写真で振り返る 第23回ユニコーンステークス レース回顧




レース

大外のミックベンハーが好スタートです。この騎手はスタート上手。そのお隣のダンケシェーンが出遅れ。
内のホウショウナウ、ハーベストムーンもまずまず。

ルヴァンスレーヴもスタート自体はそこまで悪くありません。

芝スタートなので、ここで遅れる馬も出てきます。
ダート1600mなので、できればきっちり1600mのダートにしてもらいたいのですね。このコースは走る馬はトコトン走る様に、得手不得手が大きく出る原因だと思っています。

芝からダートへ入ります。
ルヴァンスレーヴが最後方、ではなく、この後ろに「ノリポツン」でお馴染み横山騎手騎乗のダンケシェーンが大きく離れた後方です。まぁこれは出遅れなので仕方ない。

ハイペースの先行馬は揃っていませんが、この馬場ですし、多少前は意識していたように横並び。

最内からセイウンクールガイが先頭に立ち、ホウショウナウが2番手。
ハーベストムーンは外から3番手。バイラが続き、5番手位にグリム。

内からタイセイアベニールが少しずつ前に行き、プロスパラスデイズが中団の前目。
トキノパイレーツとリョーノテソーロ、外からミックベンハーと続き、中団少し後ろの内側にグレートタイム、コマビショウ。

外から徐々に進出して来たルヴァンスレーヴ。ベストマイウェイもその辺り。内に入れたエングローサーが後方2番手で最後方にダンケシェーンという展開です。

ペースは34.8-47.1-59.4。
スローとまでは言えないですが、この重馬場なら平均的なペース。

スタート直後にコマビショウとグレートタイムが接触し、コマビショウがクビを振ってなかなか落ち着きませんでした。
また、タイセイアベニールも馬群に包まれて嫌なのかガクガクしながら。ベストマイウェイも途中から徐々に下がってしまい、こちらも嫌気が差したのかもしれません。

ルヴァンスレーヴはスタートもあまり上手じゃない上に、左右から挟まれたのもあり、下げて外へ。
そこからミックベンハーのななこ騎手にピタッと横につけ、接触すれすれで外から抜きました。この辺りは一流騎手の腕ですね。ミックベンハーはやや下げて離されてしまいました。
リョーノテソーロも外から抜きながらバイラの外へ。この辺りの動きは他の馬との違いを感じます。

4コーナーで外から顔を出すルヴァンスレーヴ。

直線入り口でバイラの前をカットするように走り、和田騎手が僅かに立ちあがりましたが、あそこまでの勢い差があれば、戒告すらなりません。

逃げる最低人気のセイウンクールガイ。
その外からホウショウナウが2番手。その真後ろにグリムですが、こちらは動きが良くありません。
グレートタイムは馬群に突っ込みます。

残り400mでまだ持ったままで進出するルヴァンスレーヴ。

まだ後方ではグレートタイムが追えていません。前が壁になっています。
この後ろの緑帽子のエングローサーも同じで、なかなか追えていません。外に出すにはロスが大きすぎますので、もう仕方ないという所。

大外に出してミックベンハーやダンケシェーンも追っていますが、この馬場です。さすがに外に持ち出して…だと苦しい。
ある程度前に行ければよいですが、後方から外回して追い込むには適してはいませんでしたし、そこまでハイペースではありませんでした。

グリムもこの後ハーベストムーンの後ろに入ってしまい、追えなくなってしまいました。
ただ、それ以前に前に行けていませんので、もう脚が残っている感じもなく、9着に沈んだのもやむなし。
前走はスマハマをこの舞台で倒しましたが、大外から走れたのに対し、今回は丁度真ん中の枠で左右挟まれて苦しかったか。こういう経験が糧になってくれればいいですね。
ただ、13.0が入った前走に比べ、今回は落ちても12.3まで。息を抜けなかったから沈んだのであれば、もしかしたら現時点では距離が長かった可能性があります。

ハーベストムーンも外から並ぶ事無くルヴァンスレーヴに抜かれ、クビを上げて徐々に失速。
逃げた訳ではありませんが、4コーナーで先頭に並ぶこともできていませんし、初の1600mで高速決着の東京ダート。
ここまでスピードを求められるレースだと、適性的に向かなかったかもしれません。ただ、スタートも上手だし、JDDとかだと巻き返しもあるタイプだと思います。
ゴール前で両サイドに挟まれて不利を受けていますが、さすがに既に抜く気配がないので、戒告止まり。

ホウショウナウが特徴的な走りで頑張っていますが、最後よれたりしていますので、これはマイナスですね。
とはいえ、スタートから積極的に走り2連勝の勢いそのまま4着。時計も1:36.0を切って走り切りました。
グレートタイム、エングローサーが差してきた馬ですし、グリムやハーベストムーンが沈む中、よく頑張ったと思います。
1000万下で斤量が軽いうちに卒業したいですね。こういうレースが出来れば、人気が無くても狙いたいです。まぁこの時計で走ってしまえば人気にはなるでしょうが…。

