写真で振り返る 第72回朝日杯セントライト記念 レース回顧




レース

スタートではグレイルが後手。春先から出が良い馬ではないので、仕方ないですが、これは簡単には治りません。
ジェネラーレウーノが素晴らしいスタートでした。
レイエンダも外から五分に。

さて、3頭の誰が逃げるのか?という展開もケイティクレバーは内を見ながら進め、タニノフランケルがガツガツ行っているのもあり、スタートすぐに先頭は諦めて後ろに。
ジェネラーレウーノは簡単には譲らないような素振りは見せていますが、勢いだけならタニノフランケルが先頭で最初のコーナーに行きそうには見えました。

内をちらりと見ながらケイティクレバーが印象的です。「こりゃ無理だ」と。
コズミックフォースとブレステイキングも好スタートからいい位置を取りました。
最後方にオウケンムーンが下がりました。写ってないけど。

レイエンダ周辺です。
なぜか巻き上がった芝にピントがあってしまい、最悪の結果に。

レイエンダはただ下げるでもなく、外枠なのでスーッと内に入りながらトラストケンシンの外へ。
スタート直後の走り、位置取りは文句は言えません。

一気に前ではタニノフランケルがジェネラーレウーノを交わして先頭へ。
ジェネラーレウーノは上手に譲ったと思います。自分は無理せず、相手は楽させずに。

ブレステイキングはスタート直後は出していきながら、ケイティクレバーの後ろの入った時に少しクビを上げる感じのシーンもありました。抑えての2コーナーへ。
動きとしてはトラストケンシンがなかなか面白い動き。
内のメイショウロセツが外を見ていた所で、少し下げて内のスペースへタイミング良く入れました。

タニノフランケルが2馬身位離して最初のコーナーへ向かいます。

ここからタニノフランケルがペースを握ります。
3馬身位離して奥深い向正面へ入りました。

2番手にジェネラーレウーノがしっかりキープし、外のケイティクレバーが3番手。
内に白い帽子のギベオンがつけ、外からダブルフラット。その後にメイショウロセツ。

サンデーレーシングの2頭、内にコズミックフォースに外からブレステイキングが中団で続きます。
その後ろの外を悠々とレイエンダ。外に馬もいませんし、楽な位置です。縦長な展開+2200m中山というのもあり、外枠であっても不利は少ないですね。

ショウナンラーゼンにトラストケンシン、レイエスプランドル。
後方にゼーゲンとグレイル。最後方にオウケンムーンという展開です。

最初の1000mが60.9。
徐々にペースを落としてタニノフランケルが逃げていて、真後ろピッタリで60.9ではなく、多少後ろを離しての60.9ですので、ここまではそこまで苦しい流れではありません。

かかったりすることもなく、隊列が大きく変わる事もなく淡々とした流れです。

パトロールビデオを見ると、残り1000m付近で真っ先に動いたタニノフランケルの幸騎手。
まずゴーグルを1枚外し?右鞭を抜きます。
そこから一気にペースアップ。12.0-11.5-11.2とぐんぐん後続を離します。

ここは判断に迷う所ではありますね。
後ろが常時突いているなら別ですが、ジェネラーレウーノは気分よく走っていますし、交わしそうな馬もいません。
もうワンテンポ待っても良かったかなぁ。大逃げが身上でもないですし、前走も決して大逃げして勝った訳でもありません。
鞭を抜くほど仕掛けるには…。

そんなこんなで大逃げをしたタニノフランケル。
逃げているのはウオッカの仔。そりゃ盛り上がります。
最終コーナーに入る前は「もしかして、もしかするかも」と期待してしまいました。たまにはこういうのがないと面白くない。

ジェネラーレウーノは2番手で実質逃げている形になり、ケイティクレバーが前に行くでもなく、中途半端に勝手に潰れたので続いてギベオンが3番手の外へ。
その後ろのブレステイキングとコズミックフォースはどうも動きが悪く、前を行く馬と差を詰めることができていません。
レイエンダもは単純に外を回すとロスが大きいので、ダブルフラットの内側をするすると上がりました。

レイエンダのコーナーの走り方は前のブレステイキングを信頼していないとなかなかできません。
ダブルフラットの外を選択するしてしまうと大きなロスなので、なるべく内へ。
コーナーでブレステイキングがダブルフラットを離した所でスッと外へ。ここはさすがにトップジョッキーと思いました。

タニノフランケルは鞭を連打。さすがに苦しそう。フランケルのようにはいきません。
ブレステイキングも鞭を打ってのコーナー。反応が悪い。
グレイルはじっくり内へ。さすがは岩田騎手というコーナーリングです。

ギベオンも結果だけ見れば早仕掛けですが、ここで一気にジェネラーレウーノに離されてしまいました。
これだと勝負になりません。

直線に入ります。
タニノフランケルは余力があるようには見えません。
しかし、そこは1000万下をしっかり4馬身差で勝ってきた馬です。そう簡単に潰れません。
あっさりジェネラーレウーノが交わしてしまえばまた違うのかもしれませんが、いい目標となっていました。

