写真で振り返る 第85回優駿牝馬 レース回顧




第85回優駿牝馬(G1・東京・芝2400m・良)

バラ園もほぼ満開の東京競馬場。
スカッとは晴れませんでしたが、風がそこまでなく、日差しもなくて過ごしやすい。

馬場状態は良馬場。
気持ち内側が荒れているように見えますが、オークスデーは毎年こんなもんですね。
時計的にはフリーウェイSで1:20.5。例年通りです。

オークスは内外離れるケースが多いですし、今年もそうなりました。

パドックは見ましたが、出遅れたのもありあんまりいい絵は撮れず。

ステレンボッシュはしっかり歩いていていいですね。
スウィープフィートは周回を重ねて気持ちチャカチャカしてきたかな。
サフィラは体重増えてましたが、元々小さい馬ですし、個人的には悪い印象ではありませんでした。せめてこれ位は欲しいですし。

返し馬はみんなゴールから逆に走ってしまうので、眺めてただけ。

何も考えず、適当に買った高瀬川ステークスの3連複当たるという何とも言えない気分なりつつ、ファンファーレです。

そんなこんなでスタート。
大きすぎる出遅れはなく、各馬揃った綺麗なスタートでした。

さてさて、先行争いは?と眺めながらホームストレッチ。
桜花賞で逃げたショウナンマヌエラと未勝利をハイペースの逃げ切りをしたヴィントシュティレが行くんだろうなとは思っていましたが、ヴィントシュティレが案外行かずにゴールを過ぎます。

タガノエルピーダも前に。クイーンズウォークもスタートがよくスムーズに前に行きます。

アドマイヤベル、ステレンボッシュは中団に。
それを見る形でチェルヴィニア。
ラヴァンダが行きたがっていますが、それ以外の馬はスムーズに走っていたと思います。ラヴァンダにしてもそんなロスでもないです。

ショウナンマヌエラとヴィントシュティレが2コーナー過ぎから競るように前に行きます。
速くなりそうな雰囲気でした。

ペースの数字は前の2頭のものなので後続の馬は別のレースです。
1000m通過は57.7と出ましたが、タガノエルピーダとランスオブクイーンが大体59.5、その後続集団は大体60.5秒。

平均ペースでは流れています。なので行きっぷりが良過ぎると苦戦しますね。
アドマイヤベル、サフィラ辺りはステレンボッシュの外から上がって行ってましたが、そこまでスローじゃないので結果的に「早仕掛け」になってしまいました。

4コーナー手前で前の集団が失速してきました。
当然ですね。こんなペースで持つわけありません。ヴィントシュティレは未勝利は勝ったレースを再現するとしてもそれ時で58.4ですからね。
それより距離が長くて大して逃げ馬もいないのにここまで飛ばす理由が分かりません。ショウナンマヌエラも一緒。

4コーナーから外から押してホーエリートも上がって行きました。
前が潰れたので、押し出されるようにランスオブクイーンが先頭でクイーンズウォークが2番手で直線へ。

タガノエルピーダも直線入ってすぐに止まったので、内側がみんなばててます。
内にぽっかりとスペースができますが、それを交わす馬がコーナーで外に行ったので馬群は外に広がり、内外が大きく広がりました。

スウィープフィートや大外に出しているサンセットビュー辺りは直線まで待ってると前に離されてしまうので、外回って加速していくのですが、内がどんどん潰れているため、外に各馬出すからどんどん外へ行かざるを得ないのが辛い。こういう前が潰れるレースではありがちですね。

逆に待って内側を選択したのはエセルフリーダ。こちらも内側がバテ切るまで少し待たないと完全に開かないので、進路取りで気持ち追い出しは待っています。ステレンボッシュも内を狙った組です。

