第23回秋華賞 レース回顧

第23回秋華賞(G1・京都・芝2000m・良)

朝晩は随分と秋を感じるようになりました。東京は寒かったです。

春からぶっつけの有力馬2頭はどちらもプラス2桁体重で出てきました。
アーモンドアイがプラス14kg、ラッキーライラックがプラス18kg。
スカーレットカラーが取り消して17頭立てで行われる今年の秋華賞。

馬場は読みにくいですね。
1つ前の古馬1000万下のマイル戦、三年坂特別は前半が36.8-62.0とこれは遅い!というレースですので、勝ち時計からは読めません。
上がり33.1は出ていますし、同日の2歳未勝利で1:34.9が出ていますので、悪くはないです。

パドックはアーモンドアイがきょろきょろする余裕があっていい感じでした。
返し馬も多少ラッキーライラックが掛かりそうなシーンもありましたが、いつも通りでしょう。特にないです。

予想はこちら。
勝ち時計は割と近いけど、そんなのどうでもいい。大体あの辺にしとけば当たるでしょうし。

第23回秋華賞 展開予想

2018.10.12

注目のスタートです。
アーモンドアイは多少遅れたものの、思った通り外が行ったのと、内のサトノガーネットとトーセンブレスが遅れたのもあり、問題ないだろうなと思いました。
最内ラテュロスやランドネも好スタートですが、出が良かったのがミッキーチャーム。
内で追い通しのオスカールビーを横目チラリと見ながら馬なりでスーッと先頭へ。この段階でオスカールビーは厳しい。

ホームストレッチでアーモンドアイはゴージャスランチの後ろの外側。
すぐ外にダンサールもいましたが、内を走っていますし、蓋をするというのも言葉では簡単ですが難しいです。

2コーナーに向かう所で外がフリーのアーモンドアイを見て、「これは勝ちそう」と。
その内にもう少し前に行くかと思ったカンタービレ。結果的にあれだけの脚を使っているので作戦ミスとは言えませんが、後ろからアーモンドアイを差すというのは至難も至難です。
前に活路を見出す組の1頭になるかと予想しましたので、「そっちかー」と。スタートもあまり良くなったですからね。

先頭を走るミッキーチャーム。
オスカールビーが2番手でランドネ、ハーレムラインと続きます。
主要レースは皆勤賞と言っていいサヤカチャンがその後ろです。今回は逃げられませんでした。内でラテュロス。

ラッキーライラックは先行勢を見る形の7番手位。
その2馬身後ろにアーモンドアイです。

ゴージャスランチ、サラキア、オールフォーラヴと2頭の間にいました。

その後ろにカンタービレが続き、行きっぷりの良くないダンサール、内にトーセンブレス。
後方に手が動いて馬が動かないパイオニアバイオと追い込みに賭けるプリモシーン、最後方にサトノガーネット。

前半は35.7-59.6。
大体予想通りですし、秋華賞にしては速くないです。
逃げ馬が何頭揃おうが、「必ず」という馬がいなければこんなもの。

少し離してミッキーチャームが逃げます。
800m通過から徐々に離して行き、1000m通過時点で3馬身位のリードを作りました。
人気があると言っても2番手候補でしかないので、少し離そうが意識は後ろ。ミッキーチャームは思い描く最高に近い形で走れていたはずです。

後方でパイオニアバイオが手が動いていましたが、掛かったりはスタート直後はあるもの。
向正面に入ってからは気になる馬はいませんでした。
ペースもそこまで落ち着く事もなく、マイペースで走りやすかったのでしょう。ごちゃごちゃせず、適度にスペースもあり、各馬力は出せるレースになりました。

4コーナーではアーモンドアイはまだ後ろ。
前を行くラッキーライラックには鞭が入り、脱落ムード。
加えてサヤカチャンやゴージャスランチといった上がっていけない馬が前で、ラッキーライラックの後ろはオールフォーラヴに入られたので、カンタービレを内に見ながら大外へ。

前はミッキーチャームがかなり粘りそうな勢いで走っています。
2番手にランドネも頑張っており、内でスルスルとラテュロス。

直線で真っ直ぐ向くと同時にカンタービレを2馬身位置き去りにし、内のラッキーライラックにも一気に並びかけます。
ラッキーライラックは4コーナーでもクビが本当に高く、真面目に走っている様子がありませんでした。
直線でも走りが大きく変わらず。沈みます。

同じ勝負服のサラキアをあっという間に抜き去り、まるでディープインパクトの菊花賞。
ラスト200mは逃げるアドマイヤジャパンを追いかけるディープインパクトを重ねてしまいました。

200mを切り、手前を替えてからの伸びは惚れ惚れします。
その後ろから猛然と追い込むカンタービレとプリモシーンがいましたが、先に仕掛けて同じ以上の脚が使えてしまうのですから勝ちようがありません。

内のミッキーチャームもサクッと交わし、3冠のゴールへ。
メジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネ、ジェンティルドンナに続く5頭目の牝馬三冠。
5連勝もさることながら、連勝中に一度も1馬身と近づく馬がおらず、1馬身半を全て超える着差で勝ち続けての達成です。

勝ち時計1:58.5。
前後半が59.6-59.9とイーブンのバランスですので、「ペースが…」「馬場が…」という言い訳はしにくく、「勝ち馬の力が違った」でしょうね。

