皇賞の時もフラッとした感じで遅れています。
クセもあるでしょうし、1歩目がグリップが利いていないようなスタートを切っています。

中山1800mですので、最初のコーナーまで距離がありません。
マイネルミラノか、外のクリールカイザー辺りが行くのかな?と思っていたらロゴタイプがかなり積極的に1コーナーまで走ります。

ネオリアリズムは早々に挽回し、ヴィブロスも好位へ。
リアルスティールも馬群に包まれていますが、先頭を射程に入れながら好位置を取りました。
まぁロゴタイプが逃げてべらぼうにペースが上がるなんてこともないので、ある程度ゆったりだろうなと思いながら1コーナーへ各馬を見送りました。

向正面の中盤位まではロゴタイプが先頭で引っ張ります。
2番手にクリールカイザー、内でネオリアリズム。マイネルミラノも先行。

中段にヌーヴォレコルトが外、リアルスティール、内でヴィブロス。
後方にサクラアンプルールにツクバアズマオー、外々アンビシャス。
最後方に少し離れてヒラボクディープという展開です。

ロゴタイプもネオリアリズムも抑えています。
やはりマイルG1で戦ってきた馬からしたらこのペースに我慢しきれなくなっても仕方ない流れです。

入りの4Fが37.4-50.3。
同日の未勝利戦で36.6-48.9ですし、雨も降って馬場が明らかに悪化していたヌーヴォレコルトの勝った年でさえ37.5-49.8。
1800mとしてはかなりゆったり。

「こりゃだめだ」と思ったのでしょう。
800m通過時点からレースが動きます。
マイネルミラノが先頭に立ち、ネオリアリズムが2番手、ロゴタイプが3番手。目に見えて加速していきました。
ここから11.1と一気にペースアップし、そこから5F、ゴールまで11秒台で駆け抜けました。

マイネルミラノが先頭で4コーナーへ。
アンビシャスは加速についていけてないクリールカイザーを交わさないといけないという状況でしたので、小回りコースだと響いてきます。
リアルスティールも動きが悪く、既に鞭が入り、元々急激な加速ができるタイプではないと思っていますが、ついていくのが精一杯というような風に見えました。

サクラアンプルールがコーナーで顔を内に向けてギリギリを通ろうという見えます。
終わってみればこれは見事な騎乗ですが、この時は気付かず。

ロゴタイプがネオリアリズムより先にスパートして粘り込みを図るというのは当然ですが良く分かっています。
ある程度前に、可能な限りのリードを保って粘るという特性を生かそうとした好騎乗だと思いました。

直線でロゴタイプが先頭に立ちます。
内でサクラアンプルール、内を塞がれた格好となったネオリアリズムが外に持ち出して再度加速。

ヴィブロスとアンビシャスが同じような勝負服で同じように走っていました。クビをアンビシャスの方が下げますが、ヴィブロスも比較的下げるタイプなので、紛らわしいです。
リアルスティールはここでもう脱落。ツクバアズマオーも雰囲気はいいですが、ここでスローの上がり勝負で外回って勝ち切る程の力はありません。

外の青いアンビシャスがようやくクビがグイッと下がって加速モードに。
ネオリアリズムのデムーロ騎手が逆鞭に持ち替えています。これを走りながら器用にやるのはさすがなんですよね。プロって凄い。

ヴィブロスも頑張っていますが、なかなか前との差は詰め切れません。

外からゴール前でグイッともう一伸びしたネオリアリズムがロゴタイプを交わして先頭に。
サクラアンプルールも内からロゴタイプに強襲しました。
この写真は非常に綺麗に撮れたなと思っています。

ロゴタイプは3着でした。
58kgを背負い、積極的な仕掛けから最後まで粘って…というのは毎回こうなので、いつも通りしっかり走ったという印象です。
「次は狙えそう」という負け方をきちんとするため、非常に分かりにくい1頭です。

