第60回宝塚記念 レース回顧

第60回宝塚記念(G1・阪神・芝2200m・良)

宝塚記念らしいちゃらしいメンバー構成です。

アーモンドアイやフィエールマンは不在。
ただ、キセキ、レイデオロ、アルアインの2017年クラシック組は本当に元気で皐月賞馬、ダービー馬、菊花賞馬が何度も戦うのは本当に珍しいですし、これに加えてスワーヴリチャード。本当に元気な世代です。

4歳世代はエタリオウのみ。
ワグネリアン、ブラストワンピースも不在ですし、グローリーヴェイズも出てこず。ちょっと寂しいですが、それが宝塚記念でしょう。

馬場は比較的時計が出ていないと昨日のラジオで言っていた気がしますが、そんなことはない印象です。
垂水Sでは人気のエクレアスパークルがぶっ飛ばしたとはいえ、アイスストームが後方から上がり34.7で1:45.1。
内回りの2200mともなればまた違ったレースになるものの、キセキがいれば、2:11.0付近で決着してくるでしょう。

上位人気にそこまで力の差はある感じもせず、キセキが押し出される感じで1番人気。逃げて失速したドバイシーマクラシック帰りのレイデオロが2番人気。
以下リスグラシュー、エタリオウ、スワーヴリチャード、アルアインまでが10倍切り。面白いオッズです。

パドックと返し馬はちょっと用事があってみてないので、パス。
まぁそんな変な仕上げは馬体重だけ見るとしてないでしょ。

スタートでキセキがかなり押っ付けて先頭を奪いに行ったのが印象的でした。
ジャパンカップなどではスーッと先手を取れていましたし、スタートそのものは悪くなかっただけに、「今日はそういう日だった」ということにします。
次見て判断でしょうかね。

スティッフェリオが好スタートから先頭を伺うもしっかりキセキがホームストレッチで先頭を奪います。アルアインも早め。

レイデオロがドバイシーマ程ではないですが、クビを上げてやや行きたがる素振りを見せました。
ただ、この位は毎回やってますので、それが直接敗因ということでもないですね。

内側の隊列がおよそ決まりかけた時、外からリスグラシューが内へ切れ込みながら先頭付近まで行きました。その後ろにスワーヴリチャード。
これは結果的には素晴らしい騎乗だったということですが、やはり無理に抑えないで走らせるという大切さですね。
後ろから追い込んで安定して勝つにはかなりの力の差がないと難しいですが、好位置でレースを運べるならそっちの方がいいってことです。
父であるハーツクライに似て若いころはもどかしかったですが、父のようにすんなり先行ができるようになり、そのタイミングでいい騎手に乗ってもらったのは幸運だったと思います。

一方でマカヒキは大きく離れた最後方。
エタリオウも後方に。マカヒキはスタートから少し手を動かしていましたが前に行かないかのように後方へ。追走の仕方が前走に比べても良くありませんでした。

キセキ先頭で向正面へ。
並ぶような勢いでリスグラシューと内でアルアイン、スワーヴリチャードとスティッフェリオがおり、内でレイデオロが構えます。
その外にクリンチャーとノーブルマーズが追走し、タツゴウゲキの後ろからエタリオウ。
後方にショウナンバッハとマカヒキという展開です。

ペースは35.5-47.9-60.0。
遅くはないですが、激流でもありません。キセキが作り出すペースです。
スワーヴリチャードはやや行きたがる素振りはありましたが、我慢できていますし、多くの馬は問題なくレースはできていました。

残り1000m付近でエタリオウが仕掛けようとしましたが、スピードが出ずに逆手前でコーナーに入って膨れるシーンが映し出されました。
マカヒキも後方からエンジンを掛けていますが、ほぼスピードが変わらず。
内のレイデオロも鞭を入れて促しますが、こちらも4コーナーでの走りが前ではなく上にエネルギーが向けられているような走りになってしまっていました。大分苦しい。

直線に入り、前4頭の戦いになりました。
スワーヴリチャードの走りもイマイチですので、「勝てそうなのはキセキとリスグラシューだけだなと」見ていました。

リスグラシューがキセキを並ぶことなく残り200mであっさり交わし、突き放しにかかります。
かつて決め手不足に泣いたリスグラシューとは思えない走り。
キセキは相変わらず淡々としっかり走りますが、2番手から事実上キセキを大名マークしたリスグラシューに直線あれほどの脚を使われたらどうしようもありません。

