2017ブリーダーズカップ1日目 回顧




Breeders’ Cup Juvenile Fillies Turf(G1・デルマー・芝1600m)

2歳牝馬の北米戦です。

人気はジャン・リュック・ラガルデール賞を勝利したオブライエン厩舎のHappily(ハッピリー)
ウッドバインのナタルマS(G1)を差し切ったCapla Temptress(キャプラテンプトレス)、ディープインパクト産駒のSeptember(セプテンバー)、前走キーンランドのG3を勝利して2連勝中のRushing Fall(ラッシングフォール)

レース映像です。
スタートで黒い勝負服September、父を彷彿とさせるスタート失敗。
内で2番の紫勝負服Happilyも押してもポジション取り失敗。僅か数歩で「これ大丈夫?」と思わせるスタートでした。
結局オブライエン厩舎の2頭は最後方とブービーの内側。

多いうえにアメリカの2歳馬なので、かなり難しいです。
しかもカメラがなぜか上から。
これも面白くて動きが分かるのはいいのですが、やはり横からに慣れていますし、見慣れてない馬の場合、判別が難しいのが難点です。

逃げるのはMoon Dash(ムーンダッシュ)。前走G3勝利の上位人気の芦毛Significant Form(シグニフィカントフォーム)が4番手の外。
その後ろの4頭並びの外がRushing Fall、その後ろの列の4頭並びの内側にHappily、黄色い服に★マーク、黒い帽子がBest Performance(ベストパフォーマンス)、赤い帽子の緑服がCapla Temptress、その外にいる緑っぽい服がFatale Bere(ファタールベレ)、最後方からSeptember。

ペースは23.04 – 47.23。
デルマーはサンタアニタパークとは違って超高速馬場ではないので、48秒切って半マイル通過しすればまずまずではないかと。

4コーナーで外からSignificant Form、その外からRushing Fall、Fatale Bereが上がってきます。
内で紫勝負服Happilyがダメという感じで最後方からディープよろしくSeptember。

直線は先に抜け出したSignificant FormをRushing Fallが抜き去り、馬群を縫ってするすると突いてきたBest Performanceが2番手に上がった所で大外からSeptemberが差を詰めますがRushing Fallが3/4馬身差で勝利。勝ち時計1.36.09。

Septemberは3着。いい追い込みでした。なんか走りはディープ産駒っぽいのが良いですね。
Happilyは最後完全に失速してビリでゴール。遠征は難しいです。

勝ったRushing Fallは父がMore Than Ready(モアザンレディ)。サザンヘイロー産駒で種付け料は$60,000(680万円位)。
前走3馬身1/4差で圧勝していましたし、ここもきっちり走りました。

 

Breeders’ Cup Juvenile Turf(G1・デルマー・芝1600m)

人気はゴドルフィンのMasar(マサラ)
人気が割れていて、2連勝中でサラトガのG3勝ちのCatholic boy(カトリックボーイ)、英国に渡りミルリーフS(G2)を勝利してきたJames Garfield(ジェームスガーフィールド)、オブライエン厩舎からは名牝ビホルダーの弟Mendelssohn(メンデルスゾーン)

大外の馬以外はまずまず揃ったスタート。
牝馬の方では失敗したものの、今回は内からするするといい位置を取れたMendelssohnのライアン・ムーア騎手。

前半から22.83 – 46.87と良いペースで流れます。
4コーナーで逃げるSands Of Mali、Flameawayを交わす準備にかかるMendelssohn。

直線は逃げた2頭が沈む中、力強く抜け出したMendelssohn。
前半流れた影響もあり、後方から各馬が殺到します。4頭並んで追い込み、内からBeckford(ベックフォード)、Catholic boy、Voting Control (ヴォーティングコントロール)Untamed Domain(アンテイムドドメイン)

1馬身Mendelssohnが振り切ってゴール。勝ち時計1:35.97。
父はScat Daddy、母はLeslie’s Lady。姉はG1を勝ちまくったBeholder。このままアメリカで走らせたらいいじゃん、って血統です。
5戦2勝。前走はデューハーストSで2着しましたが、勝ったり負けたりが激しい馬です。ここまでは。

