写真で振り返る 第35回フェブラリーステークス レース回顧




レース

スタートは出る馬がきちんと出たと思います。
サンライズノヴァとベストウォーリアのピンク帽子とテイエムジンソクが素晴らしいです。
内からニシケンモノノフ、ケイティブレイブ、ノボバカラとこちらも悪いスタートではありません。

キングズガード、サウンドトゥルーは元々下げる馬なので別にいいですが、ゴールドドリームは手が動いていました。スタート失敗ではないですが、乗り切れなかったか?という走りです。

すぐに内枠の3頭にテイエムジンソクとララベルが先頭集団を形成し、引くに引けない流れになりそうに感じました。

その後ろにはインカンテーションも好位を取り、外から好スタートからじっくり下げたサンライズノヴァとベストウォーリア。
内に迷わず入れてくれたアウォーディーにロンドンタウン、レッツゴードンキやメイショウスミトモが中団。

後方にゴールドドリーム、内でサウンドトゥルー、キングズガード、ノンコノユメという展開です。

パトロールビデオを見るとノンコノユメが馬群から少し離れた外側へ。砂を食らわない位置にいました。ただ、行きっぷりが悪いのは相変わらずで適度に促しながら。

道中流れたので、掛かる馬なんぞ皆無です。
さすがにJBCスプリントの勝ち馬が逃げ、川崎記念を勝った馬が追いかけるとこうなりますね。
ララベルが途中から前を追いかけるだけで徐々に離されていきましたし、その流れをテイエムジンソクも一緒になってしまいました。

この重いパサパサ馬場で34.1-45.8-58.3は速いです。
テイエムジンソクは追いかけすぎですし、ロンドンタウンやインカンテーションが徐々に離されて行く中、ベストウォーリアが少しついていったのすら深追いに感じます。

今日は午後の芝のレースで軒並み63秒近くかかっていて、後ろから全然抜けないまま終わっていて「しっかりしてくれよー」って思っていましたが、このレースは逆の意味でそうですね。
このペースでは後半5秒近くラップダウンしても1:36.0で走れます。
48.0-48.0で走れるけど、46.0-50.0で走れるものでもありません。ゲームじゃないんだし。これが難しんでしょうけどね。

4コーナーで前が粘り切る印象はとてもありませんでした。

直線は前の馬が入り、外からゴールドドリームがグーンと上がっていき、その後ろから手が動いてノンコノユメ。アウォーディーは内へ入ります。

砂で絵が汚いですが、これが冬のダートってことで。
逃げるニシケンモノノフの後ろからケイティブレイブが頑張っています。

その外から芦毛のテイエムジンソクが粘っていますが、前を楽々交わす雰囲気は全くなく、先頭に立つ瞬間はあるかもしれませんが、お釣りがありません。

大外にノンコノユメが持ち出しましたが、この時点ではゴールドドリームにはしっかり離されてしまい、サンライズノヴァにも後れを取ります。
いつも通りの反応の悪さ。
対してレッツゴードンキが内にシュンと入れたのが目に入り、「お、これは!」と思って見てました。

ゴールドドリームがいつも通りの走りで外から一気に先頭を狙います。先にテイエムジンソクは沈みました。
内でケイティブレイブが粘っていますが、その内からレッツゴードンキ。

サンライズノヴァの外からノンコノユメが離された後に徐々に加速し交わしました。
その後ろのキングズガードが外に出すだけではないこの顔の位置。真っ直ぐちっとも走りません。

テイエムジンソクはここで早々に脱落。
スタートの速さと前半の前向きさがこの流れに乗れてしまい、結果的には仇となってしまいましたかね。
「やはりマイルだと忙しい」という単純なものではなく、こうじゃない流れなら結果は違っていたでしょう。1秒近く前半が遅いレースならどうだったでしょうかね。
1年に1回しかないので、チャンスは多くなく、こういうのも巡り合わせですね。

ケイティブレイブも同じです。
このペースで走るのに慣れていないでしょうし、もし出遅れれば違ったかもというのが何とも…。
両隣が一緒に走ってくるタイプだったのも厄介でしたね。前に行く馬が大外から内に入ってくる感じなら下げるのもやりやすいですが、隣2頭いて引くタイミングが難しかったか?
それでも1回先頭に立つ見せ場は作ったのは力があるからだと思います。