キセキがラスト35.8でまとめたのに対し、リスグラシューの上がり35.2。
終わってみたら3馬身差も納得の末脚でした。

リスグラシューに関しては、勝ち時計2:10.8もそうですし、終始2番手からしっかり折り合い、最後まで走りも乱れずにゴールを駆け抜けました。
強いですね。2歳から世代のトップを走っていた馬ですが、大きな怪我もなく、安定して走り続けてついに本格化という成績を昨年末から残しています。
桜花賞は4コーナーから押っ付けて走っていましたし、秋華賞はスタート出遅れ。
若かった頃とは全く違うレース振り。馬は成長するということをしみじみ思います。
宝塚記念でこのメンバー相手に3馬身ですので、世界中どこでも好走できるでしょう。秋は日本では見られないかな。
直線はずっと顔がスタンドの方を向いたまま走っていますが、よれたりしていませんので、何の問題もないです。

2着のキセキはまたまた2着。
力は出し切っているだろうけど…の敗戦は何度目だ?という安定の走りっぷり。
スタートこそ心配でしたが、先手を奪ってからの走りは見事としか言いようがないです。川田騎手はこの春ずっと不利を受けていましたが、このレースは不利なくしっかり走りました。でも2着。
リスグラシュー以下は完封していますので、ペースを落としすぎとは言えません。
こちらも秋はどうするんでしょうか?ロジャーバローズがほぼ同脚質ですが、こちらも凱旋門賞に行けば面白そうではありますね。日本にいてくれた方が当然いいのですが、G1でのマークは当然きつくなります。勝つには何か大きな見えない力が欲しい状態。

3着のスワーヴリチャードは大体力通りでしょうね。
先に動いているのですが、4コーナーでどうもシュンと動けない。
なので直線入り口で1歩余分に離されてしまっています。
走りはやや上下動が見られますし、舌も出していて昨年の秋から進展が見られない。今後キセキを逆転するのも苦しそうな気がしました。

アルアインがほぼ目立たずにしれっと4着。
アルアインらしいレースでした。キレ負けっちゃキレ負け。前を交わせず、後ろに差されなので完敗です。
こういう馬ですからね。買い目には入れないといけないけど、もどかしいレースは続くでしょう。
坂を上がってからパタリと止まり、200m長いのは仕方ない。「そりゃそうだわな」という感じ。

レイデオロは5着。
内で構えて直線勝負をかけたのでしょうが、4コーナーで鞭が入ってからの動きが悪すぎました。
前に目標がしっかりいて、流れもスローすぎずハイすぎず。
海外帰りとはいえ4月から2か月ありますからね。言い訳できんでしょ。
馬場は走ると土が舞う最終週とはいえ、時計的にも良馬場です。ドバイから流れが悪くなってしまったかもしれません。秋しっかり立て直せるか?ですね。

エタリオウは外出して追い込もうとしましたが、全く反応が無いので、あれではどうしようもないです。
早めに仕掛けようとはしていましたが、馬の反応が十分ではありませんでした。
コーナー逆手前が印象的。真面目に走ってないでしょ。

マカヒキも全くいいところがなく11着。
大阪杯でいい雰囲気出てきたかなと思っただけに残念な敗戦です。
東京のバリバリの高速決着よりはやりやすいだろうと思っていましたが、もうこの位でもダメそうですね。
もう6歳か。ダービー馬ですが、勝負師は時価です。世代は完全に変わりました。

 

上位陣はしっかり走り、その中でも着差が離れているので、力通りという結果です。
4コーナーのキセキのペースアップについていけない馬はしっかり潰れていますので、上位はG1馬が占めたのも分かります。
上位7番人気まででG1未勝利のエタリオウと全盛期の力を失ったマカヒキが掲示板を外したのは必然だったかな。

レイデオロも天皇賞秋ではルメールを変えざるを得ないでしょう。上位を占めた5歳馬も徐々に世代交代をされる側になります。
アーモンドアイにダノンキングリー、サートゥルナーリアと戦うことになろう秋まで楽しみに待ちたいです。