 

逆に言えば、これほど絶対的な馬がいながら静かすぎるレースとも言えます。こんな「いい子ちゃん」が逆転するにはとてもじゃないけど難しい。
乱ペースで崩す以外勝ち目は薄かったでしょう。
ただ、その乱すきっかけを作る1頭は誰になるか?というと動きにくい。それこそゴールを間違えたように走ってしまう訳にもいきません。

勝つには2つしかないかと。

  • 超スローにほぼ全ての馬が33秒台を記録する位のレースにする
  • 大逃げ。

どちらにしても中途半端。抑えるなら前半62秒位にして、上がり勝負に持ち込む。
アーモンドアイだって馬です。上がり30.5などは使える訳もなく、精々32.8位でしょう。前がある程度距離を保って33.3とかで走れれば凌げる可能性はあります。
もしくは数多の名馬が沈んだ大逃げでしょうね。クィーンスプマンテがブエナビスタに勝つにはあれ位しかないでしょうし。
当然ながら失敗の歴史でもあります。多くの大逃げは失敗しています。ミッキーチャームの前に1頭1秒近く前を離し、もっと前がポツンポツンとなるようなレースになれば、前のマークが甘くなったかもしれませんね。でもその1頭になれるか?というと…。

そう言いたくなる位、勝ったアーモンドアイは文句なし。
特に手前を替えてからのストライドは言うことありません。
スタートもそこまで上手ではないですが、偏差値45位のスタートになりましたので、そこまで心配する要素がなくなりました。
興味は「ジャパンカップでどの位のレースをするのか?」でしょう。
年長の牡馬、恐らく昨年今年の牡馬クラシック勢が揃います。ジャパンカップでの比較対象がジェンティルドンナと言う段階でトンデモホースですけどね。

2着のミッキーチャームはこの馬にとっては最善のレースだったと思います。
徐々に後続を離していきながら、最内を綺麗にコーナーリングをして突き放すレース振り。
スタートも上手でレースはし易そう。「○○牝馬S」位ならすぐ勝てそうです。

3着のカンタービレは道中下げての末脚勝負。
初めからこの作戦ではなく、スタートが今一歩だったのと、外からどんどん馬が内に来たので、じわじわと下がってしまいました。
直線勝負でどうこうなる相手ではないので、できればローズSに似たレースでどうなるかは見てみたかったです。
上がり33.9としっかり出ています。距離は長くしたくはないはずなので、エリザベス女王杯ではないレースかなぁ。

サラキアはスタートが今一歩でしたが、スタート直後にカンタービレと位置を入れ替え、最内を常時キープ。
中団以降の馬が比較的外目を走っていたのもあり、楽々と先行馬を見る位置にはいれました。
4コーナーでロスなく外に持ち出し、ラッキーライラックと並ぶようにコーナーリング。
直線でも頑張っていましたが、最後は離されてしまいました。

5着のラテュロスもサラキアと似たようなレース振り。
前のハーレムラインとオスカールビーの手応えが悪いのを確認してから一度外に出そうかと動いたものの、最内へ。
2頭が潰れたスペースを難なく確保し、見せ場ありました。
ここまでローズSのワンツースリーがそのまま入線。

プリモシーンは良く伸びていますけどね。
桜花賞、NHKマイルカップ、秋華賞と3戦とも「不完全燃焼で賞」ものの敗戦です。
ただ、直線半ばからよくここまサラキアと並ぶ位まで追い込みましたわ。ゴール前鈍っているので、この位の距離までの方がいいでしょうね。
追い込み馬の宿命とはいえ、ノンタイトルは仕方ないにしろ、馬券に1回も絡まない、掲示板もNHKマイルカップだけというのは、ポテンシャルだけで勝負はするものではないということですね。
皆さんも良く分かっていて関屋記念を勝ちながらも6番人気。「終わりそうな時に伸びてくるだけだろ」と思っていたのだと推測します。

ラッキーライラックは全く良い所なかったですね。
道中の位置取りは悪くありません。
勝負所の4コーナー手前で鞭が入っていますし、走りもいつも上下動が少なく走りますが、今回は直線入り口でいつもよりブレ気味。
4コーナーも逆手前だし。身体が立派過ぎるほど立派でしたし、気持ちが乗り切っていなかったか?次が注目です。

 

レースとしては書いた通りきっちりとしたレースだったと思います。
オークス馬と3連勝中の上がり馬、ローズS上位陣で掲示板。
「力出されちゃうとこうなっちゃうよね」という感想です。

アーモンドアイのプラス14kgの全てが成長分ではないでしょうし、少しは余裕をもってレースをしているはずです。
ジャパンカップでどんなレースをするのか?が楽しみです。

 

また、この日の東京12R。神奈川新聞杯にニシノウララが出走していました。
結果は5番人気で4着。デビュー戦でアーモンドアイに唯一黒星をつけた馬です。
人もそうですが、馬の成長もそれぞれです。奇しくもニシノウララもアーモンドアイと同じ6戦目。

デビューで戦った同士。まだまだ同じ舞台で戦う馬じゃないけど、来年になれば分からない。
いつか同じゲートに入ったら、不思議な気持ちになるのかなー。
幼稚園のかけっこで勝ったけど、負けた子がいつのまにか遠い人になっていった感覚。これもなかなか味わえないでしょうね。