レパードステークス(G3・新潟・ダート1800m・良)
8月になり、真夏です。
南では強い台風が被害を与えながら列島を縦断しそうな感じで、早々に高校野球が1日目中止に。
そんな中行われたレパードステークスです。
少し前に天草特別で圧倒的な人気のアディラートが沈み、変わって同じくレパードステークス除外組のメイプルブラザーが圧勝しています。
春から夏にかけて3歳馬の勢力図が変わりかけているのかな?と疑心暗鬼になりながらも、「さすがにエピカリスはお釣りはこれ以上にあるだろ」と思って軸にして観戦。
パドックでは暑いので少し発汗もありましたが、ヒヤシンスSからマイナス10kgの498kg。
減ったとは言え、500kg近い馬です。
グリーンチャンネルでも言っていましたが、馬のつくりが少し細身というかムキムキではないので、体重が減ってパワーが出ないというのがあっても分かりません。
タガノディグオもマイナス二桁。文句なしにいい感触か?というと少し疑問。
イライラではないものの、ドンとしての周回ではなかった気がします。
テンザワールドとかトラネコとか数字通り小さく見えました。
まぁこれはこれです。ただ、ぱさぱさのダート。小さいからダメという単純なものではないものの、何となく気にはなります。
スタートはエピカリスは悪くありませんでした。
10番のテイエムアンムートはゲートというか家の玄関の扉が開いたの如く落ち着き払って歩くという離れ業。馬とはいえ狭い所から飛び出るという事もないそうです。
もっとイライラが画面からでも伝わる感じで走らないというケースは見た事ありますが、ここまで悠然と帰って行ったのはあまり例はないかと。
そんなのは勝負に関係ありませんので、レースは進みます。
外からサルサディオーネが内に切れ込みながら先頭へ。
エピカリスのお隣タガノカトレアが内外入れ替えるように外へ。
その時、エピカリスが少しクビを振るシーンもありました。そして被せるように外からノーブルサターン。
内のタガノグルナと前のタガノカトレア、そして外のノーブルサターンに三角形で囲まれる形になり、内にも外にも行けないまま2コーナーへ入ります。
向正面でサルサディオーネが先頭でタガノカトレア、内にタガノグルナに外ノーブルサターンの陣形は変わらず。
その後ろにエピカリス。ルメール騎手がやや後ろ体重なので、抑えている感じです。
エピカリスの外からテンザワールド、内にローズプリンスダムまでが先団。
イブキとタガノディグオが続き、スターストラック、ハルクンノテソーロ、シゲルコングが苦しそうでじわっとブライトンロック。
最後方にポツンとトラネコという展開です。
ペースは36.1 – 61.7。
平均に比べれば遅いには遅いですが、それでも誤差です。ほぼ平均と言い切っていいでしょう。
これ位でああだこうだいうものでもありません。
従って先頭集団には大きな動きもなく、じっくりとしていました。
後方でイブキが少し上がってみたり、シゲルコングに肩鞭入ってみたりという小さな動きはありましたが、概ね各馬納得のいくペースで進行していたのではないかと推測されます。
そのままサルサディオーネが先頭でコーナーへ入ります。
外からノーブルサターンに鞭が入って苦しい感じ。
その内でじっくりとしていた、というか動くに動けない感じでエピカリス。
さて、どう縫ってくるのかな?というのが直線の最大の関心になりました。
頑張って走っているサルサディオーネの後ろのタガノカトレア、ノーブルサターン、テンザワールドが抜く気配がありません。
その後ろで外もがっちりテンザワールドに塞がれたエピカリス。
「これは縫えない」と思った所で大外からローズプリンスダムが一気に外から上がってきました。
その後ろからブライトンロックもいい脚でしたが、ちょっと差があります。
エピカリスは最後はタガノカトレアがバテてできたスペースから前を追いかけましたが、前を抜くまでには至らず。
サルサディオーネを抜き去り、木幡巧也騎手初重賞制覇となるゴールへ向かうローズプリンスダム。