ノンコノユメが大外からサンライズノヴァを振り切って前を追いかけます。

サンライズノヴァは悪いレースをしていませんが、ノンコノユメとの爆発力の差を感じました。
4コーナーから追い出したのに、ゴールドドリームに馬なりでコーナーで抜かされてしまっているので、ここを勝ち抜くにはまだパワー不足なんでしょう。
ただ、さすがにこの舞台は走ります。大崩れしないですし、キングズガードに寄られてもへこたれず、前とは離れてもしっかり走りレッツゴードンキを交わしました。
第2のベストウォーリアになれそうな気配は感じます。来年もしそこまでの成績が悪くても侮れません。

内のレッツゴードンキはいい走りを見せました。
コース取りも思い切ったものでしたし、抜け出すタイミングも少し早いですが、前がバテてるから仕方ありません。
最後止まってしまっていますが、砂を受けてしっかり脚が溜まったのでしょう。少なくとも一瞬は「やられた」と思いました。
芝ダート兼用ですので、どこでも走れますね。6歳牝馬。ここまで一線で走り続けていて本当に立派です。

アウォーディーは9着でしたが、内を突くのは自分は期待した通りでした。
捌くのに少し内へ外へと移動はありましたが、シュンと反応もせず、ジワジワと伸びるだけ。
中央のG1を勝つとなると、これだとそろそろ厳しくなってきたなと思いました。

ベストウォーリアも同じ。
全盛期ならあの位置にいてもここまで崩れる事はなかったと思います。ペースに対して深追いかもしれませんが、この馬の力ならきっちり見せ場は作れたはず。
「衰え」と言われてしまっても仕方ないなという敗戦でした。

キングズガードは直線で顔が外を向いたまま走っています。
左回りはささるので、この癖が厄介です。内埒走れればいいんですが、そんなレース滅多にないので、こういうレースが続いてしまいます。
外に出すと一気に行きそうなので、なるべく併せながら外に出して行くしかないかな。

3頭の追い比べ。
内田騎手はすごい追い方です。

内でインカンテーションがさすがにこの舞台ならの走りを見せました。
ゴールドドリームが前に行ってから体半分と離されず、最後まで頑張っていました。
前半行きっぷりが悪かったですが、無理に行かなかった(行けなかった?)というのが結果的にはプラスでした。マイペースを崩さず、目の前に目標がいて、展開含めて上手にレースをしています。
どうすれば勝てたかは分かりません。

2着のゴールドドリームは東京マイルは文句なしに走りますね。
ここまで安定して伸びてくるのであれば、来年も期待です。
抜け出すのは気持ち早かったとは思います。ワンテンポ待っても前が勝手に潰れるレースですので、ペースを読み違えたとは思いませんが、先頭に立ってしまったから仕方ない。
もう少し誰でもいいので前が粘ってくれれば。

直線でインカンテーションが内にいるにも関わらず、気持ち馬を外を向かせて、まだ見ぬノンコノユメに照準を合わせるように併せに行っています。
この辺りは伊達にクールモアグループの1番手ではありません。

勝ったノンコノユメはセン馬になって復活の2連勝。
並んでから一瞬で交わしそうな雰囲気だったのに、並んでから上にフワっと走りだし、先頭に立つのがイヤなのかという所でもう一度内田騎手が見せ鞭を使いながら前に。

勝ち時計1:36.0はこの馬場なら悪くありません。
前後半で45.8-50.2という後傾ラップなので、もちろん追い込み馬にとっては恵まれました。
前半と直線の反応の悪さはいつも通り。これでも届くかどうかがこの馬の醍醐味なので、信じた人は気持ち良かったでしょうね。
真っ直ぐ走らせると脚の回転が違います。

上位4頭は誰が見ても東京マイルは信用していい馬ですし、やはりこの傾向は今後強くなると思います。

内田騎手は2014年のヴィルシーナ以来の久々のG1勝ち。
この鈍さは例の白いのと同じで内田騎手に合ってそうですし、まだ6歳馬。手術もあってまだ21戦目。ダートではまだまだ若い部類です。

派手な馬で人気馬ですから、これからもダート界を盛り上げていってもらいたいですね。