直線は広く横一杯に広がります。
ここまで広がるのはなかなか珍しい気がする。

クイーンズウォークが先頭に立つところでステレンボッシュが内に入れ、ランスオブクイーン、ラヴァンダに並びかけます。

大外に持ち出したスウィープフィートに追い出しを待ったライトバック。その前にチェルヴィニア。
激しい叩き合いです。

スウィープフィートは勝負には加われず。
やはり追い込み一辺倒だとこういうこともあります。
1800m走ってのラスト600mなので、どん尻からというのは相当難しい。ましてや外回してだと。
4コーナー手前からの動きからすると全く動けないタイプじゃないので、ペースが乱れがちな秋華賞は結構面白いと思います。

タガノエルピーダは坂を上がって大きく失速。
追いかけ過ぎたと言えばそれまでですが、逃げてた側じゃないので、ここまでパッタリ止まるのは距離というより気持ちの面ですかね。
秋に立て直せていたらこの着順はそこまで気にしなくてもいいかな。ベストターンドアウト賞なんですけどね。。。難しいってことです。

残り200mでステレンボッシュが内から一気に抜け出します。
ここまでほぼ文句なしです。

しかし外からチェルヴィニアが襲い掛かります。

クイーンズウォークは追い出しを待ってましたが、ラスト200から追い出して走りが鈍りました。
結構待ってましたけどね。これは距離かな。
前が飛ばしていてペースがごっちゃになっていますが、集団も平均~オークスでは気持ち速い位で流れていたので、前に行って押し切りほどのスタミナは現時点ではなかったということでしょう。
とはいえこちらも桜花賞からきっちり巻き返してきました。スタートも上手でレース運びは安定しているので、秋も期待です。

ランスオブクイーンはここまで走るのは私の理解できるものではないです。
先行して多くの馬が潰れる中、クイーンズウォークと互角。兄のランスオブプラーナもマイル位でしたし。プレッシャーがかからずに自然と気持ちよく走れたというしかない。
次が試金石ですね。1勝クラスの勝ち方次第では秋は最大の惑星となるかも。

ステレンボッシュにチェルヴィニアがグングンと差を詰めていきます。

3着に追い込んだライトバックは直線で行き場を探してから猛然と追い込んできました。
前2頭と1 3/4馬身離されてしまいましたが、末脚は確実。
秋華賞はエルフィンSの勝ちでなんとかなりそうな気はしますが、今後を考えるとどこかで賞金加算をしておかないとG1に出るのに苦労する春の着順でした。
強いですが、脚質的にペース待ちのところがあるので、このタイプは3勝クラス確勝ではないです。逆の意味で美味しくなるかもしれません。

チェルヴィニアが最後はステレンボッシュを半馬身きっちり差し切ってゴール。
勝ち時計2:24.0。
これ自体は現代競馬では極めて優秀ではないですが、特に上位2頭は一定の時計への耐性も見せました。

ステレンボッシュは内から一気に抜け出して、1頭になってしまったのが悔やまれます。
外とも距離があったし、残り200で手前を替えて抜け出した後、一瞬高脚になりました。
馬がフワッとしてしまったので、そこから戸崎騎手も併せに行こうとしてましたが距離もあり難しかったですね。
馬の反応の良さと内外一杯に広がったレース、色々と着差を考えれば「不運」が重なったかもしれませんね。
ステレンボッシュは相手なりに走れそうなので、強いのとやってもいいレースをしそうです。

勝ったチェルヴィニアは桜花賞13着からの巻き返し。
元々素質は疑いようがない馬でしたし、よく巻き返したなという感想しかないです。
スタートは相対的には悪かったですが、外の隣2頭が下げ、更に外目の馬が前に行ったのもあり、適度にスペースがあってステレンボッシュの後ろをすんなり取れたのは大きかったと思います。
似たような脚質の馬が大勢いたらあのスタートだと閉じ込められたかもしれません。

クイーンズウォークを、ステレンボッシュをと標的に向けて追い込んで抜き去っていきました。
母であるチェッキーノもフローラS→オークスと見ましたが、後は怪我さえなければ。

私は春のクラシックは頓挫があった組はあまり評価しないのですが、桜花賞使ったことで王道に戻ったんだ、と納得することにします。

 

前半から盛り上がるレースでした。
力上位の馬がしっかりと力を出し、内外一杯に広がっての追い比べで楽しかったです。

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