唯一分かることは力は落ちておらず、走る気もまだまだあるという点。2歳G1を勝利して今年7歳。
重賞ばかり走り本当に立派です。今年もこんな感じのレースが続くのではないかと。

直線入り口で突き放しにかかったレース振りは文句なしですが、ここまでの上がり勝負は向きません。レース展開をいかに読むかがカギですね。

サクラアンプルールは内をするすると2着。
横山騎手の好騎乗でしたし、こういうレースですので、OP馬が余力があれば、いくら実績の差があれど距離の差を埋められません。
体重も増えて実績も安定してきていますし、6歳ですが力をつけているのでしょう。まだ17戦目です。

アンビシャスは直線最後にクビを下げて加速するシーンが見られたので良かったと思います。
道中待ち過ぎたかもしませんが、本番はここじゃないですし、上がり33.8で4着なら最低限の格好はつけました。
次はキタサンブラックなどが先導する大阪杯ですし、昨年みたいに2番手で走る必要はなくてもある程度前には付けたいでしょう。
スタートのイマイチさもありますので、道中は掛からないというプラスの面もありますが、この位置だと届きません。

ツクバアズマオーは大外から追い込んで0.5秒差の6着。
今回はペース含めて残念なレースになってしまいましたが、G2でもやれそうです。特に中山だと。
この流れだともう1列前を取れないとそもそも厳しいと思いますが、無理に行くのもね。

ヌーヴォレコルトはほぼ消えていました。
この馬も切れ味勝負だと分が悪く、それでいて牡馬と走っても0.5秒程度しか負けないので、いやらしいですね。

ネオリアリズムは絶賛確変中のデムーロ騎手を背にG2を2勝目。
ペースもゆったりで内でじっくりしていられたというのはありますが、直線きっちりと前を捕え、伊達に札幌でモーリス、レインボーラインを破っていません。

前に行くようになり、溜めて引っ掛かって切れ負けしていた頃とはレース振りが違います。
ペースが落ち着いた時に掛かるシーンもありましたが、以前よりマシになりましたし、ここにきていい感じの成長曲線を描いている感じがします。
今の今までは信頼しにくい馬ではありましたが、この走りがコンスタントにできれば今のロゴタイプの強化版みたいなレースができそうです。
溜めた馬に比べて上がりは出ませんが、バテバテになる絵も想像できません。

勝ち時計1:47.6自体はそこまででもないですが、後半1000mで57.3のレースを押し切ったトータルのスピード能力はかなりのものです。
立派なダークホースとして大阪杯ですかね。

 

で、ドバイ組の2頭です。

ヴィブロスは最後アンビシャスに差されてしまいましたが、秋華賞以来のレースで体も大きくなり、現状の力は出せたんでしょう。
本格化するのが来年位かも。
背がすらっとしている割に細すぎる気もするので、もう少し大きくなった方が競走馬としてのバランスはとれそうと素人なりに。
レースで何か問題があったような事もないので、現時点では力負けの部分もありますが、近々逆転しても何らおかしくありません。

リアルスティールは58kgとはいえ負け過ぎ。
常時上がり33秒台連発するような馬ではないので、流れが向かなかったのは事実ですが、なんかゴール前走りがフワフワしてたような印象を受けました。
アンビシャス程ではないにしろ全身使って走るのに、今回はほとんどその面影もなく。
もちろんここが本番ではないですが、昨年よりは「うーん、大丈夫か?」となる負けっぷりです。

しかしながら、ドバイのオッズはほとんど変わらず。
ブックメーカー各社は相変わらず3番人気位にしていますし、むしろ今日走ると言って回避したMutakayyef(ムタカイーフ)を逆転しました。
あくまでも前哨戦と捉えているのでしょう。

ペースが落ち着いたために、スタミナ勝負にはなりませんでしたが、ゴール前の迫力はありました。
デムーロ騎手は前日に続いての勝利。
こういう固め打ちができる騎手なので、注意しないといけませんね。