これでオブライエン厩舎のG1は27勝目になりました。まだ何本も矢がありますので、記録は伸ばすでしょうね。

 

Breeders’ Cup Dirt Mile(G1・デルマー・ダート1600m)

ダートマイルです。
人気は3連勝中で前走メトロポリタンH(G1)でライバルのSharp Azteca(シャープアズテカ)を6馬身以上置き去りにしたMor Spirit(モアスピリット)。ただ、それは6月の出来事。それ以来のレースです。

そのSharp Azteca(シャープアズテカ)は敗戦後2連勝。7馬身半、4馬身とこの2戦は走りました。
サンディエゴHでまさかのアロゲイト敗北となったレースの勝ち馬Accelerate(アクセラレート)は前走パシフィッククラシック3着から。
今年のケンタッキーダービー5着で前走マイルのG1を勝利しているPractical Joke(プラクティカルジョーク)

スタートからポジションを取ったSharp Aztecaが先頭で走ります。
1頭挟んで青のシャドーロールMor Spirit。その外の真っ白勝負服がBattle Of Midway(バトルオブミッドウェイ)

22.94 – 46.95というペース。
北米にしては割と普通のペースで流れました。画面では「Slow」と出てますが、そんなにスローじゃないと思います。
そこからどこまで粘れるか?が北米ダートですが、Sharp AztecaとBattle Of Midway以外は苦しそう。

直線入るまでにMor Spiritは脱落し、後方から押し上げる事も出来なかった緑の勝負服Accelerate。
直線は2頭のマッチレースとなり、逃げるSharp Aztecaと追うBattle Of Midway。
3着を4馬身1/4差離して最後はBattle Of Midwayが半馬身差の勝利をしました。

Battle Of MidwayはSmart Strike産駒の3歳牡馬。
今年のケンタッキーダービーで3着入線していますが、そこからは準重賞の1勝はありますが、前走もオクラホマダービー(G3)で2着。
競馬は相性1つでここまで逆転できるということです。

 

Longines Breeders’ Cup Distaff(G1・デルマー・ダート1800m)

1日目のメインイベントです。

人気は3歳馬Elate(イレイト)
アラバマS(G1)で5馬身半、ベルデイムS(G1)で8馬身1/4差と圧勝続きでここに来ました。

ケンタッキーオークスの1番人気で惨敗も前走ゼニヤッタS(G1)で5馬身1/4圧勝してきたParadise Woods(パラダイスウッズ)
そのケンタッキーオークス馬Abel Tasman(アベルタスマン)。前走コティリオンS(G1)は負けましたが今年G1を3勝。

古馬は去年このレース4着に敗れたものの、今年は無傷の3連勝、全てG1のStellar Wind(ステラウィンド)。このレース3回目。
去年の3着馬で前走パーソナルエンスンSではSongbirdを差し切ったForever Unbridled(フォーエバーアンブライドルド)

いいメンバーが揃ったと思います。

レースは去年の2歳チャンピオンChampagne Room(シャンパンルーム)が先導します。
2番手がParadise Woods、3番手外がElate、内の緑の勝負服がStellar Wind。1頭挟んで白っぽいのがForever Unbridled。
後方の赤と黄色の派手なやつがAbel Tasmanです。

3コーナーからParadise Woodsが先頭を伺いますが、Elate、内のStellar Windの動きが良くありません。特にStellar Windはここの所見たことないような下がり方でした。
馬なりで大外から上がるForever Unbridledにその後ろで追い込み馬Abel Tasmanが鞭を振るいながら上がってきます。

直線はParadise Woodsを振り切ったForever Unbridledが外から追い込むAbel Tasmanを半馬身凌ぎました。
3着にParadise Woods、4着止まりだったElate。Stellar Windは良い所なく12馬身以上遅れたビリ。

勝ったForever UnbridledはUnbridled’s Song産駒の5歳牝馬。G1は4勝目。
前走も強かったですし、この走りもとても良かったと思います。

ちなみに、この馬の全姉の名は「Unbridled Forever」。雑過ぎ。