第8回レパードステークス(G3・新潟・ダート1800m・良)
G1で勝ち負けする馬も輩出している3歳馬による真夏の新潟決戦です。
ここらで賞金を加算しておくことで、秋の重賞が除外されないというメリットも多く、特に息の長い活躍をする事の多いダート路線はそもそもレースに出る事が大変です。
今年は13頭立てでした。
自分の体調が良くなかった事もあり、パドックなどは真剣に見ていません。
戦前の予想としては、逃げるケイティブレイブを巡る争いという感じでしょう。
力のある馬が逃げることになるので、紛れは少ないだろうなという予想を立てた方が多いんじゃないでしょうか。
ほぼ揃ったスタートからケイティブレイブがやや押して先頭を伺います。
ここで必要以上に後ろから突かれると厄介なのですが、内のヨシオも下げ、ピットボスが2番手収まります。
2F目の11.0に留める事が出来ました。10秒台が刻まれる事も多い新潟ダート1800m。無理なくスッと前に行けたので、1コーナーまではほぼ文句なしでしょう。
向正面でもペースをそこまで落とさず、13.0を超えるような事もなくケイティブレイブが淡々と走ります。
ピットボス、エネスク、コパノリスボンがいて、そこへじわっと前に進出した赤い覆面のグレンツェント。
離れてマイネルバサラにヨシオ、オーシャンビューにグランセブルス、外からレガーロ。
ネクストムーブに並んでフォースリッチで最後方がラテールプロミーズという展開。
大きくラップを落とすことなく逃げる武豊騎手の真骨頂のような展開です。
頭数がやや多いですが、イメージはアメリカの競馬に近いと思いながら見ていました。
速い馬が前に行き、それを有力馬が早めの仕掛けで動いていくというのは、見ていて迫力もあります。
4コーナーでピットボスとコパノリスボンの脚がイマイチということもあり、武騎手は無理せずコーナーを回りました。
外からグレンツェントが押しながら上がっていきますが、ユニコーンSに比べると反応は良かったと思います。最初からガンガンというタイプではないので、1800m~2000m位の方がレースはし易そうに見えました。
4コーナーでは派手に大外に持ち出したレガーロ以外は追走で脚を使ってしまっているような直線になり、どんどん脱落していきます。
それを後目に逃げるケイティブレイブと追うグレンツェント。大外のレガーロに粘っているピットボス。
逃げる側と追う側で一概にどちらが有利とは言えないですが、今回に関しては直線で完全に目標ができたグレンツェントの方が僅かながら有利だったと思います。
4コーナーで無理に前を抜かず、直線入り口から一気に加速して前の2頭を捉えた戸崎騎手の騎乗も上手だと思います。
なるべく早めに仕掛けたいと思いそうなものですが、タイミングは完璧だと思います。
勝ったグレンツェントは1600mよりは長い方がレースはし易そうなので、大きい所にも出てきてほしいものです。
少しズブい面もありますが、追ってからしっかりしていますし、上がり36.6、勝ち時計1:50.6は優秀です。
1800mであればこのレース位の位置取りができそうですし、安定して走れると思います。
ケイティブレイブは逃げるペースが絶妙でしたが、最後は決め手に屈しました。
負けてしまいましたが、この馬はもう1回位脱皮しそうに感じます。
ストライドも大きく、気持ちよさそうに逃げますので、もっと筋肉なりが完成してくれば、スマートファルコンになれる可能性はあると思っています。
3着だったレガーロはスタート直後最後方に下げ、じわじわ外から進出し、4コーナーはかなり強引に曲がってきました。
休み明けでしたし、決してレースが向いたとは思わないだけに、この走りは立派です。上がり36.4はレース最速でした。
本格化はまだ先だと思いますが、はまればすごい強い勝ち方をしそうです。
ピットボスはスタートから積極的に走りましたが、4コーナーでついていけなかったのが現状の力だと思います。
3歳馬同士の重賞になると少し足りないレースが続きましたが、このレースの時計も含めて自己条件なら楽々突破するでしょう。
第52回農林水産省賞典 小倉記念(G3・小倉・芝2000m・良)
猛時計が出る年もありますが、今年はさほどでも無さそうな小倉競馬。
ハンデ戦でダコール58キロからウインリバティ52キロまで6キロ差あります。
好スタートを切った夏馬メイショウナルト。
2番手のクランモンタナがかなり押して押して2番手を取りました。
外からウインリバティとテイエムイナズマで1コーナーへ。
サトノラーゼンにマーティンボロ、プランスペスカにダコールはちょうど中段。
後方にはベルーフ、エキストラエンド、リヤンドファミユでその前をアングライフェンが向正面で進出しました。
ペースは36.2 – 60.5ですので、ややスロー。
馬場は猛時計が出ないだけで、前日のメインはロイヤルストリートが1200mを1:07.7で走っている訳ですし、ややスローに分類できるでしょう。
メイショウナルトは4コーナーまでスイスイ走っていたと思います。
その後ろのクランモンタナは鞭がバシバシ入り、4コーナーから買っていいと言われても多くの方は買わないんじゃないか?という手ごたえです。
ダコールも小牧騎手が左鞭を連発していました。
直線で早々にメイショウナルトが沈んでしまい、変わって鞭連打で粘っていたクランモンタナが先頭に立ちます。
ダコールはマーティンボロが外へ外へよれていたコースをそのまま真後ろに入ってしまい、少し追えないシーンがありました。
その開いたスペースをエキストラエンドが制し、大外へ持ち出したベルーフが最後しっかり伸びてきます。
最後はクランモンタナが制しました。
キャプテントゥーレの下ですが、7歳にして重賞初制覇です。
前走の鳴尾記念も13着ですし、ここのところの成績を見てると良く走ったなとしか思えません。
勝ち時計2:00.0というのも、多少レースレベルは疑問符が付く結果です。適度に目標が前にいて、気持ちよくメイショウナルトを抜けたのも馬の気持ちを良くしたのかもしれません。
2着のベルーフは直線マーティンボロとダコールが外へ外へ行く中、一緒に外へ。
まっすぐ前を向いたのはラスト1Fだけでしたので、そこから良く追い出して2着まで来ました。
気難しい馬ですが、闘争心を適度に出す感じでとても良かったと思います。
ここから復活してほしいところです。
3着のエキストラエンドはこちらはマーティンボロが外へ行った所でできたスペースを上手に突きました。
いつ走るのか分かりにくい馬ではありますが、ロスなく走れたのが良かったと思います。
4着だったダコールは前が壁になった時点で内を選択していれば…でしょう。
とっさの判断なので難しいのは承知ですが、大きなスペースができていました。勝ち負けに加われたかどうかはさておき、やや悔やまれる敗戦です。
とはいえ勝ち味が遅い馬ですので、ちゃんと走っても2着だった気もしないでもありません。
サトノラーゼンは終始内でじっくりロスなく走っていましたし、直線もすんなり前にいける位置にいました。
それでも伸びないので、重症かもしれません。
諦めちゃってる感じに見えるので、ここからの復活は楽じゃないでしょうね。
メイショウナルトもいい時は4コーナーでもう1つギアが上がったものですが、それが無くなっています。セン馬なので走るしかありませんが、年齢もそろそろ…という時期です。もう一花咲かせられればいいですが、こちらも簡単じゃなさそうですね。
アングライフェンは果敢に攻めましたが直線はさっぱり。
過去重賞で2桁着順が続いているように、現状クラス慣れが必要なのかもしれません。こちらは幸いにしてまだ4歳。可能性は十分あります。
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