5着に最低人気のセイウンクールガイが。
こちらもルヴァンスレーヴに抵抗していますし、力的には沈丁花賞でシヴァージ相手に勝っていることを考えれば、16番人気は過小評価も過小評価です。
もう少しだけスタート決めて楽に先手が取れれば、あと10mは粘れたかな。そうならば、着差的には4着はあったかも。
1400mの方が良さそうですし、軽めのダートなら東京マイルでも狙えそう。この時期ここまで走れれば、1000万下なら古馬でも互角です。

ルヴァンスレーヴが一気に抜け出します。
抜け出すと心細くなり、手を抜く馬もいますが、こういう風に問題ないのもいます。
ズンズンと後続を突き放していきました。

内でようやくスペースができた緑帽子のエングローサーに左鞭が入ります。
直線で一旦外に出そうとして、一度はグレートタイムの外になりましたが、外にスペースが開かずに内に再度進路変更。
前がばらけたため、残り100m付近から一気に加速。

グレートタイムは外へ外へ。
こちらも開かなくて苦労していましたが、グリムに押され、バイラが沈んでできたスペースをリョーノテソーロの吉田隼人騎手の肘がぶつかっていそうな位、馬体を併せて追い出しです。

そうこうしているとどんどん前が離れていきます。

馬場が内外差がないダートですし、ましてや軽い馬場です。
スタートから外なら別ですが、ロスなく走れないといけません。内が詰まるのも仕方ないですが、外回していたら間に合いません。難しい選択ですね。

ルヴァンスレーヴが完全に抜け出しました。

2着のグレートタイムは馬群を割ってからは素晴らしい伸び。
上がりこそ35.6ですが、追えなかった時間を考えるともう少し出たはず。
血統的にミラクルレジェンドにキングカメハメハなので、まだまだ成長するでしょうし、してほしい。
今回は完敗ですが、距離伸びて折り合いも心配なさそうなので、こちらもJDDなどでは十分巻き返せそうです。
レースは内で包まれましたが、苦にしてそうもなく、これ位のペースもへっちゃら。これで3歳戦なら除外はないですが、3歳限定戦で賞金加算しないと出るレースが難しいかも。

3着は惜しくも頭差やられたエングローサー。
進路取りに手間取ったのは事実ですが、外に蓋された段階で、即座に内に切り替えなかったらアウトでした。馬券買ってたので、非常に助かりました。
今回みたいなレースだと展開待ちになってしまうのが苦しいですが、ここ3戦は末脚しっかりしていますし、こちらも仮に人気が無くても買いたい1頭です。
ただ、いつ来るか分からないという事も。
1000万下からやり直せれるので、今年中には1600万下を卒業できる素材だと思います。ある程度直線が欲しいですね。

後続をぶち抜き、1:35.0、上がり35.2、3馬身半という完璧な数字で大外から駆け抜けたルヴァンスレーヴ。
結果的に単勝2.3倍はこれは美味しすぎた。

前後半47.1-47.9でしたが、この馬は推定47.5-47.5位で走っています。
直線も気合をつけるだけでサッと抜け出す反応の良さもそうですが、抜け出してから突き放す走りが「強いダート馬」って感じがします。

前走とは全く反応が違い、4コーナーで抑えきれないような走り。
やや軽めのダートだと抜群に走り、中山みたいな小回りよりは東京の方が良さそうですね。
時計が出る馬場とはいえ、56kg背負って1:35.0は簡単に出ませんし、現時点での完成度は他の馬より1枚上です。

強いのは確実ですが、良馬場の大井だとどうでしょうかね?やや苦戦する気がする。
ゴールドドリームもそうですが、ここまで東京マイルのパフォーマンスが優れているのを考えると…。この馬場が割と日本の中でも特殊なので、川崎でドンフォルティスに勝っているとはいえ2歳戦。心配がないとは言えません。

まぁ2歳で見た時より成長している感じもするので、心配しすぎかもしれないけど。
よくいる早枯れのタイプに見えないので、来年のフェブラリーステークスまで無事に成長してほしいです。

 

それにしてもルッジェーロ、イダペガサスが出走できなかったのは残念です。
ダートを整備しないのはこの際仕方ないとして、いい案がないですかね。

例えばケンタッキーダービー制度にして、OP特別のレースにポイント付けて、上位稼いだ馬は500万勝ち同士でも優先出走できるとかにすればいいのに。
このままだとデビュー戦からカトレア賞勝ち、ヒヤシンスS2着→昇竜S2着→端午S2着の馬も抽選対象で弾かれる可能性があるのであれば、JRAもプラスにはならないはず。

ヒヤシンスSは2着馬10ポイント、3着馬4ポイント、4着馬2ポイントとかにして、ポイントの上位陣には優先的に10頭出られるというようにすれば、今の賞金形態も変えずになんとかなるかな。
春に良いレースがないので、ユニコーンS、JDDにはいい馬が出てほしいですし、出られない馬は1000万下に迷いなく出た方がプラス。
救済で1000万平場のダートでも組むしかないね。

毎年ユニコーンSになると言われてしまうけど、JRAも動かないなー。
「ダートで賞金稼ぐとダービー出てくる問題」はダート重賞で加算した金額は半分で計算する、で強引に出れないようにしちゃえばいいのよ。