オウケンムーンはまだ最後方。
グレイルは内をケイティクレバーが潰れていく中、外からトラストケンシンに入られてしまい、ギベオン、コズミックフォース、ブレステイキングと前が壁。
横へ横への平行移動。あのまま真っ直ぐ走れればどうなっていたか。。。もう少し肉薄できたかもしれませんが、内を突くってそういうことでしょうね。

レイエンダが外から加速していきますが、ブレステイキングを交わすのに手間取っています。
ジワジワと前を追いかけるジェネラーレウーノ。
こういう消耗戦っぽい戦いはこの馬の真骨頂ですね。

残り200mでクビを下げてジェネラーレウーノがタニノフランケルに並びかけます。
その後ろでその他人気馬が横並び。熱い展開です。
先にギベオンが失速、次にダービー3着馬のコズミックフォースが失速。

タニノフランケルは盛り上げてくれたのでファンとしては良かったと思います。
ペースが全然違うので単純に比較はできませんが、白井特別のフローレスマジックが1:48.0でしっかり勝っています。
時計としても1800mを1:47.2で走れていますので、現時点としてはまずまず。
古馬1600万下で掲示板位の水準では走れています。もう少し成長してくれば面白い馬になると思います。

ギベオンはコーナーで離された後でも頑張りましたが、坂で失速。
最後完全に止まっていますので、現時点では距離が長いか。
仕掛け所は間違っていないと思います。同じに仕掛けたジェネラーレウーノが勝っているので、あれができないのであれば完敗。
1800m位で仕切り直してどうなるかを見てみたいですね。

ジェネラーレウーノが後続を離しにかかります。
その後ろでレイエンダも右鞭を叩き、その後ろで岩田騎手の左鞭。グレイルも進路を確保して一気に。

ここでコズミックフォースが脱落。
坂を上がってからブレステイキングとレイエンダに一気に離されてしまい、グレイルにも無抵抗で交わされました。
走りも上下動が出てきてしまい、スタミナ切れに見えます。
ダービーとは違う流れではありますが、ある程度上がりが出る馬場とペースという条件付きですね。

グレイルはスタート後手で後ろから。
道中は内側でじっくりして、コーナーを内を回りながら直線外へ。
岩田騎手の騎乗ですが、これできっちり権利取りの3着。

菊花賞は怖い1頭ですね。京都2歳Sの勝ち馬ですし、ここまでのクラシック戦線は軒並み遠征競馬。
継続岩田騎手なら菊花賞でも同じような競馬をしそうですし、京都の4コーナーで内を狙うグレイルを予想するのは難しくありません。
勝ち切るとなるとどうかなと思いますが、それでもいいレースはできるはず。丁度いい穴人気になるでしょうね。

ブレステイキングは力を見せてくれましたが最後はグレイルに交わされて4着。
権利を取れなかったのは残念ですが、パドックとかレース前の返し馬もそうですがまだまだ。
実績と言っても所詮は500万下でチャロネグロに勝っただけですので、秋の東京で1000万→1600万とすんなり突破してくれれば来春には面白い存在になります。
1000万下で手間取るレベルではないので、自己条件なら確勝でしょう。
4コーナーで鞭が入っているように、エンジンがちょっと遅いので、大回りで長い直線なら誤魔化せます。

レイエンダは負けてしまいましたが、しっかりと力を見せての2着。
道中ついていき上がり34.6でまとめました。
無敗記録は止まってしまいましたが、坂を上っても脚色衰えることなく前を追ったのは素晴らしいと思います。

ただ、兄貴よりスケールが大きいか?というと微妙。
雰囲気は良い子ですが、もう少し何かが欲しいところ。G1を勝つとなると少し足りないレースが続きそうなイメージを持ちました。

そしてジェネラーレウーノです。
クビを下げて走るのは相変わらず。ここもきっちり勝利しました。有馬記念では投票しましょう。
中山のコースの利はあるでしょうが、前を追いかけつつもロングスパートで押し切る馬は強くなると手が付けられません。

東京コースも勝っていますが、中山みたいな競馬場が得意なのは間違いないです。
未勝利戦以外上がり35.0を切っていない中、7戦4勝で重賞2勝は現代日本競馬ではなかなかないでしょう。

ずっと「菊花賞で激走しそう」と言い続けていましたが、菊花賞はそこそこ人気を背負いそうですね。負けてくれても良かったのに。
道中適当に走っている感じがするので、距離は持つはず。

この後ろで忘れた頃に激走をしていたオウケンムーン。
上がり34.3はグレイルと並んで最速でした。
荒治療ではありますが、最後方から一気に追い込むという共同通信杯の時からは考えられない思い切った戦法。
まぁこれで変わってくれれば、近い将来復活してくるかもしれません。ただ、菊花賞で大きく変わるかというと…。菊花賞後のチャレンジCとか出てくれば狙いたいですけどね。

皐月賞出走馬4頭のうち3頭が掲示板。
皐月賞3着馬 – レイエンダ – 皐月賞6着馬 – ブレステイキング – 皐月賞12着馬。

勢力図は大きく変わらず。
ただ、なかなか面白いレースでした。