1馬身1/4差をつけて馬も重賞初制覇。JDD8着から巻き返しました。
直線のコース取りにつきます。
4コーナーを回る手前で一回外を確認し、大丈夫と判断してからギリギリのラインで外に持ち出しました。
判断があと少し遅れたら降着まではいかなくても審議対象となってしまうであろう斜め横断。
コーナー回り切った付近で前と後ろとの間に少しできたスペースを上手に活用し、後は追うだけ。
テンザワールドと並ぶかどうか?という所からグイっと伸びました。上がり37.8。
改めて血統表を眺めると母の母の母にミスタイモア。この馬はベストタイアップのお母さんなので、あの世代の母がこんな所に、と馬の時代の移り変わりを感じました。
勝ち時計1:52.9。
多少パサパサの影響はあったと思いますが、一昨年のクロスクリーガーの時と同じような感じではないかと思います。1200mのダート戦が2つ組まれています。
左から2015年、2016年、今年。
2R:1:12.5 – 1:12.2 – 1:12.8
12R:1:13.1 – 1:11.6 – 1:12.1。
まぁもちろん単純なものではありませんが、去年よりはかかりそうな馬場です。
とは言ってもそこまでスプリント戦で明確に遅いと言えるものでもなく、1:52.9というのは過去のこのレースの勝ち馬に比べて地味だったと言えると思います。
いくら直線で追えないシーンがあったとは言え、この世代のエースはエピカリスで文句なし、とも言える内容でもありませんでした。
2着のサルサディオーネはスタートの反応がとてもよく、隣が出なかったというのもあり、真っ直ぐ気分よく2コーナーまで走れたのも幸いしたと思います。
そこからはマイペースでレースを作り、直線入り口からもう1回離して直線という願ってもない展開に。
最後差されてしまいましたが、最後までしっかり走っており、力通りには走ったのかな。
ブライトンロックは4コーナーで一旦外のタガノディグオの内に入るという騎乗でロスなく走って伸びてきました。
青梅特別11着なので、1000万下でどうか?という馬ですが、上手に乗ったという所でしょう。
ノーブルサターンはJDD5着からまた5着。
逃げられなかったとはいえ、しっかり3番手位の外をキープできていますし、十分ではないでしょうか。
よく粘っていますが、あと一歩というレースが続きそうですね。
タガノディグオは全くいいところがありませんでした。
スタートこそたしかに若干バランスを崩して完璧とは言えないものの、それでも好意をキープし、4コーナーからじっくり進出しています。
直線で全く伸びなかったのは体重が示す通り、何かがマイナスのままだったのかも。
エピカリスは道中前が開いたり、外に行けなかったりはありましたが、前が追える状態だったとしてサルサディオーネは交わせてたとしても勝てていたか?というと正直疑問。
ある程度前半から前に行き、粘り込む競馬の方がいいんでしょう。
悪く言えば一本調子ですが、ダートでは往々にして淡々と走る馬が強いですので、悪い事ではありません。
そのためには15頭とか出てきた場合でもきっちり先手を取れないといけません。
今後買うにしてもある程度条件付きかな?とは思いました。
単勝1.5倍。海外遠征をアクシデント帰り。
仮に状態が80%でも古馬1000万下に毛の生えたメンバー。
同年代相手なら考えられる最悪のレースになっても3着は外さないだろうと多くの方は思っていたはずで、その通りになっただけとも言えます。
3歳ダート路線は混沌としています。
古馬と本格的に戦いだす夏以降分かると思いますが、ダート路線の3歳馬は賞金含めて何かと苦しいので、ここまで勝ち馬が分散してしまうと誰が出られるんだ?となりそう。
勝ち馬のローズプリンスダムの写真はJDDで撮ったものですが、あるものです。
写真を撮りだして数年経つとストックができている感じで、随分勝ち馬を探せるようになりました。
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